現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

【株価急上昇】株価の急騰時も積立投資は継続すべき?


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昨年(2019年)は「老後2000万円問題」が話題となり、公的年金だけでは老後資金が心配ということで、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)つみたてNISAを始めた方も多いでしょう。

 

しかし、2020年初めは新型コロナウイルスの感染拡大から、世界的に株価が大暴落。

 

逆に最近では、NYダウや日経平均などは大きく上昇しています。

 

資産運用を始めたばかりで、コロナショックによる大暴落や株価の急上昇というジェットコースターのような相場を目の当たりにし、どのように対応すべきか心を乱されている方もいるのではないでしょうか?

 

 iDeCo(イデコ)つみたてNISAは積立投資なのですが、積立投資は株価急騰時でも継続するべきなのでしょうか?

 

今回は、株価急騰時の積立投資について解説します。

 

 

積立投資の目的は?|長期の資産形成?短期の値上がり益?

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結論から申し上げると、資産運用の目的が長期の資産形成であれば、株式相場が急騰するような状況でも淡々と積立を継続すべきです。

 

株価暴落時はもちろんのこと、株価急騰時にも心を乱されて冷静な判断力を失ってしまいがちです。

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これだけ相場が上がっているのであれば、積立投資などしていると、儲けの機会を失ってしまうと考える方もいるかもしれません。

 

しかし、このような状況の時こそ、何を目的に資産運用を行っているかを再確認してください。

 

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」や「つみたてNISA」をやっている方の多くは、長期での資産形成を考えているのではないでしょうか。

 

特にiDeCo(イデコ)は、原則、60歳まで掛金を引き出すことはできないわけですから、老後資金の準備が目的となります。

 

短期間で利益を出すことが目的であれば、株価の上下動に合わせて売買する必要があります。

 

しかし、 長期での資産運用を考えているのであれば、短期間の株価の上下動を気にすると、かえって運用成果が下がってしまう可能性大。

 

株価の変動に合わせて売買する投機は、うまくいけば大きな収益を上げることができますが、常に相場を見ることができない一般の方には向いていません 。

 

短期の収益を狙うのではなく、長期の資産形成を考えているのであれば、いつ株価の暴落や急騰が起こるのかは分からないので、積立投資を基本として、積立を継続することが最も合理的な方法でしょう。

 

 

株式相場の上昇トレンドはいつまで続く?

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今回の上昇トレンドはいつまで続くのでしょうか?

 

この上昇トレンドは来年の春まで続くなどと予想する方もいますが、あくまでも予想であって、正確な株式相場の先行きは誰にも分かりません。

 

気を付けるべきは、相場の雰囲気に飲まれて、誤った売買をしないこと。

 

特定の銘柄の株式が今後も上昇を続けるなどの言葉に騙されて、高値掴みをしてしまう可能性もあります。

 

短期間で相場が急騰すると、積立投資など退屈、この上昇相場に乗って一儲けしたいと考えてしまいがち。

 

しかし、投資経験が浅い方がスマホ片手に大きく稼げるほど株式投資は甘くありません。

 

短期で大きく稼げる可能性のあるトレードをするならトレードについて学ぶ必要があります。

 

生半可な知識で投機的なトレードを行えば、大きな損失を抱える可能性もあります。 

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含み益が出ている積立資産は現金化しておくべき?

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今回の上昇相場で、つみたてNISAiDeCo(イデコ)で積み立てている投資信託に含み益が出ている方も多いと思います。

 

保有している投資信託に含み益が出ている間に現金化しておくべきなのでしょうか?

 

含み益が出ていても、積立資産の現金化は避けた方が無難です。

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つみたてNISAは現金化すると非課税枠の再利用は不可

つみたてNISAは、積み立てた投資信託を現金化してしまうと、非課税枠を再利用することはできません

 

つみたてNISAには20年の非課税枠がありますが、仮に5年後に積み立てていた投資信託を現金化した場合、残りの15年間は非課税枠を利用できなくなります。

 

現金化後にも更に投資信託が上がれば、収益の機会を失うことになる可能性もあるので、投資信託の売却は避けておくべきでしょう。

 

iDeCo(イデコ)資産の頻繁なスイッチングは運用成果が下がる?

また、iDeCo(イデコ)についても含み益が出ている投資信託を現金化して定期預金などにスイッチングすることは避けるべき。

 

一度、保有している投資信託を現金化してしまうと、再度、投資信託などにスイッチングするタイミングが難しくなります。

 

また、頻繁に現金化や投資信託へのスイッチングを繰り返すと、淡々と積み立てていたケースと比べて、却って運用成果が下がる可能性もあります。

 

 

株価の急上昇時も積立投資を継続しても大丈夫?

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iDeCo(イデコ)つみたてNISAドルコスト平均法を活用した積立投資です。

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積立投資は高い時には口数を少なく、安い時には口数を多く買い、買い単価を平準化する投資手法ですが、株価が高い時には積立を止めるべきなのでしょうか?

 

仮に、上昇相場の天井が分かるのであれば、株価の天井付近では積み立てを止め、株価が下がってから積み立てを再開する方が買い単価を下げるうえでは合理的な方法です。

 

しかし、株価は今が天井のか、これからどの程度上昇していくのか、などは誰にも分かりません。

 

一時的な上昇相場と思ったら、数年の間、上昇トレンドが継続し、その後、株価が下がらないということも可能性としてはゼロではありません。

 

そうなれば、安いところで買いそびれたことになってしまいます。

 

また、積み立てを一度、止めてしまうと、再開するタイミングを計るのが難しくなります。

 

よって、積立投資に関しては、今まで通り淡々と継続すべき。

 

株価が急騰しようが、急落しようが、積み立てているファンド(投資信託)が間違いないのであれば、相場の変動に影響されることなく、淡々と積立を継続するべきです。

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まとめ

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資産運用時に一番やってはいけないことが、相場の雰囲気に飲まれ、冷静さを失うことだと私は思っています。

 

冷静さを失うと、大きく資産を減らしてしまう可能性があります。

 

iDeCo(イデコ)つみたてNISAで積立投資を行っている方の目的は、長期の資産形成のはず。

 

長期の資産形成が目的であれば、相場の変動に一喜一憂せず、淡々と積み立てを継続すべきです。

 

市場の雰囲気にのまれて、短期目線の売買を行うと、大きな損失を被る可能性があります。

 

私の運用の基本は、iDeCo(イデコ)などを活用した積立投資ですが、これまでも、これからも、淡々と目標に向かって「ほったらかし投資」を継続していく予定。 

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短期的な相場の雰囲気に流されることなく、ご自身の投資スタイルを貫いて頂ければと思います。