現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

【個別株VS投資信託】投資初心者におすすめなのはどっち?【書評】


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個別株投資テンバガー(短期間に株価が10倍になった銘柄、なりそうな銘柄)を発掘して短期間で億り人に!」というような方が話題になる事があります。

 

夢のある話ですが、個別株投資で一般の個人投資家が勝ち続けるのは非常に難しいのが現実。

 

以下の本では、個別株投資はプロが得をして個人が損をする仕組みになっていると指摘されています。

 

『お金は銀行に預けるな~金融リテラシーの基本と実践~ 勝間和代』

 

なぜ、個人投資家が個別株投資で勝ち続けるのは難しいのでしょうか?個人投資家が勝つ方法はないのでしょうか?

 

今回は、個別株投資で個人が勝ち続ける事が難しい理由と、個人投資家が株式市場で儲ける方法を解説します。

 

 

個別株投資はプロが得をして個人が損をする仕組みになっている

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アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンに勤務していた元金融のプロである勝間さんは、下記の理由から個別株投資はプロが得をして個人が損をする仕組みになっていると指摘しています。

 

株式投資において、プロの機関投資家は情報収集と資金管理に優れているため高いリターンを得やすい。

 

一方、個人投資家は情報収集において機関投資家ほど時間もコストもかけられない

 

また、損をした時、社内規定によって強制的に損切りさせられる機関投資家と違って損切りできず、塩漬け(大きく値下がりした株式を持ち続けること)になる可能性が高く、リターンが悪くなる。

 

株式市場はプロでも勝ち続けるのが難しい

更に、勝間さんは下記のようにも書いています。

 

株式市場はプロがしのぎを削り、少しでも割安な銘柄を見付けようと毎日努力しているため、多くの株式の価格は概ね適正になっている。

 

よって、プロでも勝ち続ける事が難しい。

 

多くのアクティブファンドがインデックスファンドに勝てないのが、何よりの証拠。

 

よって、個人が一所懸命、チャート分析やファンダメンタルズ分析をして真剣にタイミングを図って投資をすればするほど、より多くの情報を持ちスキルを持っている平均的なプロに負けてしまう。

 

特に個人に人気のある成長株を積極的に売買する事は宝くじを買っているのと同じこと。

 

宝くじは期待値では必ず負けるが、ほんのわずかにある億万長者になる夢を信じて多くの人が宝くじを買い、そして損をする。

 

これと同じように個人投資家は次のグーグルやヤフーになりそうな株式を求めていろいろな成長株を買い、結局は損をする。

 

上記は、冷静に考えてみれば当たり前の話。

 

プロの世界に一般人が入っていって戦いを挑むのは、野球で例えれば、メジャーリーガーの大谷選手に野球経験の無い素人が勝負を挑むようなもの。

 

どう考えても勝ち目はありません。

 

野球の世界に例えると起こり得ないことが、投資の世界では「今日投資を始めた素人が、海千山千のプロと対峙する」という形で起こってしまいます。

 

 

個人投資家が株式市場で儲ける方法とは?

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では、個人投資家が株式市場で儲けるにはどうしたらいいのでしょうか?

 

個人が株式市場で儲けるためには下記2点を守ることだと勝間さんは書いています。

  • 自分の資産全体で株式に投資する割合を決める
  • 決められた割合の中でインデックスに連動した投資信託やETFを買う

 

資産運用のリターンは資産配分(アセットアロケーション)でおおむね80%程度決まると言われています。

 

よって、資産配分を決めてインデックスファンドを買う。個人投資家にとっては個別株投資をするよりもインデックス投資が最適解の1つということになります。

 

なお、本書の中では投資信託やETFを一括購入するか積み立てるかについては言及されていませんが、投資初心者には積立投資がおすすめ。

 

自分にセンスがあると感じる方以外は、自分で判断せずに投資する。

 

インデックス投資で市場の平均点を狙っていく事が個人投資家が儲けるためのポイントでしょう。

 

プロを打ち負かして大きく稼ごうとすれば、返り討ちにあって大きな損失を被るのがオチです。 

www.fpinv7.com

  

 

インデックス投資が退屈な場合の対処法

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インデックス投資のデメリットの1つが退屈なこと

 

アセットアロケーション(資産配分)を決めて購入する投資信託を選んだら、後は淡々とファンドを積み立てていくだけ。

 

投資をしているという実感がなく、面白くないと感じる人もいるでしょう。

 

よって、市場がまだ見つけていない値上がりしそうな個別株を狙って売買しても構わないと勝間さんは指摘。

 

ただし、あくまでも趣味の範囲で利殖でない事を理解の上、さらに損をしても構わないと思う金額内で行う事をすすめています。

 

 

まとめ

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株式市場はプロがしのぎを削り、少しでも割安な銘柄を見付けようと毎日努力しているため、多くの株式の価格は概ね適正になっていてプロでも勝ち続ける事が難しい。

 

よって、個人投資家が個別株投資で儲ける事は難しいと勝間さんは指摘。

 

では、個人が株式市場で儲けるためには、どうしたらいいのか?

 

個人が株式市場で儲けるためには下記2点を守ること。

  • 自分の資産全体で株式に投資する割合を決める
  • 決められた割合の中でインデックスに連動した投資信託やETFを買う

 

自分で判断せず、インデックス投資で資産を積み立てる事が、個人投資家が株式市場で儲けるためのポイントです。

 

私も個別株投資を中心に資産運用を行っていた間は収益が安定しませんでしたが、インデックス投資を中心に資産運用をするようになってから収益が安定するようになりました。

 

更に、個別株投資をしている際には市場の上げ下げに翻弄されていましたが、インデックス投資をするようになってからは相場の動きに過度に影響されることなく精神的に安定するようになっています。