
物価高の影響がiDeCo(個人型確定拠出年金)の手数料にまで押し寄せてきました。
iDeCo(イデコ)拠出時の手数料が引き上がられ、「年単位拠出による手数料節約」というテクニックも見直される予定です。
老後資金の準備としてiDeCoを活用している方にとっては気になるニュースでしょう。
今回の記事では、手数料値上げの具体的な内容とその背景、対処法を解説します。
物価高に負けない資産形成を目指したい方は参考にしてください。
1.iDeCoの手数料が月105円から120円へ値上げ
iDeCo(イデコ)の掛け金を拠出する際の手数料が、月105円 から120円(税込み)へ15円値上げされることが発表されました。
手数料の引き上げは消費税増税に伴う見直しを除き15年ぶり。
「手数料なんて払ってたっけ?」と思った方もいるかもしれません。
iDeCoの手数料は毎月の掛け金から自動的に差し引かれ、残りの額が運用に回っています。
iDeCoでは掛け金を拠出するたびに以下の3つの手数料がかかります。
- 国民年金基金連合会:事務取扱手数料(月105円)
- 資産管理サービス信託銀行:事務委託先手数料(月66円)
- 金融機関:運営管理手数料(月0円から)
このうち「国民年金基金連合会」に支払う手数料の月105円が120円にアップします。
つまり、手数料が無料の金融機関(SBI証券や楽天証券など)を使っていても、掛金を拠出している人は合計で毎月186円(120円+66円)を差し引かれることになります。
なお、新規加入時の手数料(2,829円)については変更ありません。
年単位拠出の「節約テクニック」も見直しへ
今回「年1回まとめて拠出して手数料を節約する方法」ついても見直されます。
現在、手数料を節約するために「毎月拠出すのではなく、年に1回まとめて拠出する(年単位拠出)」というテクニックがあります。
しかし、見直し後は「拠出期間に応じた手数料」を払うルールに変更。
つまり、掛金12ヶ月分を年1回でまとめて払っても、12回分の手数料(1,440円)を一度に支払うことになります。
見直し後は「掛金をまとめて払って手数料を浮かせる」という節約術は使えなくなります。
2.いつから上がる?値上げ理由は?
最も気になる手数料の値上げ時期と理由は以下の通りです。
いつから?
令和9(2027)年1月26日の口座引落分から適用。
理由は?
国民年金基金連合会によると下記の通り「物価・人件費の上昇」とのこと。
【なぜ手数料を見直しするのか】
加入中の手数料(旧:掛金拠出時手数料)につきましては、制度発足した平成 13(2001)年 10 月から、約 25 年にわたって、約 100 円(消費税除く)を維持してきましたが、直近では、物価・人件費が上昇しているためです。
(参考)過去 10 年間:消費者物価指数(CPI)+14%、システム・エンジニア単価+15%(出典:国民年金基金連合会FAQ)
昨今の社会情勢を考えると、システムの維持費や人件費が上がるのは受け入れざるを得ません。
3.値上げの対処方法は?
結論から言うと、手数料は「参加料」のようなもの。基本は受け入れて淡々と支払うしかありません。
なお、2027年1月からiDeCoの拠出上限額が引き上げられる予定。
手数料の絶対額は決まっているので、拠出額を大きくすれば手数料の割合(コスト比率)は下がります。
【企業年金のない第2号被保険者の場合】
- 月2.3万円で手数料105円の場合:コスト比率 0.45%
- 月6.2万円で手数料120円の場合:コスト比率 0.19%
特に、毎月5,000円(最低額)で元本確保型(預金など)で運用している方にとっては、月120円の手数料は「大きな出費」になります。
家計に余裕があれば、拠出額を増やすことも検討するといいでしょう。
まとめ

iDeCoの手数料値上げは2027年1月から。
特に少額で運用している方や年単位拠出の節約術を使っていた方にはショックなニュースかもしれません。
しかし、iDeCo最大のメリットである「掛金の全額所得控除」による節税効果は依然として非常に強力。
ルール変更を正しく理解して、賢く資産形成を続けていきましょう!