投資を始めようと思っても、どの投資信託を買うべきかを迷ってしまい、始められない方も多いでしょう。
日本には約6000本もの投資信託があります。
6000本もあると何を選んでいいか悩むのは当たり前。
そして、恐ろしいのが約6000本の中には運用成績が悪いのに手数料が高いぼったくり投資信託が潜んでいること。
投資初心者の方の中には、何を選べばいいのか分からずに投資を諦めしまうケースもあるでしょう。
そこで今回は、投資初心者の方のためにおすすめの投資信託2本とファンドを選ぶ際のポイントを解説します。
何を選んでいいか分からず投資できていないという方は参考にして下さい。
おすすめファンド(投資信託)2選
具体的なおすすめのファンドは下記の2本。
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
なお、上記の2本は資産運用を始める前の過去の自分にアドバイスするのであれば、という視点で選びました。
最終的に投資をする際は自己判断でお願いします。
次項以降でファンドを選ぶ際のポイントを解説します。
選定ポイント1:つみたてNISA対象ファンドから選ぶ
これから投資を始めようという方の場合、購入するファンドはつみたてNISAで対象となっている商品から選ぶといいでしょう。
理由は、つみたてNISAで積立対象となっている商品は金融庁によって厳選されているから。
日本には約6,000本もの投資信託が存在していますが、その中から金融庁がつみたてNISA用に長期で分散投資するのに相応しい商品として272本を厳選(2023年12月15日現在)しています。
つまり、つみたてNISAで買える投資信託には大きなハズレがないということ。
なお、つみたてNISAの対象商品は新NISAの「つみたて投資枠」の対象商品に引き継がれます。
金融庁のファンド選定基準は?
金融庁はどのような選定基準で投資信託を選んでいるのか気になる方もいるでしょう。
金融庁のHPには、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託として下記のような基準で選定したと記載されています。
例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
- 販売手数料はゼロ(ノーロード)
- 信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
- 顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
- 信託契約期間が無期限または20年以上であること
- 分配頻度が毎月でないこと
- ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
個人投資家が長期で投資する際に適した投資信託を約6000本の中から厳選してくれています。
つみたてNISAの銘柄ランキングを参考にするのも一案
金融庁が約6000本の投資信託から199本を厳選してくれているとはいえ、199本から選ぶのも大変と思う方も多いでしょう。
そのような方は、ランキングを参考にするのも一案。
つみたてNISAの銘柄ランキングは、金融庁が厳選している商品の中でのランキングなので、参考にすることができます。
今回、おすすめの2銘柄はつみたてNISA銘柄ランキング(2023年11月)の上位2銘柄となっています。
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 大和-iFreeNEXT FANG+インデックス
- ピクテ-iTrustインド株式
- 大和-iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
選定ポイント2:米国株式か全世界株式のインデックスファンド
現状、米国株式か全世界株式のインデックスファンドを購入するのが最適解だと私は考えています。
インデックスファンドとは、日経平均株価のような株価指数などの市場の平均であるインデックス(指標)と同じ値動きをするような運用を目指す投資信託のこと。
経済大国であるアメリカの経済成長が今後も継続すると考えるのであれば米国株式。
アメリカ一国に集中投資するのはリスクがある。新興国を含む全世界の経済成長の恩恵にあずかるという考え方であれば全世界株式です。
ちなみに、私がインデックス投資で積立購入しているのは「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」です。
理由は、ここ10年ほどはアメリカ最強という状態ですが、今後はどうなるか分からない。現在のような変化の激しい時代に一国への集中投資はリスクが高い。
また、全世界株式といっても約60%は米国株が入っているので、米国の経済成長の恩恵にもあずかれるため、全世界株式のインデックスファンドを選んでいます。
この辺は個人個人で考え方が異なるところなので、好みに応じて選べばいいでしょう。
米国株か全世界株式か悩むのであれば、半分ずつ購入するというのも一案。
絶対正解の投資法というものは存在しません。
よって、重要なことはとにかく早く始めて資産運用に慣れること。
運用に慣れてきたら状況に応じて積み立てる投資信託を変更していけばいいでしょう。
アクティブファンドは選ぶべきではないのか?
今回の記事ではインデックスファンドをおすすめしていますが、決してアクティブファンドを全否定しているわけではありません。
投資初心者には優良なアクティブファンドを選ぶ事が難しいため、インデックスファンドの方がいいというだけ。
アクティブファンドの中には高い手数料を払う価値があるリターンを出している商品もあります。
実際、金融庁がつみたてNISA用に厳選したファンドの中にもアクティブファンドは含まれています。
なお、インデックスファンドとアクティブファンドの違いについては、下記記事をご参照ください。 www.fpinv7.com
おすすめの証券会社は?
実は、どこの証券会社で口座を開設するかも重要なポイント。
おすすめは楽天証券とSBI証券。
どちらかで迷う場合は、口座を持っているだけであれば手数料はかからないので、両方の証券会社で口座を開設してもいいでしょう。
ただし、NISA口座は一人一口座しか開設できません。
おすすめの理由は手数料の安さなどもありますが、取り扱いのファンド(投資信託)の数が多いこと。
投資を始める際にNISAの活用を検討している方が多いと思いますが、銀行や大手証券会社でNISA口座を開設すると、今回おすすめした投資信託を購入できないケースがほとんど。
つみたてNISAの対象商品の取り扱い本数が最も多い楽天証券は206本。一方、少ない金融機関だと3本という場合もあります。
口座を開設する金融機関を吟味しないと、購入したい投資信託の取り扱いがないというケースもあるので、注意が必要です。
まとめ
これから投資を始めようと考えている方で、どの投資信託を買ったらいいか迷っている方におすすめのファンドは下記の2本。
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
SBI証券か楽天証券で口座を開設し、NISAを活用するといいでしょう。
まずは少額から始めて、投資になれることが重要です。