車や歩行者にわざとぶつかって治療代を請求する「当たり屋」の手口が変わり「スマホあたり屋」が暗躍しているそうです。
わざと車や歩行者と接触し、もともと壊れていたスマートフォンを落として治療代の代わりにスマホの修理代を請求する手口です。
コロナ禍の影響で世の中が不景気となり、「スマホあたり屋」のような人が増える可能性があります。
今回は「スマホあたり屋」から身を守る方法をご紹介したいと思います。
1.「スマホあたり屋」の手口とは?
「スマホあたり屋」の手口は単純です。
もともと壊れたスマホを準備して、わざと車や歩行者に接触し、地面にスマホを落として、修理代などの名目で現金を請求する詐欺です。
実際にあった「スマホあたり屋」の事件は下記の通りです。
2019年7月、大阪市旭区の路上。20代の男が移動中の車のドアミラーに接触し、地面にスマホを落とした。「電源が入らない。自営業でスマホがないと仕事ができない」。男は運転手に弁償を求め、付近の携帯ショップに同行。「(金の)持ち合わせがない。支払ってもらうしかない」。男の勢いに押され、運転手は10万円を渡した。
後日、運転手は大阪府警旭署に交通事故を届け出た。事情を聞いて事件性を疑った同署員らは捜査を開始。府内で同様の届け出が複数あることが判明し、19年9月に男を詐欺容疑で逮捕した。男は同罪で起訴され、公判中だ。
実はスマホはもともと壊れており、落ちた際に使えなくなったと見せかけていた。府警によると男らのグループは18年9月以降、計10人からスマホの弁償名目で計116万円を詐取していた。
男の動機について、府警幹部は「以前、男が交通事故に遭ったときにスマホが壊れ、相手が弁償代として数万円を支払ったことがあった。金もうけになると味を占めたのでは」と説明。「相手は弁償代で済むなら早く交渉を終わらせたいといった心境になる」とみる。
(出典:日経新聞)
スマホの修理代として数万円で済むのであれば、その場で解決(示談)してしまいたいという人間の心理をついた犯罪です。
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2.「スマホ当たり屋」の被害にあった場合の対処法
実際に「スマホあたり屋」の被害に遭ってしまったらどうしたらいいのでしょうか?
絶対にその場で示談しない
「スマホあたり屋」の被害に遭った場合、絶対にやってはいけないことがその場でお金を払うなどして示談することです。
相手は「仕事で使う携帯だから」など言葉巧みにその場で修理代や弁償代を払わせようとすると思います。
しかし、その場で修理代などの支払いをせず、まずは警察に連絡をするべきです。
特に車を運転中に「スマホあたり屋」が当たってきた場合には、交通事故になるので、警察に連絡する必要があります。
車を運転中に「スマホあたり屋」の被害に遭った場合
車を運転している際に「スマホあたり屋」に当たられてしまった場合、まずは交通事故として警察に連絡をし、その後に自動車保険に加入している保険会社に連絡をしてください。
「スマホあたり屋」との示談交渉は全て保険会社の担当に任せるのが得策です。
スマホの修理代は、自動車保険の対物賠償保険で補償の対象になります。
仮に、保険会社の担当者が「スマホあたり屋」を詐欺だと見抜けば、修理代を払うことはないでしょうし、修理代を支払うにしても妥当な金額しか支払いません。
保険会社に示談交渉を任せない場合、「スマホあたり屋」の言い値の修理代や弁償代を払うことになる可能性があります。
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自転車や歩行中に「スマホあたり屋」の被害に遭った場合
自転車に乗っている場合や徒歩で「スマホあたり屋」に当たられた場合には、自転車保険や個人賠償責任補償特約(保険)で対応できます。
自転車保険は傷害保険と個人賠償責任保険がセットになった商品で、個人賠償責任保険は、自転車事故以外の下記のような事故も補償対象となります。
- 買い物中に高価な商品を壊してしまった
- 自宅の窓から誤ってモノを落として、下を歩いていた人にケガを負わせた
- マンションに居住中に水道の蛇口を閉め忘れ、階下の住居を水浸しにした
- ゴルフのプレー中に打ったボールが他人にあたり、ケガをさせた
また、自転車保険や個人賠償責任補償特約(保険)も示談交渉サービスが付いてる商品がほとんどなので、『あたり屋』との示談交渉は全て保険会社に任せるようにしてください。
なお、自転車保険は商品によって、自転車利用時のみの補償となっている場合があるので、注意が必要です。
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まとめ
悲しい話ですが、コロナ禍の影響が長引けば、「スマホ当たり屋」のような人が増える可能性があります。
「スマホ当たり屋」の目的は何かを考えると、その場で解決(示談)してしまいたいという被害者の心理をついて数万円程度の現金を手に入れることです。
被害者がその場で示談せず、警察や保険会社に連絡すれば、「スマホあたり屋」の詐欺が明るみに出る可能性があるので、「スマホあたり屋」も諦め、犯罪を未然に防げる可能性があります。
また、個人賠償責任補償特約(保険)は、日常生活の事故が幅広く補償されます。
いつどんな形で、「スマホあたり屋」のような被害に遭うか分からない時代なので、自転車保険や個人賠償責任補償特約(保険)に加入しておくことをおすすめします。