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【新NISA】インデックス投資で失敗する人の特徴③頻繁に売買を繰り返す


新NISAのスタートをきっかけに「つみたて投資枠」を使ってインデックス投資を始めた方は多いでしょう。

 

その一方で、インデックス投資の本質を十分に理解できていない方も多いはず。

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インデックス投資の本質が分かっていないと、途中で挫折してしまうケースも少なくありません。

 

そこで、 投資初心者がインデックス投資で失敗(挫折)しやすいポイントをシリーズで解説していきます。

 

投資を始めた“初期段階”でこれらを知っておくことで、長期的に資産を増やせる確率がぐっと高まります。

 

今回の記事で解説する失敗(挫折)ポイントは 「頻繁に売買を繰り返す」。

 

インデックス投資で資産を増やしたい人は参考にしてください。

 

 

売買を繰り返すほど利益は減っていく

インデックス投資で失敗する人の特徴の1つが、「相場の動きに合わせて売ったり買ったりしてしまう」です。

 

相場が下がる局面で積み立てたインデックスファンド(投資信託)を売却して現金化。

 

その後の相場反転時に買い直すことを繰り返そうとする方がいます。

 

投資初心者が株価チャートを見て、相場の上下動に合わせて売買した方が利益が出ると勘違いするのはムリもないこと。

 

しかし、インデックス投資とは市場全体の成長に長く乗り続けることで、複利の力を最大化させる手法です。

 

短期的な値動きに一喜一憂して売買を繰り返すと、インデックス投資が持つ本来のメリットを自ら手放すことになってしまいます。

 

インデックス投資の成果を最大化させるコツは、驚くほどシンプル。

 

それは、「一度買ったら資金が必要になるまで売らずにガチホ(長期保有)し続けること」。

 

実は、個人投資家で最も高いリターンを出しているのは「運用していることを忘れている人」や「亡くなった人」という有名なデータ(米フィデリティ証券の調査)もあります。

 

個人投資家が売買を繰り返すほど、利益は減っていくものと考えた方が無難でしょう。

 

 

なぜ「頻繁な売買」は利益を削るのか?

なぜ、個人投資家が売買を繰り返すほど、利益は減っていくのでしょうか?

 

その理由は大きく分けて3つあります。

 

1. 手数料と税金が利益を削る

銘柄によっては売買のたびに信託財産留保額などのコスト(手数料)がかかる場合があります。

 

さらに、利益が出ている状態で売却すれば、その利益に対して約20%の税金が発生(NISA口座を除く)。

 

本来なら再投資に回せたはずの資金が目減りするため、長期的な資産形成において大きな足かせとなります。

 

2. 複利の効果がリセットされる

複利とは、運用で得た利益を再び投資に回すことで雪だるま式に資産が増えていく仕組み。

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複利はアインシュタインが「人類最大の発明」と呼ぶほど強力なパワーがあります。

 

売却して現金化してしまうと、その時点で複利のエンジンが止まってしまう。

 

結果的に資産形成の効率を劇的に下げてしまうのです。

 

3. 「稲妻が輝く瞬間」を逃す

市場の大きな上昇は、短期間に集中して起こることが多いもの。

 

頻繁に売買して「安く買って高く売ろう」と狙うと、皮肉にもその「急上昇の数日間」を逃してしまうリスクが高まります。

 

実際、チャールズ・エリスは『敗者のゲーム』の中で、「投資家は稲妻が輝く瞬間に市場にいなければならない」と書いています。

 

『敗者のゲーム』の中には、下図のようなデータが掲載されています。

 

1980年〜2008年にS&P500に投資した場合の運用利回りは年利11.1%。

 

しかし、下記のように上昇相場を少し取り逃がすだけで、運用利回りはどんどん下がっていくことが分かります。

  • ベスト10日を取り逃すと年利8.6%
  • ベスト20日を取り逃すと年利6.9%
  • ベスト30日を取り逃すと年利5.5%

 

インデックス投資で最も重要なことは運用を長期継続することであって、自分の判断で売買を繰り返すと大きな上昇を取り逃す可能性が高まるだけでしょう。

 

 

売買を繰り返そうとして失敗する人の典型的なパターン

初心者が陥りがちな「失敗のシナリオ」は下記の通り。

 

パターンA:暴落時のパニック売り

ニュースで「世界同時株安」と聞き、怖くなって売却。

 

市場が回復したら買い戻そうと考えるもタイミングを逃して失敗。

 

結局「高い時に買って、安い時に売る」という最悪の結果に。

 

パターンB:少しの利益で「勝ち逃げ」

「5%利益が出たから一度利益確定しよう」と売却。

 

しかし、その後も株価は上がり続け、結果的にはさらに高い価格で買い直すことになってしまう。

 

どちらのケースも、短期の値動きに翻弄されたのが失敗の原因です。

 

プロでも相場の動きを読むのは至難の業。

 

素人が市場の動きに合わせて売買しようとすると、結果的に多くのケースで裏目に出てしまいます。

 

 

まとめ

インデックス投資を成功させるための鉄則は、非常にシンプルです。

  • 一度買ったらガチホ(長期保有)する
  • 相場の動きに翻弄されず淡々と積み立て続ける

 

インデックス投資において必要となる力は「予測する力」ではなく、「継続する忍耐力」です。

 

「頻繁に売買したくなる」衝動をグッと抑えて、市場という大きな波に身を任せる。

 

10年~20年後にその忍耐が大きな果実となって返ってくるでしょう。

 

なお、インデックス投資の失敗ポイントについては下記記事でも解説していますので、ご参照ください。

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