「老後2000万円問題」が話題になってから、資産運用について考えている方が増えていると思います。
資産運用について調べると、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)がメリットが大きい制度だとか、資産運用はiDeCo(イデコ)から始めるべきだという情報を目にすることが多くないでしょうか。
しかし、iDeCo(イデコ)を始めてみようと考えても、周りにiDeCo(イデコ)に詳しい人もいなくて、iDeCo(イデコ)を始めるにはどのような手続きが必要なのか分からずに悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、iDeCo(イデコ)を始める際の具体的な申し込み方法について解説したいと思います。
金融機関の選び方や資料請求など、具体的な手続きの流れを知って頂ければと思います。
- 1.個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは?
- 2.iDeCo(イデコ)の申し込み方法|具体的な手続きの流れとは?
- 3.iDeCo(イデコ)の口座を開設する金融機関の選び方
- 4.iDeCo(イデコ)の掛け金はいくらにすべき?
- 5.掛け金の配分に悩む場合は元本保証型から始める
- まとめ
1.個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは?
まずは、簡単にiDeCo(イデコ)について解説します。
個人型確定拠出金iDeCo(イデコ)は、確定拠出年金法に基づいて運用されている私的年金制度。
公的年金(国民年金・厚生年金)の上乗せとして活用できます。
掛け金の拠出時は掛け金全額が所得控除の対象となり、運用時の運用益は非課税となるなどの税制上の優遇措置があり、活用するメリットが大きい制度です。
一方で、運用に関しては元本保証はありませんので、元本割れする可能性がある点には注意が必要。
確定拠出年金iDeCo(イデコ)のメリットやデメリットなどについては、下記記事で解説していますので、ご参照ください。
2.iDeCo(イデコ)の申し込み方法|具体的な手続きの流れとは?
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の始め方は下記のような手順となります。
- 口座を開設する金融機関を選ぶ
- 金融機関へ申込書類を請求する(オンライン手続きも可)
- 申込書類の記入・金融機関への返送
- 掛け金の配分設定
- 運用開始
3.の申込書類の記入部分で注意が必要なのが、会社員や公務員などの厚生年金加入者である第2号被保険者の方は、勤めている企業などの事業主証明が必要となる点。
例えば、企業に勤めている会社員の方であれば、事業主証明の書類記入を総務の方などにお願いする必要があります。
なお、「事業主証明書」は2024年12月以降に廃止される予定です。
楽天証券のサイトにiDeCo(イデコ)の口座開設の流れを解説した動画がありましたので、ご参照ください。
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3.iDeCo(イデコ)の口座を開設する金融機関の選び方
iDeCo(イデコ)を始める際に意外と重要なのが、口座を開設する金融機関の選定。
ここで選ぶ金融機関を間違えると、運用成果に大きな差が発生する可能性があります。
どこでiDeCo(イデコ)の口座を開設しても同じというわけではないので、金融機関の選択が重要となります。
ここからは、金融機関の選び方について解説します。
金融機関の窓口に行ってはダメ!?
まず、iDeCo(イデコ)の口座を開設する際には、金融機関の窓口に行かない方が賢明です。
給与の振込口座がある銀行だからなどというだけの理由で、銀行の窓口などに相談に行くのは避けた方がいいでしょう。
下記記事で解説した通り、金融機関の窓口には「手数料ハンター」が待ち受けていることがあるから。
iDeCo(イデコ)の口座開設以外に金融機関側が儲かる金融商品をすすめられる可能性があります。
また、次項で解説しますが、金融機関によって取られる手数料が異なりますので、必ず手数料額などを確認してから口座を開設する金融機関を選択するようにしてください。
金融機関によって手数料が異なる
iDeCo(イデコ)を始めると、口座管理手数料が毎月差し引かれます。
口座管理手数料の内訳は下記の通り。
- 国民年金基金連合会に支払う事務取扱手数料
- 資産管理サービス信託銀行に支払う事務委託先手数料
- 金融機関に支払う運営管理手数料
上記手数料のうち、掛け金拠出時には、事務取扱手数料(105円)と事務委託手数料(66円)の合計171円はどの金融機関を選択しても毎月差し引かれますが、金融機関に支払う運営管理手数料は、金融機関によって異なる場合があります。
手数料が高いからといって、運用成果が良くなるわけではないので、なるべく手数料が安い金融機関を選ぶべき。
金融機関ごとの手数料は、下記サイトで比較できます。
実際に上記サイトを開くと、下図の金融機関ごとの手数料が安い順に表示された表が出てきます。
青枠部分の「運用期間中にかかる費用」の「積立を行う場合」の列が171円となっている金融機関が手数料が一番安い金融機関です。
イオン銀行やマネックス証券などは、金融機関の運営管理手数料が無料ということが分かります。
一方、みずほ銀行は積立資産が50万円以上などの条件を満たした場合には、運営管理手数料が無料ですが、条件を満たさないと毎月260円の手数料を徴収されます。
みずほ銀行のように運営管理手数料が無料になるには、条件がある金融機関があるので注意が必要。
金融機関によって選べる投資信託が異なる
金融機関によって異なるのは手数料だけでなく、運用商品として選べる投資信託のラインナップも異なります。
金融機関ごとに、どのような投資信託が用意されているかについても、上記のサイトから確認が可能。
例えば、金融機関ごとの手数料比較表の一番上に表示されているイオン銀行をクリックすると、下図のような商品ラインナップ表が表示されます。
投資信託を選ぶ際に重要となるのが信託報酬(手数料)です。
信託報酬も投資信託を保有している間、差し引かれることになるので、運用成果に影響します。
例えば、ある銀行で運用商品として準備されている外国株式で運用するインデックス型の投資信託の信託報酬は約1%。
一方、ある証券会社でラインナップされている外国株式で運用するインデックス型の投資信託の信託報酬は約0.1%。
年0.9%の差も長期間運用することになれば、大きな差になりますので、どのような投資信託がラインナップされているかも金融機関を選ぶ際の重要な基準となります。
なお、私はiDeCo(イデコ)の口座をSBI証券で開設しました。
SBI証券を選んだ理由は、金融機関に支払う運営管理手数料が無条件で無料な点と、運用商品としてラインナップされている投資信託の種類が豊富で信託報酬が安いものが用意されているからです。
私が実際にiDeCo(イデコ)口座で運用している投資信託については下記記事でご紹介しているので、参考にしてください。
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4.iDeCo(イデコ)の掛け金はいくらにすべき?
iDeCo(イデコ)の申込書類には、毎月の掛け金をいくらにするのかを記入する必要があります。
毎月の掛け金はいくらにすべきなでしょうか。
余裕があれば、掛け金全額が所得控除になるので、上限まで拠出するべき。
掛け金の上限は、自営業者の方(第1号被保険者)は月68,000円、サラリーマン(第2号被保険者)の方は企業年金の有無などによって、月12,000円~23,000円などとなっています。
なお、いきなり掛け金の上限から始めるのは不安という方は、iDeCo(イデコ)は最低5,000円から始められるので、毎月5,000円の拠出から始めるといいでしょう。
余裕があるようであれば、掛け金を上げることが可能です。
掛け金の額は年に1回、1,000円単位で変更可能です。
5.掛け金の配分に悩む場合は元本保証型から始める
iDeCo(イデコ)の申込手続きで一番悩むのが、掛け金の運用商品への配分ではないでしょうか?
掛け金の配分を行う際に、どの投資信託を選べばいいか分からないという方も多いと思います。
iDeCo(イデコ)を始めたいが、どの投資信託を選んだらいいのか分からずに申し込みを先送りしているという方もいるでしょう。
どの金融機関でも運用商品の中に元本保証型の定期預金や保険が準備されています。
どの投資信託を選べばいいか悩んでiDeCo(イデコ)を始めていないのであれば、取りあえず元本保証型の定期預金や保険を選んで始めることをおすすめします。
元本確保型の定期預金や保険では、資産が全く増えないどころか、現在のような低金利では手数料分がマイナスになってしまいますが、掛け金全額が所得控除の対象となりますので、所得税・住民税の負担が軽くなった節税部分で取り戻せます。
掛け金の配分は変更が可能なので運用に慣れてくれば、掛け金の配分を定期預金や保険から投資信託に振り向けていけばいいでしょう。
まとめ
iDeCo(イデコ)の申込方法についてご理解いただけたでしょうか?
今回の記事を読めば、申込手続き自体は、非常に簡単なことが分かると思います。
ネット証券などであれば、書類のやり取りだけでiDeCo(イデコ)を始めることができるので、今回の記事を参考に手続きを進めて頂ければと思います。
なお、iDeCo(イデコ)を始めたいが、掛け金をどの投資信託に配分していいか迷っているという場合は、とりあえず元本確保型の定期預金や保険でもいいので始めてしまうことをおすすめします。
元本保証型だと、ほとんど利息が付かないので、利息よりも口座管理手数料の方が大きくなってしまいますが、所得控除による節税効果を加味すれば、取られた手数料を取り戻せます。
掛け金の配分で悩んでiDeCo(イデコ)への加入を先送りするくらいであれば、元本保証型で第一歩を踏み出すべき。
加入後に掛金の配分割合を元本確保型から元本変動型の商品に変えることが可能です。