令和3年(2021年)4月1日「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の改正法が施行され、定年を70歳に延長するなどの「就業確保措置」が努力義務化されました。
「人生100年時代」になり、70歳を超えて働く方も増えていく可能性があります。
70歳を超えて働くと聞くとマイナスのイメージを持つ方も多いと思いますが、今回は、「人生100年時代」に長く働く意味について考えてみたいと思います。
1.長く働くことで資産寿命が延びる
老後に公的年金だけでは2000万円が不足するとした金融庁の報告書で「老後2000万円問題」が話題となりました。
老後に公的年金だけでは2000万円が不足するとしたモデルケースは、高齢の無職世帯。
つまり、モデルケースでも65歳以降に働けば、2000万円も不足しないことになります。
下記記事でも解説しましたが、「老後2000万円問題」を解決する一番簡単な方法がなるべく長く働くことです。
長く働くことにより、資産寿命を延ばすことができ、老後資金の不安が軽減することは間違いありません。
老後資金が不安であれば、資産運用しか方法がないと考える方が多いのですが、資産運用だけが老後の不安を解消するための手段ではありません。
老後が不安だからといって、安易に投資商品に飛び付くと、金融機関などの販売者側だけが儲かる商品を売り付けられる可能性があります。
2.長く働くことで健康寿命が延びる
「人生100年時代」といっても誰もが100歳まで生きるわけではありませんが、現状でも80代後半や90歳を超えて長生きする方が増えているのは間違いありません。
仮に90歳まで生きるとすると、65歳で定年してから20年以上も人生が残っていることになります。
20年以上も元気に過ごすためには、定年後に何をするかも重要になってくるでしょう。
何を目的に働くかを考えると、「生活の糧を稼ぐため」ということも重要ですが、働く意味はそれだけではないと思います。
人の役に立つという喜びをいつまでも持ち続けるということは素晴らしいことではないでしょうか?
老後に働くのは、若い時に働くこととは意味合いが異なります。
現役時代は「生活のため」がメインという方が大多数だと思いますが、定年後は年金を受け取ることができるので、生活のためだけということから解放され、生きがいのために働くということも可能でしょう。
また、働き方も大きく変えることができます。
現役時代のようにフルタイムで働く必要がなくなる方もいるでしょう。午前中だけや週に2日だけ働くというように柔軟に働き方を選べるようになります。
何もしないまま20年以上ある老後をムダにするのはもったいない。
人の役に立つ仕事をして更にお金が稼げれば、充実した老後を送ることができ、健康寿命を延ばすことにもつながると思います。
3.現役時代の資産運用は老後の選択肢を増やしてくれる
現役時代にコツコツと資産運用を行うことは、老後の選択肢を増やすことにつながります。
資産運用をして、お金に余裕が出れば、生活のために働く必要性が下がります。
例えば、公的年金とコツコツと運用した資産だけで充分生活ができるのであれば、ムリに働く必要はなくなるわけです。
そのような場合には、ボランティアで地域などに貢献し、生きがいを見つけることにより、健康寿命を延ばすという選択肢を選ぶことも可能。
老後にお金の余裕がなければ、現役時代と同じように「生活のために働く」という選択しかできない状況に陥ってしまう危険性があります。
上記の通り、現役時代の資産運用には老後の選択肢を増やし、精神的にも豊かな人生を送れる効果があります。
4.「人生100年時代」長く働くために必要なこととは?
「人生100年時代」、長く働くためには何が必要でしょうか?
健康は財産
月並みですが、健康に気を遣うことが重要。
健康は財産だと思います。お金よりも重要かもしれません。
健康であれば、長く働くことが可能。長く働くことができれば、老後資金が少なくても何とかなる可能性が高くなります。
自分を磨き続ける
また、「人生100年時代」は自分磨きも重要となるでしょう。
資格などを取り、人の役に立ち、必要とされる人間であり続けることにより、長く働くことも可能となります。
今後は、AI(人工知能)がますます力を持ってくるでしょうから、AI(人工知能)ではなく人間にできることは何かを常に考え、自分を磨くことが重要となるでしょう。
まとめ
老後に長く働くと聞くと、マイナスのイメージを持つ方が多いと思いますが、考え方を変えればプラスのイメージを持つこともできます。
働くということは生活の糧を稼ぐことだけではなく、生きがいを得るということにつながります。