現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

50代からのお金の増やし方|不動産投資はおすすめか?


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50代になると子供にかかる教育費も一段落し、定年後や老後のお金が心配になる方も多いでしょう。

 

40代くらいまでは仕事や子育てなどが忙しく、自分の老後を考える余裕がなかったという方も多いはず。

 

老後に備えて不動産投資をしている方も多いですが、50代からのお金の増やし方として最適なのでしょうか?

 

今回は、以下の本を参考に50代からのお金の増やし方について解説します。

 

『定年後、お金で泣く人笑う人 山崎元』

 

 

50代からの不動産投資はおすすめできない!?

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資産運用には色々な方法がありますが、お金を増やす手段として不動産投資に興味を持つ方も多いでしょう。

 

50代からのお金の増やし方として不動産投資は最適なのでしょうか。

 

山崎さんは、プロの大家として事業で行うのであれば成立するかもしれないが、ワンルームマンション投資のような片手間の不動産投資はおすすめしないとしています。

 

ワンルームマンション投資は中抜き(業者の利益)が大きいため、良い投資法とは言い難いでしょう。

 

また、不動産は流動性が低い点にも注意が必要。急に資金が必要になった際に現金化するのに時間がかかります。

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少子高齢化が進み経済が右肩下がりの日本で不動産投資は益々難しくなって行くことは想像に難くないでしょう。

 

不動産を所有すると、借り手がいなくても固定資産税、修繕費、火災保険料、地震保険料などの経費がかかります

 

不動産投資は不動産の購入代金以外にお金が継続的に出ていく点が難しい部分。

 

不動産投資は、素人が安易に手を出して簡単に収益を上げられるほど甘い世界ではないことは間違いありません。

 

なお、どうしても不動産投資をしたい場合には、現物を買わずにリート(不動産投資信託)を購入するという方法もあります。

 

 

50代からのお金の増やし方|金融資本と人的資本の活用

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では、50代からお金を増やし、老後に備えるためにはどのような方法があるのでしょうか?

 

本書の中では金融資本と人的資本の活用が挙げられています。

 

世の中で富を手に入れる方法は原理的に2つしかありません。

 

1つは人的資本を労働市場に投資すること。つまり、働いてお金を稼ぐことです。

 

もう1つは、金融資本を金融市場に投資すること。すなわち資産運用

 

50代で投資と聞くと尻込みしてしまう方もいるでしょう。しかし、50代だからといって保守的になり過ぎる必要はありません。

 

山崎さんは、本書の中で投資について下記のように表現しています。

 

私が考える投資とは、お金を経済に参加させることです。

たとえば手元に100万円があるなら、ただ貯めておくより経済に参加させた方が、お金が生み出すリターンによって稼げるという考え方です。お金を適切な場所に置いておくと、お金が働いてくれるのです。

 

資産運用をしないということは、お金を働かせて得られるリターンをみすみす逃してしまうことになります。

 

非課税制度であるiDeCo(イデコ)とNISAの活用

本書では、資産運用を始める際に真っ先に活用すべきは税制上優遇されているiDeCo(イデコ)NISAのだと指摘。

 

iDeCo(イデコ)は掛金が全額所得控除になるので税金(所得税・住民税)の負担を軽減でき、節税分は確実にプラスになります。

 

本書の事例によると、所得税20%・住民税10%の方で掛金を毎月2.3万円拠出すれば、年間の節税額は8万円強。

 

50歳から10年間、イデコに加入すれば節税分だけで80万円を超えます。

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なお、本書の中で運用商品については、下記3つで十分としています。

  • 外国株インデックスファンド
  • 日本株(TOPIX)インデックスファンド
  • 個人向け国債変動10年

 

投資が趣味という方以外はリスク資産と現金の比率に気を付け、iDeCo(イデコ)やNISAを活用してインデックス投資を行えば十分でしょう。

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資産運用を経験している方は別として、50代からのリスクを取り過ぎた投資には注意が必要。

 

20代や30代の方などに比べると、損失を出した際にリカバリーできる期間が短いことは認識すべきです。

 

長く働き「人的資本」を活用する

本書では50歳からは定年に向けて、定年後も働ける状況を準備することも重要と指摘されています。

 

世の中では60歳や65歳が定年と決められていますが、そこで必ず現役を引退しないといけないわけではありません。

 

一番頼りになる働いて収入を確保するという方法を定年後も模索することが重要でしょう。

 

ライフシフトでも指摘されていますが、学校を出て、会社で働き、定年後は老後として過ごすという3ステージ制は過去のものになりつつあります。

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人生100年時代は、これまで老後としていた時期も社会で活躍できるように準備することが、最も簡単で確実な老後対策となるでしょう。

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まとめ

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50代からのお金の増やし方として不動産投資は強くおすすめできません。

 

少子高齢化が進み経済が右肩下がりの日本で不動産投資は益々難しくなって行くことは想像に難くないでしょう。

 

特に片手間でのワンルームマンション投資などは避けるべき。

 

50代からのお金の増やし方としては、金融資本と人的資本の活用が挙げられます。

 

インデックス投資でリスクを取り過ぎずにお金を働かせるとともに、定年後も生きがいを持って長く働ける準備をするといいでしょう。