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【iDeCo】掛け金上限を引き上げへ|NISAとどちらを優先すべき?


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2025年の税制改正大綱に盛り込まれていたiDeCo個人型確定拠出年金)の改正について、掛金上限の引上げ日程が明らかになりました。

 

特にサラリーマンなどの給与所得者である第2号被保険者の掛け金上限が大きく引き上げられます。

 

そこで今回は、iDeCoの改正について下記ポイントを解説します。

  • いつから掛金上限は引き上げられる?
  • 加入可能年齢も70歳未満に引き上げへ
  • iDeCoとNISAのどちらを優先すべき?

 

iDeCoの掛け金上限の引き上げを心待ちにしている方は参考にしてください。

 

 

サラリーマンの掛け金上限を月6.2万円へ引き上げへ|いつから?

iDeCoの掛金上限が大幅に引き上げられます。

 

掛金引き上げの詳細は下記の通り。

 

企業年金のない会社員(国民年金の第2号被保険者)

現行の月2.3万円から月6.2万円へ引き上げ

 

企業年金のある会社員・公務員(国民年金の第2号被保険者)

現行の月2.0万円から最大で月6.2万円へ引き上げ

 

現在、iDeCo(イデコ)と企業年金あわせて拠出限度額は月5.5万円、かつiDeCo(イデコ)は月2万円が上限。

 

これを月6.2万円に引き上げ、月2万円のiDeCo(イデコ)の上限も撤廃します。

 

自営業者等(国民年金の第1号被保険者)

現行月6.8万円から月7.5万円へ引き上げ

 

専業主婦(夫)(国民年金の第3号被保険者)

現行の月2.3万円のまま変わらず

 

なお、掛金引き上げは2027年1月の引き落とし分から実施される見込み

 

拠出限度額の引き上げは2025年の税制改正大綱に盛り込まれていましたが、実施は年金制度改革が前提でした。

 

今年6月に年金制度改革法が成立したことを受け、今後厚労省は引き上げ開始の時期を正式に決めます。

 

 

加入可能年齢も70歳未満へ引き上げへ

掛金引き上げとともに加入可能年齢の引き上げも2027年1月に実施される見込み。

 

現行、第1号被保険者と第3号被保険者が原則60歳未満、会社員ら第2号被保険者は65歳未満しか加入でません。

 

これを下図の通り70歳未満に引き上げます。

(出典:厚生労働省)

 

「iDeCoの加入者・運用指図者だった」または「私的年金の財産をiDeCoに移換できる」場合に70歳未満まで加入可能となる予定です。

 

 

iDeCoとNISAどちらを優先すべき?

サラリーマンなどの給与所得者の掛金上限は大きく引き上げられますが、そうなると悩ましいのがiDeCoとNISAの使い分け

 

NISAは2024年から制度が刷新されて非課税限度額が年間360万円まで引き上げられました。

 

現状でもiDeCoとNISAの両制度を限度額上限まで活用するのは難しい方がほとんどでしょう。

 

可能であれば、どちらの制度も活用すべき。

 

ただし、iDeCoには下記のようなデメリットもあるので注意が必要です。

  • 途中解約不可で掛け金は原則60歳まで引き出せない
  • 手数料が毎月かかる

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また、iDeCoは老齢給付(一時金・年金)の受取時に課税対象であり、受け取り方によって課税額が大きく変わる出口戦略の難しさがあります。

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更に退職所得控除の「5年ルール」が「10年ルール」へ改悪する改正が2025年の税制改正大綱に盛り込まれている点は要注意ポイントです。

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どちらか一方の制度を選択するのであれば、NISAを優先する方が使い勝手がいいのは間違いありません。

 

iDeCoを優先すべきケースとは?

大企業などに勤務している場合、退職金とiDeCoを同時に受け取ると退職所得控除を超える額となり、非課税で全額受け取るのは難しいでしょう。

 

一方、勤務している企業に退職金制度がない場合には上記のような問題はありません。

 

よって、退職金を受け取る予定のない人はiDeCoを優先するのも一案。

 

掛け金拠出時の所得控除と老齢給付受取時の退職所得控除でNISAよりも節税になる可能性があります。

 

ただし、今年は見送られましたがサラリーマン増税」と呼ばれている退職所得控除の縮小が検討されています。

 

退職所得控除があることで転職が阻害されているという意味不明な議論が行われていることには注意が必要。

 

今後、退職所得控除が縮小されれば、iDeCoを退職金として利用しようと考えていた人にとってはハシゴを外される形になります。

 

退職所得控除の縮小は、多くの人の老後資金計画を狂わすもので国家詐欺といっても過言ではありません。

 

 

まとめ

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2027年1月の引き落とし分からiDeCo掛金の上限引き上げが実施される見込み。

 

更に加入可能年齢も70歳未満に引き上げられる予定です。

 

NISAも2024年1月から刷新されてiDeCoとの使い分けが悩ましいところですが、可能であれば、どちらの制度も活用すべき。

 

ただし、iDeCoは出口戦略が難しい点には注意が必要。

 

退職所得控除の縮小も議論されているので、今後の法改正も確認しながら活用することが肝要です。