血液のがんといわれる悪性リンパ腫で闘病中のフリーアナウンサー笠井信輔さん(56)が書かれているブログをご覧になったことがあるでしょうか?
2020年1月9日のブログ記事が非常に示唆に富んでいて、生命保険や医療保険、がん保険の見直しの必要性を考えさせられる内容になっています。
笠井アナのように、実際に保険金や給付金を請求するような状況になって初めて保険の内容を知るという方も少なくないと思います。
笠井さんのブログを読み、生命保険やがん保険などの内容確認や見直しの重要性を認識して頂ければと思います。
- 1.がん保険の必要性
- 2.保険金・給付金の請求もれには注意が必要
- 3.フリーランス(自営業者)は傷病手当金を受け取れない?
- 4.健康でないと生命保険は見直せない
- 5.生活スタイルが変わったら生命保険の見直しの必要性を確認
- まとめ
1.がん保険の必要性
元フジテレビアナウンサーの笠井さんのがんは、悪性リンパ腫という血液のがんの一種です。
笠井アナは2019年10月からフリーとして活動するタイミングで健康診断を受け、悪性リンパ腫であることが判明しました。
現在は抗がん剤で治療を行っている笠井アナの2020年1月9日のブログには、下記のように書かれています。
改めて感じたのは、「保険に入っていてよかった!」。 ということ。
若い時に入った保険、数年前に保険料が高いからと見直した保険(今も、そんなCMやってますよね)。
でも、自分が「がん保険」に入っているかなんて、全く記憶にありませんでした。
特に若い時は、自分は「がん」なんてならないだろうと決めてかかってましたから。
笠井さんは、保険のことは代理店の担当者に任せっきりだったようです。仕事が忙しかったでしょうから、仕方のないことだと思います。
がんが判明して加入していた保険を調べたところ、「がん特約」が付いている契約があったそうで、入院1日1万円などの保障があるようです。
ブログの記事には4ヶ月間も入院することになると書かれているので、約120万円(1万円×30日×4ヶ月)の給付金を受け取ることが可能です。
また、ブログ内にある写真の保障内容を見ると、『がんと診断確定されたとき』に保障があるとなっているので、診断給付金が受け取れる可能性があります。
診断給付金の保障があれば、がんと診断されれば100万円などのまとまった額の一時金が受け取れます。
診断給付金は治療前に受け取ることも可能なので、治療の準備資金としても使えます。
医療保険は不要?
入院による治療は短期化の傾向があり、医療保険は不要と考える方も多いのですが、がん保険については加入したおいた方がいいと私は考えています。
今回の笠井さんのブログ記事からも分かりますが、現状、がんは治療に時間がかかり、お金もかかる病気です。
一般的ながん保険は医療保険とは違い、がんと診断されれば、まとまった額の一時金が受け取れ、入院給付金は日数無制限で受け取れます。
笠井さんのように4ヶ月間も入院が必要であれば、入院給付金だけでも大きな額になるので、非常に助かると思います。
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個室は差額ベット代が必要|全額自己負担で高額療養費の対象外
また、療養中は個室に入りたいという方も多いのが現状です。特にがんなどの重い病気の治療時には、他の人を気にせず個室でゆっくり治療したいと思われる方が多いと思います。
個室に入ると、差額ベット代が必要となり、全額自己負担となります。差額ベット代は1日数万円が必要となるケースもありますが、高額療養費制度の対象ではないので、どんな高額な請求が病院から来ても全て自己負担となってしまいます。
個室で治療を受ける際に、日数無制限で入院給付金が受け取れるがん保険は非常に強い味方になってくれます。
高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
(出典:全国健康保険協会)
なお、差額ベット代については、下記サイトで分かりやすく解説されているので、ご参照ください。
2.保険金・給付金の請求もれには注意が必要
ブログの記事内に笠井アナが保険会社のコールセンターに保障内容を確認する部分があります。
笠井アナはカスタマーセンターの女性に下記のように問い合わせます。
「私、がんなんですが、どんな保証があるんですか?」
と、下記のような回答があったそうです。
「がんと判明した場合は、今後の保険料の払い込みが免除されます」
これは、医療保険や死亡保険などにセットされていることがある『三大疾病保険料免除特約』という特約です。
保険会社によっては『特定疾病保険料免除特約』などと呼び、会社によって特約名が異なる場合があるので、注意が必要です。
『三大疾病保険料免除特約』は、三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)になり、一定の条件を満たすと、以後の保険料が不要(保障は継続)になるという特約です。
実は、この保険料免除特約は請求もれが多い特約の1つです。
死亡保険にセットされている場合、がんの治療では請求するものはないだろうという判断で、請求もれが発生しやすくなってしまいます。
今回の笠井アナのように、保障内容を自分で判断せずに「がんになったけど何か保障はないか」と、保険会社や代理店に確認することは非常に重要です。
勝手に保障内容を判断すると、保険金や給付金の請求もれが発生する可能性があります。
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3.フリーランス(自営業者)は傷病手当金を受け取れない?
笠井アナのブログからは、自営業者の公的保障の少なさを感じ取ることもできます。ブログ内には下記のような記述があります。
フジテレビの局アナだったら、入院中の給与保証はありました。 しかし、がん発覚の2か月前に退社したので、少なくともこれから半年は無給状態。
一番身に応えたのが、「入院中の生活費はどうするの?」と、
入院中の生活費を賄ってくれる保険のCMです、
「あー!入っときゃよかったかなぁ」 と、その都度、家族に申し訳なという気持ちになってました。
サラリーマンであれば、病気で入院している間も一定期間は給与を支払ってくれる会社もあるでしょう。
また、会社が給与を支払ってくれなくても、健康保険(公的医療保険)から傷病手当金が受け取れます。
傷病手当金は、業務外の病気やケガで仕事を休んだ場合、最長1年6ヶ月、給料の3分の2の額を受け取れる健康保険(公的医療保険)の保障です。
国民健康保険に加入するフリーランスなどの自営業者の方は、 サラリーマンのように傷病手当金が受け取れないので、民間の保険会社が販売する所得補償保険や就業不能保険に加入しておいた方が安心です。
4.健康でないと生命保険は見直せない
笠井アナは今回ご紹介した記事の最後に下記のように書いています。
今の保険に少しでも「がん特約」がついていて良かったです。 「がん」になって、実は「がん保険」に入ってなかった、 という方もいると思います。 自分は何の計画性もなく、運がよかっただけ。 本当に同情します。
みなさんも、健康なうちに、一度、保険のチェック。 いかがでしょう。
これ、本当にその通りです。
健康でないと、生命保険や医療保険、がん保険などの見直しは難しくなります。
私の経験でも、病気になってからや高齢になってから生命保険を見直したいという方が多いのが実情です。
今回ご紹介した笠井アナのブログ記事を読んで少しでも自分の保障内容に不安を感じた場合は、是非、保障内容の確認をしてみてください。
保障内容の確認をして見直しの必要性がないこともあります。見直しの必要性があるかないかを判断することが一番重要です。
営業を受けるのが心配であれば、まず、自分で確認してみてもいいでしょう。加入している生命保険の証券などを集め、保障内容が分からなければ保険会社のカスタマーセンターに聞いてみてください。
ショッピングモールなどにある保険の相談店舗などに確認に行くと、必要としない保険まで売り込まれる可能性がありますが、保険会社のカスタマーセンターに保障内容を確認するのであれば、営業を受けることはありません。
営業を受けても今の保険を見直したいという方は、保険の専門家であるFP(ファイナンシャル・プランナー)が自宅まで無料で来てくれるサービスもあるので、利用されてはいかがでしょうか?
『ほけんのFP』
5.生活スタイルが変わったら生命保険の見直しの必要性を確認
今回の笠井アナのようにサラリーマンからフリー(自営業)に転向したというような場合には、保険の見直しの必要性を判断することが重要です。
例えば、サラリーマンからフリーランス(自営業)になった場合、傷病手当金が出ないので、仕事ができない間は完全に無収入になってしまいます。
フリーランスの方はサラリーマンの方に比べて、厚生年金から国民年金になるなど公的な保障が大きく下がりますので、注意が必要です。
転職以外でも、結婚した、子供が生まれたなど、生活の状況が変わった場合には、保障内容の確認と、見直しの必要性を確認して頂ければと思います。
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まとめ
笠井さんのブログは、まだ病気になっていない人にとっても非常に参考になる有益な内容になっています。
病気の治療中は他人に知られたくないことも多いものでしょう。特にテレビに出ていたアナウンサーともなれば、注目も集まるのでなおさらです。
そのような状況の中、治療の状況などをブログで公開することは、これからがんになるかもしれない人の参考にもなりますし、現在同じように治療している方に勇気を与えることになると思います。
今回、私も笠井アナのブログを見て、是非、今健康な方にもブログを見て頂きたいと思い、記事にしました。
笠井アナの記事を読むことにより、生命保険見直しの必要性に気付き、将来的に助かる方も大勢いらっしゃると思います。
実際にがんの治療中の方が語る1つ1つの言葉には、保険のパンフレットからは受け取ることができない重みを感じることができます。
是非、実際に笠井さんのブログを読んで頂ければと思います。