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出生数70万人割れ・出生率も過去最低の1.15|少子化を止める方法とは?


2024年に生まれた日本人の子どもの数は68万6000人余りと前年より4万1000人余り減少。

 

予想されていたことではありますが、統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回りました

 

また、1人の女性が産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率は1.15となり、これまでで最も低い状況。

 

出生数の減少に歯止めがかからない状態になっています。

 

なぜ、日本人の出生数は減り続けているのでしょうか?少子化を止める方法はないのでしょうか?

 

今回の記事では、日本人の出生数が減少している原因と少子化を止める方法について解説します。

 

日本の少子化問題は待ったなしだ!と憤っている方は参考にしてください。

 

 

出生数70万人割れ|国の推計よりも14年も早い

(出典:産経デジタル)

 

2024年に生まれた日本人の子どもの数は68万6000人余りと、前年より4万1000人余り減少。

 

予想されていたことではありますが、統計を取り始めて以降、初めて出生数が70万人を下回りました

 

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が令和5年にまとめた将来推計人口(中位推計)によると、令和6年の日本人のみの出生数は75万5千人の見込み。

 

初めて70万人を割り込むのは、2038(令和20)年の69万2千人になるとの想定でしたが、14年も早く70万人を割り込むことになりました。

 

また、女性1人が生涯に産む子供の推定人数「合計特殊出生率」も1.15と過去最低を更新

 

少子化に歯止めがかからない状況です。

 

更に、結婚適齢期を迎えている1990年代生まれの出生数は120万人程度で安定していましたが、2005(平成17)年に110万人を割り込む状況。

 

2016(平成28)年には100万人を下回るなど、今後適齢期を迎える世代の減少が予想されています。

 

政府は「2030(令和12)年までがラストチャンス」と危機感を強めていますが、少子化が止まるどころか加速しているのが現状です。

 

 

少子化の原因は?

少子化問題の本質は結婚する人達が減っている非婚化

 

日本の未婚男女の結婚希望者は、下図の通り減少していますが8割程度で推移。

出典:国立社会保障・人口問題研究所

 

一方、日本人(50歳時)の未婚率は、下図の通り男女ともに上昇傾向にあります。

出典:内閣府

 

上記から導き出される結論は、結婚したい人達が結婚できていないという現実。

 

未婚者が結婚できない理由として、結婚後の生活資金が足りないという現実があります。

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少子化を止める方法とは?

想定よりも14年も早く出生数が70万人を割るなど、日本にとっては緊急事態です。

 

少子化の最大の原因が経済的不安からくる非婚化であれば、現役世代の可処分所得を増やす政策を第一に行うべき。

 

国の有事である今こそ国債を財源として下記のような政策を行うべきです。

  • 消費税廃止・減税
  • 「年収の壁」引き上げ
  • 社会保険料減免

 

早急に約50%という高い国民負担率(国民所得に対する税負担と社会保険料負担の割合)を引き下げ、国民の可処分所得を増やす政策を行う必要があります。

 

しかし、こども家庭庁の推進している「こども未来戦略」が下図の通り。

(出典:日本経済新聞)

 

更に独身税と揶揄されている「子ども・子育て支援金」を2026年4月から社会保険料に上乗せして徴収する予定。

 

現役世代をより貧しくする政策を行うとは、ピントがズレ過ぎていて絶句します。

 

確かに子育て世帯の支援は必要。

 

しかし、結婚した夫婦の子供数は2002年の2.2人から2021年の1.9人に減っているとはいえ、大きな変化はありません。

 

つまり、結婚できる夫婦は約2人の子供を作るので、少子化問題の最優先課題は結婚する人の数を増やことです。

 

年収の壁」を178万円に引き上げると、所得税と個人住民税をあわせて7~8兆円の減収となるとの批判も多くでました。

 

税収減が問題であれば、少子化を加速させている「こども家庭庁」を解体して約7.3兆の予算を「年収の壁」引き上げに使った方が少子化対策になるでしょう。

 

日本円建ての国債はデフォルト(債務不履行)しない

少子化対策のために国債を発行すると聞くと、これ以上に国債を発行すると「財政破綻する」や「ハイパーインフレになる」と不安に感じる方もいるでしょう。

 

しかし、自国通貨建ての国債を発行できる日本が「財政破綻」することはありませんし、「ハイパーインフレ」になる可能性もほぼありません

 

これは財務省が自ら認めていること。

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何よりの証拠が新型コロナの際に日本は100兆を超える国債を発行しましたが、財政破綻もハイパーインフレも起こっていません

(出典:財務省)

 

国債を財源として消費税廃止や「年収の壁」引き上げなどにより国民の可処分所得を上げれば、GDPが増加して税収が上がるでしょう。

 

税収が上がれば、国債の発行額を減らせる可能性もあります。

 

国内景気が拡大して企業が設備投資などのために借り入れを増やせば、バブル期のように国債発行ゼロの状況も起こり得ます。

 

つまり、経済が活性化すれば国(政府)の財政も健全化する!

 

まさに「経済あっての財政」なのです。

 

 

まとめ

2024年に生まれた日本人の子どもの数は68万6000人余りと、前年より4万1000人余り減少。

 

想定よりも14年も早く70万人を割り込むことになりました。

 

少子化の最大の原因は経済的不安からくる非婚化なので、現役世代の可処分所得を増やす政策を第一に行うべき。

 

国の有事である今こそ国債を財源として下記のような政策を行うべきです。

  • 消費税廃止・減税
  • 「年収の壁」引き上げ
  • 社会保険料減免

 

しかし、自民党の森山幹事長は、この期に及んで政治生命をかけて消費税減税を阻止すると発言。

 

これは、日本人を貧困化して更に人口を減少させることに政治生命をかけると発言しているのと同義。

 

更に石破茂首相は、参院選の公約に「2040年に平均所得5割増」を掲げるなどと悠長なことを言っています。

 

国民が政治に関心を持ち、石破首相や森山幹事長のような政治家を国政から排除しない限り、日本の衰退化は止まりません。