2020年4月1日始期契約より、自賠責保険料が平均で16.4%引き下げられることになりました。自賠責保険料の引き下げは3年ぶりです。
しかし、その裏で大手損害保険会社の自動車保険は2020年1月から値上げされています。
なぜ、同じ自動車に関する保険で値下げと値上げに分かれるのでしょうか?値上げされる自動車保険料を節約する方法はないのでしょうか?
今回は、自賠責保険の値下げと、自動車保険の値上げについて解説したいと思います。
- 1.自動車保険の仕組み|自賠責保険と自動車保険(任意保険)の違いとは?
- 2.2020年度の自賠責保険料は、平均16.4%値下げへ
- 3.2020年1月から自動車保険料は平均3%値上げ
- 4.通販型自動車保険は保険料の値上げ見送り|自動車保険料の節約方法
- まとめ
1.自動車保険の仕組み|自賠責保険と自動車保険(任意保険)の違いとは?
まず、簡単に自賠責保険と自動車保険(任意保険)の違いについて解説したいと思います。
自賠責保険とは?
自賠責保険とは、全ての車やバイクに法律で加入が義務付けられている国が運営する強制加入の保険です。
強制加入の保険なので、未加入の場合には、下記の通り、法律で罰せられ、交通違反にもなります。
・1年以下の懲役または50万円以下の罰金
・免許停止処分(違反点数6点)
自賠責保険の補償内容
自賠責保険は、対人賠償の補償しかありません。対物賠償の補償はありません。
つまり、車で人にケガをさせた時には、自賠責保険からの補償がありますが、車で他人の車を壊した場合には、自賠責保険からの補償はありません。
自賠責保険は、下記の通り対人賠償の補償内容も小さく、交通事故の被害者救済が目的のため、最低限の補償となっています。
【自賠責保険の補償内容】
死亡:3,000万円
後遺障害:4,000万円
傷害:120万円
自動車保険(任意保険)の補償内容は?
一方、自動車保険(任意保険)の加入は任意です。自賠責保険とは違い、強制加入ではありません。
自動車保険(任意保険)の主な補償内容は、下記の通りです。
【自動車保険の補償内容】
対人賠償保険
対物賠償保険
人身傷害保険
車両保険
対人賠償保険や対物賠償保険の補償額には、無制限が選択でき、自賠責保険に比べて補償が充実しています。
自動車保険(任意保険)は自賠責保険の上乗せ補償という位置付けですが、上記の通り、自賠責保険だけでは補償が十分ではないので、公道を運転するのであれば、自動車保険(任意保険)への加入も必須です。
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2.2020年度の自賠責保険料は、平均16.4%値下げへ
2020年4月1日始期契約より、自賠責保険料が平均で16.4%引き下げられることになりました。自賠責保険料の引き下げは3年ぶりです。
自賠責保険料値下げの理由は、自動ブレーキなどの安全装備の普及による事故の減少です。
警察庁が発表した2019年の交通事故の死者数(速報)は3,215人で、5年前と比べて2割も減少しています。3年連続で戦後最小を更新しました。www.e-stat.go.jp
交通事故による死者数が減少すれば、自賠責保険からの保険金支払いが減ることになるので、今回の自賠責保険料の引き下げにつながりました。
改定後の自賠責保険料は自家用車で21,550円(2年契約、沖縄・離島除く)です。現行は2万5,830円なので、4,000円以上安くなります。
自家用乗用自動車を含む、改定前後の自賠責保険料の比較は、下表の通りです。
車種 | 保険期間2年(本土) | |||
---|---|---|---|---|
現行保険料 | 改定保険料 | 改定額 | 改定率 | |
自家用乗用 自動車 |
25,830円 | 21,550円 | -4,280円 | -16.6% |
自家用小型貨物 自動車 |
29,470円 | 24,790円 | -4,680円 | -15.9% |
軽自動車 (検査対象者) |
25,070円 | 21,140円 | -3,930円 | -15.7% |
小型二輪 自動車 |
11,520円 | 9,680円 | -1,840円 | -16.0% |
原動機付 自転車 |
9,950円 | 8,950円 | -1,000円 | -10.1% |
3.2020年1月から自動車保険料は平均3%値上げ
実は、自賠責保険料が値下げされる一方で、任意加入の自動車保険の保険料は、2020年1月に損保大手4社(東京海上日動・損害保険ジャパン日本興亜・三井住友海上・あいおいニッセイ同和)の平均で約3%引き上げられました。
2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げられた影響や、2020年4月に民法が改正されることが、自動車保険料値上げの原因です。
また、上記以外にも自動ブレーキなどの高度な安全装置の普及で車両の修理単価が上昇していることも自動車保険料の値上げにつながりました。
自動車保険料の値上げ理由などについては、下記記事をご参照ください。
代理店型の自動車保険に加入していると、自動車保険料の値上げで自賠責保険料の値下げを相殺してしまい、自賠責保険料値下げの恩恵を受けることができません。
自賠責保険料の値下げの恩恵を受けるにはどうすればいいのでしょうか?次項で解説します。
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4.通販型自動車保険は保険料の値上げ見送り|自動車保険料の節約方法
大手損保会社が自動車保険料を値上げするのに対して、通販型自動車保険を販売するソニー損保、チューリッヒ保険会社、アクサ損害保険、SBI損害保険の独立系ネット損保4社は、自動車保険料の値上げを見送っています。
大手損保会社の代理店型自動車保険と通販型自動車保険の保険料差を比較すると、通販型自動車保険の方が安いケースが大半です。
今回の通販型自動車保険料の値上げ見送りで、値上げした大手損保会社などが販売する代理店型自動車保険との保険料差は更に広がることになります。
代理店型自動車保険が値上げしたのに対して、通販型自動車保険は値上げを見送ったので、現在代理店型の自動車保険に加入している方は、通販型に乗り換えれば、保険料を節約できる可能性があります。
なぜ、通販型自動車保険は安いのか?
通販型自動車保険の方が代理店型自動車保険に比べて保険料が安いことに不安を感じている方も多いようです。「安かろう悪かろう」ではないかと思われている方もいらっしゃると思います。
通販型自動車保険が安い理由は、代理店型自動車保険に比べてコスト(経費)がかからないからです。
代理店型自動車保険は、契約者と保険会社の間に代理店が入りますので、代理店手数料分コストが高くなります。
一方、通販型自動車保険の場合は、ネットや電話で契約者が保険会社と直接契約しますので、その分コストが安くなり、保険料も安くできます。
通販型自動車保険が安い理由は、サービスが悪いからではなく、代理店型に比べてコストを圧縮できるからです。
(出典:アクサダイレクト)
通販型自動車保険と代理店型自動車保険の違いについては、下記の記事で詳細に解説していますので、ご参照ください。
まとめ
日本で運転する限り、自賠責保険(強制保険)と自動車保険(任意保険)への加入は必須です。
自賠責保険に関しては、国が運営しているので、どの保険会社で加入しても保険料は同じです。
一方、自動車保険(任意保険)に関しては、民間の損保会社が販売しているので、保険会社ごとに保険料が異なります。
よって、自動車保険(任意保険)に関しては、複数社の保険料を比較することにより、保険料を節約することができます。
上記の通り、通販型自動車保険と代理店型自動車保険の保険料差は広がっていますので、通販型自動車保険も検討してみたいという方は、下記の一括見積もりサービスをご利用ください。
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