「安全に資産を運用したいけど、何を選べばいいの?」そんな悩みを抱えている方が多いでしょう?
そのような方達におすすめなのが個人向け国債。
個人向け国債は元本保証があり、リスクを抑えた投資手段として人気があります。
実際、最近の金利上昇を受けて個人向け国債の販売額が大幅に増えています。
しかし、「固定5年、変動10年、固定3年…種類が多くてどれを選べば良いか分からない」という方もいるでしょう。
そこで本記事では、個人向け国債の種類やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
なるべく安全資産で運用したいと思っている方は参考にしてください。
個人向け国債とは?種類は?
個人向け国債は個人の国債保有を促すための商品で、1万円単位から購入できます。
毎月募集、発行が行われていて、発行から1年経過すれば 途中換金も可能。
金融機関(銀行、証券会社など)の窓口で、個人の方のみ購入可能です。
なお、金利については固定型だけでなく、変動型についても最低保証があり、年率0.05%が保証されています。
利払いは半年に1回、発行から1年が経過すれば解約はできますが、一般の国債のように途中での売買はできません。
個人向け国債には、以下の3つの種類があります。
変動10年
10年満期の個人向け国債です。
半年毎に適用する利率が変わる「変動金利」を採用してい ます。
適用利率は「基準金利×0.66」。
市場の金利の動きに応じて適用される利率が半年ごとに変動します。
つまり、市場金利が上がれば受取利子も増えることになりますが、 逆に金利が下がった場合には受取利子は減少。
しかし、市場の金利が下がった場合でも年利0.05%は保証されます。
3月募集の適用利率は0.92%(税引き前)です。
固定5年
5年満期の個人向け国債です。
発行時に設定された利率が満期まで固定された「固定金利」を採用。
適用利率は「基準金利-0.05%」で算出され、最低利率は0.05%が保証されています。
3月募集の適用利率は1.03%(税引き前)です。
固定3年型
3年満期の個人向け国債です。
発行時に設定された利率が満期まで固定された「固定金利」を採用。
適用利率は「基準金利-0.03%」で算出され、最低利率は0.05%が保証されています。
3月募集の適用利率は0.87%(税引き前)です。
固定5年と変動10年どちらを買うべき?
3種類の個人向け国債の中で特に注目されているのが固定5年と変動10年。
「固定5年と変動10年、どちらを選べば良いか分からない…」という方も少なくないはず。
どちらを選ぶべきかは、自身の投資スタイルや今後の金利動向によって異なります。
固定5年は利率が固定されているため、将来の金利上昇による利息増加は期待できません
しかし、安定した利息収入が得られる点がメリット。
一方、変動10年は金利変動の影響を受けるため、市場金利の上昇による利息増加が期待できます
しかし、逆に金利が低下した場合には利息が減少するリスクもあります。
注目すべきは日本銀行(日銀)の利上げ姿勢。
トランプ大統領の円安批判もあり、日銀には利上げ圧力がかかる可能性があります。
日銀が年内に政策金利を1%程度まで引き上げるという予想もあります。
そうなれば、長期金利が上がり変動10年の方が有利になるでしょう。
適用利率1%でも実質マイナス金利状態
個人向け国債の利率は固定5年で1.03%、変動10年型で0.92%となっています。
一見すると魅力的に見えますが、実質的にはマイナス金利状態であることに注意が必要。
総務省が3月21日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月と比べて3.0%上昇。
また、生活実感に近い生鮮食品も含む総合指数は3.7%上昇しました。
物価上昇を加味すると適用利率1%の固定5年でも実質的にはマイナス金利状態です。
適用利率がインフレ率よりも低い状態が続けば、実質的には資産価値が目減りすることになります。
個人向け国債は元本保証という大きなメリットがある一方で、大きなデメリットはローリターンな点。
今後もインフレ傾向が続く可能性があるので、資産の大半を個人向け国債に振り向けることはおすすめできません。
新NISAなどを利用した資産運用も併用する方がいいでしょう。
まとめ
金利上昇を受け、個人向け国債に注目が集まっています。
3月募集の個人向け国債の適用利率は固定5年で1.03%、変動10年で0.92%となっています。
一見すると魅力的に見えますが、実質的にはマイナス金利状態であることに注意が必要。
物価上昇を加味すると適用利率1%の固定5年でも実質的にはマイナス金利状態です。
今後もインフレ傾向が続く可能性があるので、資産の大半を個人向け国債に振り向けることはおすすめできません。
新NISAなどを利用した資産運用も併用することを検討するといいでしょう。