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国民年金基金とは?iDeCo(イデコ)との違いとメリット・デメリットを解説


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公的年金の上乗せ制度として、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)ばかりが注目されていますが、公的年金の上乗せ制度には、国民年金基金という制度もあります。

国民年金基金の拠出限度額はイデコと合わせて月68,000円までなので、イデコを拠出枠上限までやってしまうと、国民年金基金には加入できません。

 

国民年金基金とはどのような制度で、イデコとはどのような違いがあるのでしょうか?

 

今回は、国民年金基金について解説します。イデコにはないメリット・デメリットについて知って頂ければと思います。

 

最近では、フリーランスという働き方が増えています。第1号被保険者であるフリーランスの方は、公的年金の上乗せ制度をイデコにするか、国民年金基金にするかを選べますので、今回の記事を参考にして頂ければと思います。

 

 1.国民年金基金とは?

国民年金基金とは、国民年金基金連合会のHPによると、下記のような制度とされています。

国民年金基金制度は、国民年金法の規定に基づく公的な年金であり、国民年金(老齢基礎年金)とセットで、自営業者など国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障の役割を担うものです。

出典:国民年金基金連合会

 

上記の通り、国民年金基金は個人事業主などの第1号被保険者のための制度で、サラリーマンなどの給与所得者である第2号被保険者や第2号被保険者に扶養されている第3号被保険者は、国民年金基金に加入することはできません。

 

サラリーマンなどの給与所得者である第2号被保険者は、国民年金の上乗せとして厚生年金に加入していますが、個人事業主などの第1号被保険者は、国民年金のみの加入となると、第2号被保険者の年金と格差が発生します。

第2号被保険者との年金格差を解消するために国民年金基金制度が平成3年5月に創設されました。

 

国民年金基金の掛け金

掛金の上限は月額68,000円で、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)と同枠となっています。つまり、イデコの掛け金と合わせて月額68,000円までしか拠出できません。

 

掛け金は社会保険料控除の対象で、全額が所得から控除されます。課税対象の所得から掛け金全額が控除されるので、所得税・住民税の負担が軽減され、節税になります。

なお、イデコの掛け金は小規模企業共済等掛金控除の対象で、全額が所得から控除されます。

 

所得税・住民税の負担が軽減され、節税になるというメリットは、国民年金基金もiDeCo(イデコ)も同じです。

 

国民年金基金の給付の種類

国民年金基金の給付は、老齢年金と遺族一時金が2つがあります。

老齢給付に関しては、iDeCo(イデコ)は一時金受取か年金受取(一時金と年金の併用も可能)が選べるのに対して、国民年金基金は年金のみの受け取りとなります。

 

 

2.国民年金基金とiDeCo(イデコ)の違い|メリット・デメリット

ここからは、国民年金基金と個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の違いを確認し、メリットとデメリットを解説したいと思います。

 

・国民年金基金は確定給付、iDeCo(イデコ)は確定拠出

国民年金基金は、加入時に受け取る年金額が確定している確定給付の制度です。掛け金拠出時に受け取る給付額が確定していない確定拠出のiDeCo(イデコ)とは大きく異なります。

確定給付なので、掛け金をいくら支払ったかで、受け取れる年金額が決まります。イデコのように、運用の成果によって、受け取る給付金が変動することはありません。

 

大切な老後の資金となる掛け金を元本割れリスクのある投資信託で運用するなんてとんでもないという方も多いと思います。

また、イデコのように老後にいくら受け取れるか確定していない点が不安と感じるのは、当然の感情です。

 

国民年金基金は、掛け金をいくら支払うかで、年金をいくら受け取れるかが確定しているので、安心感があり、メリットの1つであるといえます。

 

・国民年金基金には終身年金がある

国民年金基金は終身年金が選べます。終身年金とは年金受給者が死ぬまで受け取れる年金です。公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)も終身年金で年金受給者が死ぬまで受け取れます。

 

受け取る年金に終身年金が選べるのは、国民年金基金の大きなメリットの1つです。

 

日本は高齢化社会で寿命が延び、人生100年時代ともいわれています。終身年金であれば、何歳まで生きても年金を受け取ることができるので、平均寿命が延びている日本人にとってはうれしい年金です。

 

一方、iDeCo(イデコ)の給付を年金で受け取る場合は、予定期間を5年以上20年以下の年単位で指定することになります。

つまり、イデコの年金は終身年金ではなく、年金を受け取れる期間が決まっています(終身年金を選べる金融機関もあります)。

 

・国民年金基金は口座管理手数料が不要

国民年金基金に加入する場合、口座管理手数料がかかりません。

 

一方、イデコは口座管理手数料が毎月差し引かれます。金融機関によって異なりますが、手数料が高い金融機関だと、毎月617円の口座管理手数料が掛け金から差し引かれます。

 

毎月617円とはいえ、運用期間が長くなれば、かなりの差が発生します。10年で74,040円、30年では222,120円もの差になります。

 

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・国民年金基金はインフレに弱い 

国民年金基金は、確定給付であるというメリットはデメリットにもなります。それがインフレに弱いという点です。

国民年金基金には、老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)のような物価スライドの制度がありませんので、インフレで物価が上がった場合、受け取る年金額が実質的に目減りしてしまいます。 

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・国民年金基金には破綻のリスクがある

国民年金基金には積立不足が発生しています。現在の予定利率は1.5%ですが、以前に基金に加入した方の中には、予定利率が5.5%もの方がいます。

予定利率が下がっても加入時の予定利率が保証されますので、5.5%で運用できなければ、逆ザヤとなり、積立不足が発生してしまいます。

積立不足が解消されなければ、最悪破たんというリスクもゼロではありません。

 

一方、イデコは加入者ごとに資産が管理されていて、運用成果によって受取額が変わるので、積立不足が発生することはありません。国民年金基金のような破たんリスクはありません。

 

・国民年金基金は任意脱退が不可

国民年金基金の加入は任意で強制ではありませんが、一度加入すると、自分の都合で任意に脱退はできません。

 

また、掛け金の減額はできますが、1口目の掛け金は減額できません。

どうしても掛け金が支払えないという場合には、イデコのように掛け金の支払いを止めることが可能です。

 

なお、個人事業主であった加入者が、法人化して第2号被保険者となった場合や第3号被保険者になった場合、国民年金基金の加入資格を失いますが、それまで支払った掛け金を引き出すことはできません

拠出した掛け金は、60歳以降に年金として受け取ることになります。 拠出した掛け金を自由に引き出せない点は、イデコと同じです。

 

ただし、イデコは第1号被保険者から第2号被保険者や第3号被保険者になった場合、拠出限度額は下がりますが、掛け金の拠出は続けられます。

一方、国民年金基金は、第1号被保険者から第2号被保険者や第3号被保険者になった場合、加入資格を失い、掛け金の拠出もできなくなってしまいます

上記の点は、国民年金基金とイデコの大きな違いです。

 

 

まとめ

国民年金基金にはメリットもありますが、デメリットもあります。iDeCo(イデコ)

にもメリット・デメリットがあります。

国民年金基金のiDeCo(イデコ)と比較した場合のメリット・デメリットをまとめると下記の通りです。

 

国民年金基金のメリット

・終身年金が選べる
・確定給付の私的年金
・手数料不要

 

国民年金基金のデメリット

・第1号被保険者以外は拠出不可
・インフレに弱い
・破たんリスクがある

 

第2号被保険者の方は、基金には加入できないので、選択の余地はありませんが、第1号被保険者の方は、上記のメリット・デメリットを確認し、国民年金基金とiDeCo(イデコ)のどちらが自分の考えに合うかを考えて、加入する必要があります。