新型コロナウイルスの感染状況やウクライナ情勢などにより、今後の世界経済は混沌としています。
世界の政治経済情勢が不透明な状況の中、金(ゴールド)に関心を持つ方も少なくないでしょう。
実際、「金投資ってどうですか?」というご質問を頂くことが増えました。
私は、資産運用の手段としての金(ゴールド)購入はおすすめしていませんし、私自身も金は購入していません。
今回は、資産運用の手段として金(ゴールド)の購入をおすすめしない理由について解説したいと思います。
金(ゴールド)を所有しても利子や配当金などのインカムゲインは得られない
金(ゴールド)の購入については、現物の場合の盗難リスクや売買時の手数料が高いなどのデメリットがありますが、私が資産運用の手段として金の購入をおすすめしない一番の理由は、「お金を働かせる」ことにはならないからです。
金(ゴールド)は長期間所有しても利子や配当金などのインカムゲインを得ることはできません。
インカムゲインとキャピタルゲインの違いについては、下記記事をご参照ください。
金(ゴールド)で稼ぐ方法はキャピタルゲインのみ
金(ゴールド)で稼ぐには、価格の変動で利益を得るしかありません。つまりキャピタルゲインのみ。
金相場の値動きで稼ぐしかありませんので、「金投資」という言葉がありますが、「金投機」の方がしっくりきます。
「投資」と「投機」の違いについては、下記記事をご参照ください。
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実物資産としての金(ゴールド)購入
資産を増やすという運用目的で金(ゴールド)を購入することはおすすめしませんが、実物資産としての購入はアリだと思います。
金(ゴールド)には有限の資源である希少性と、世界共通の価値があるというメリットがあります。
リスク分散の意味での金所有は検討の余地があるでしょう。
「有事の金」といって、金自身に価値がありますので、米ドルや日本円などのように国の信頼がなくなれば紙切れになってしまう通貨にはない魅力があります。
金(ゴールド)はインフレに強い
実物資産である金ですので、インフレにも強いです。
日本がインフレになって物価が上がれば、日本円の価値は相対的に下がりますが、実物資産である金(ゴールド)は値上がりします。
今後、日本でもインフレが進む可能性もありますので、そのような際に金(ゴールド)を所有してれば、リスクヘッジになります。
全ての資産を日本円の預金・貯金で保有するくらいであれば、資産の一部を金(ゴールド)にしておいた方が安全であることは間違いありません。
また、金(ゴールド)は地金だけでなく、金貨などもありますので、プレゼント用や鑑賞用に購入するのもいいかもしれません。
ただし、金(ゴールド)の保有はリスクヘッジが目的なので、金の所有を増やし過ぎると資産が増えません。
金の保有については、資産の1割程度くらいにとどめる方がいいでしょう。
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金(ゴールド)の購入タイミングとしては最悪?
金の国際価格の上昇にともなって、金の購入に興味を持った方も増えたと思いますが、現状で大きな額の金(ゴールド)を購入することはおすすめできません。
現状でも金相場はかなり上昇していて、すでに天井付近にある可能性もあります。
数百万円単位などで金を購入した後に金価格が暴落するケースも考えられます。
現在は、世界中で金融引き締めが行われ、金融緩和で金(ゴールド)にも集まっていた投機マネーが引き上げられるかもしれません。
投機マネーは逃げ足が速いので、金相場が下がり始めると、大きな暴落につながる可能性があります。
大きな額の金(ゴールド)を一気に購入し、価格が暴落すれば、大きな評価損を抱えることになってしまいます。
ビットコインが最高値を付けたときもそうですが、価格が上がって話題になっている時に大量に購入することは非常にリスクを伴います。
現状の金価格は天井どころか、これから更に大きく上昇する可能性もあります。
しかし、それに賭けて金を購入するようでは、ギャンブル的な取引となってしまいます。
金の購入に興味がある方でも純金積立などで少額の購入から始めるのがいいでしょう。
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証券会社で純金積立ができる
楽天証券やSBI証券、マネックス証券などで口座を持っていれば、毎月1,000円程度からの純金積立が可能です。
また、金を投資対象とした投資信託やETF(上場投資信託)もあるので、投資信託であれば、少額からの積立購入も可能です。
まとめ
金(ゴールド)は「有事の金」と呼ばれていて、インフレに強いなどのメリットがありますが、利子や配当金などのインカムゲインを得ることができないというデメリットもあります。
「お金を働かせる」という意味では、金(ゴールド)の購入はおすすめできません。
実物資産としての金所有はアリだと思いますが、大きな額での購入ではなく、純金積立など少額からの購入をおすすめします。