現役投資家FPが語る

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【ネット証券の闇】手数料無料化でも利益が出るカラクリとは?


ネット証券会社は対面販売がメインの大手証券会社に比べて手数料が安いなどのメリットがあります。

 

資産運用をするのであればネット証券の利用をすすめられるケースが多いでしょう。

 

ネット証券は手数料が安く個人投資家の心強い見方で、完全に信頼しているという方も少なくないはず。

 

しかし、ネット証券を完全に信用しても大丈夫なのでしょうか。

 

ネット証券も営利企業ですが、手数料を下げても利益が出せる源泉はどこにあるのでしょうか。

 

今回の記事では、ネット証券の闇について解説したいと思います。

 

ネット証券に全幅の信頼を置いている方は参考にしてください。

 

 

ネット証券会社は本当に個人投資家の見方なのか?

対面販売がメインの大手証券会社は悪者扱いされ、ネット証券会社は手数料などの面でメリットが大きいとされることが多いのが現状。

 

しかし、ネット証券は完全に個人投資家の見方と考えていいのでしょうか?

 

ネット証券も営利企業なので、利益ゼロでは存続できません

 

しかし、SBI証券楽天証券は株式取引の手数料を無料化するなど、投資家のコストを引き下げる施策を次々に繰り出しています。

 

各種手数料を引き下げれば、ネット証券の利益は減るはず。

 

では、ネット証券はどこで利益を出しているのでしょうか。

 

 

ネット証券が手数料を無料化しても利益が出るカラクリとは?

SBI証券楽天証券は2023年秋に日本株の手数料を無料にし、少額投資非課税制度(NISA)の取引ではネット大手全社が手数料無料にしています。

 

ネット証券の売買手数料収入には下押し圧力がかかっている状態。

 

しかし、SBI証券の2024年3月期決算の連結決算(日本基準)は純利益が前の期比14%増の473億円と過去最高益でした。

 

手数料ゼロ後も業績が伸びている理由はどこにあるのでしょうか。

 

実は、信用取引の手数料増加や外国為替証拠金取引(FX)などでの増収が業績を押し上げました。 

 

例えば、SBI証券の信用取引建玉残高は2024年3月末までの1年間で約42%増。

 

また、松井証券では1日あたりの信用取引売買代金が1年間で約32%増加。

 

投機的な取り引きに顧客を誘導して利益を上げている実像が浮かび上がります。

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新NISAで口座開設させて、信用取引やFXに誘導するのが一つの狙いとなっている事は間違いないでしょう。

 

 

ネット証券の闇とは?

ネット証券のHPなどを見ていると、なんとか利益が出る取引に顧客を誘導しようとしていることが分かります。

 

例えば、SBI証券には「NISAおまかせ隊」というページがあります。

 

NISA活用で迷う人へ6つのセットから投資信託の組み合わせを選ぶだけというコンセプトで、投資初心者向けの企画のように感じる方がほとんどでしょう。

 

しかし、おすすめの6つのセットの中には手数料の高いテーマ型のファンドも含まれています。

 

新NISA制度では初心者向けの投資信託のみが対象で、手数料が高いファンドは含まれていないと勘違いしている方もいるでしょう。

 

また、ネット証券会社は自社の儲けよりも個人投資家の目線でファンドを選んでくれるはずという先入観もあるかもしれません。

 

実は、成長投資枠では手数料(信託報酬)の高いアクティブ型のファンドも含まれているので、証券会社としては手数料の高いファンドをすすめる方が儲かります

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アクティブ型のファンドを全否定するつもりはありませんが、NISAの活用を迷う方へすすめるのはいかがなものでしょうか。

 

投資初心者は、資産運用に慣れるまではオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)などのインデックスファンドのみへの投資が無難です。

 

 

ネット証券との付き合い方

対面販売がメインの大手証券会社は悪、ネット証券会社は善とうい単純な切り分けは危険

 

ネット証券も営利企業であることを認識すべき。

 

どこかで利益を得なければ、事業を存続する事はできません。

 

ネット証券がすすめる商品や取引だからといって、完全に信用するのはやめた方が無難。

 

ここからはあくまでも個人的な見解ですが、極端な手数料引き下げ競争は規制した方がいいと思います。

 

取引手数料を引き下げて、失った収益を信用取引やFXなどで取りに行くという構図は不健全で、個人投資家にデメリットが及ぶ可能性もあるでしょう。

 

例えば、オルカンは信託報酬が年0.1%を下回っていて、100万円投資しても手数料は600円未満。

 

全世界の企業約3000社に投資する手間を考えれば安す過ぎではないでしょう。

 

冷静に考えれば、年0.5%くらいの信託報酬を支払っても高くないと思います。

 

新NISAの「つみたて投資枠」でも運用会社や販売会社(証券会社)に適正な利潤を確保してもらう方が、無理な利益確保策に誘導されにくいという意味で結果的に我々個人投資家にとってもメリットが出ると思います。

 

投資インフルエンサーが「0.5%以上の信託報酬は高い!」などと煽りますが、安さが正義みたいな論調は止めた方がいい。

 

デフレマインドが染みついた日本では難しいかもしれませんが・・・。

 

仮に、手数料引き下げ競争で証券会社や運用会社が倒産するような事態にでもなれば、最終的に迷惑を被るのは個人投資家です。

 

 

まとめ

大手証券会社は悪、ネット証券会社は善とうい単純な切り分けは危険。

 

ネット証券がすすめる取引は全て安全などと思考停止しないことが重要

 

ネット証券会社も営利企業。

 

虎視眈々と収益UPの機会を狙っていると考えた方がいいでしょう。