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【日経平均5万円突破】多くの日本人に株高の恩恵がない3つの理由とは?


日経平均株価が5万円を突破しました。

 

10月31日の終値は5万2411円で3日連続で史上最高値を更新。

 

初めて5万2000円の大台に乗せました。

 

10月は月間では7478円高と、月間の上げ幅で過去最大です。

 

しかし、実際に景気の良さを実感している方は少ないのではないでしょうか?

 

多くの日本人が株高の恩恵を感じられないことに疑問を感じている方は少なくないでしょう。

 

そこで今回の記事では、日経平均株価が5万円を超えても多くの日本人には恩恵がない理由について解説します。

 

「株高より実態経済をよくしてくれ!」と思っている方は参考にしてください。

 

 

株高でも多くの日本人に恩恵がない3つの理由とは?

日経平均株価が史上最高値を更新しても多くの日本人が恩恵を感じられない理由は下記の3つです。

  • 日経平均は一部の勝ち組企業だけの指数
  • 日本株の株主は3割が外国人投資家
  • 株主資本主義により株価が上昇

 

次項以降でそれぞれ解説します。

 

理由①日経平均は一部の勝ち組企業だけの指数

日経平均株価とは、日本経済新聞社が東京証券取引所プライム市場上場銘柄から選定した225銘柄で構成される指数インデックス)です。

 

「日経平均が最高値を更新」と聞くと、日本全体の景気が良くなったように錯覚する方も多いでしょう。

 

しかし、日本の上場企業数は3,943社(10月31日現在)。

 

更に日本には500万社を超える企業があるといわれています。

 

つまり、日経平均が上がるということは「一部の勝ち組企業の株価が上がっている」ことを示しているにすぎません。

 

また、日経平均株価は株価が高い銘柄(値がさ株)の影響を大きく受けます。

 

例えば、10月29日には前日に業績見通しを上方修正したアドバンテスト〈6857〉がストップ高水準まで上昇。

 

同社1銘柄で日経平均株価を1,077円も押し上げました。

 

このような株価指数の動きは、私たち一般庶民の生活実態を反映したものとはいえません

 

理由②日本株の株主は3割が外国人投資家

株価が上がれば資産効果で消費が刺激されるといわれています。

 

日経平均が上昇したことによって日本人の消費が盛り上がっているように感じるでしょうか?

 

実は多くの日本人には資産効果の恩恵が届いていません。

 

その理由は、日本株の約3割を外国人投資家が持っているから。

 

さらに、日本の家計が持つ金融資産のうち、現金・預金が約52%、保険や年金が約25%を占め、株式や投資信託はわずか18%ほど。

 

つまり、株価がどれだけ上がっても株高の恩恵を受けられるのは株を持っている外国人と一部の日本人だけなのです。

 

理由③株主資本主義により株価が上昇

日経平均株価が上がっている理由のひとつに「株主資本主義」が広がったことがあります。

 

株主資本主義とは、簡単に言えば「会社は株主のものであり、株主の利益を最優先に考える」という考え方。

 

日本企業は株主を重視し、利益の使い道を配当金や自社株買いに回すようになりました。

 

これにより、ROE(株主資本利益率)やPBR(株価純資産倍率)が改善し、株価が上昇しています。

 

しかしその反面、賃上げや設備投資、研究開発にはあまりお金が回っていません

 

つまり、企業は儲かっていても、その利益が従業員や国内に循環していないのです。

 

その結果、物価の変動を反映した実質賃金は3年以上マイナスの状況。

 

ボーナスなどの不定期な収入がある月はプラスになることもありますが、基本的な流れとしては私たちの賃金は物価ほど上がっていません。

 

つまり、給料が少し上がっても物価の上昇分を差し引くと、実質的な生活は苦しくなっている

 

これでは多くの日本人が「株高の恩恵を感じられない」のは当然のことでしょう。

 

 

株高の恩恵を広く波及させるには?

現在の株高は一般庶民の生活が豊かになった結果ではなく、一部の資本家が利益を得る構造によって生まれたもの。

 

私たちが生活の豊さを実感するには、物価上昇を上回る賃上げが必要

 

しかし、30年超も不況に苦しんでいた日本において、国(政府)が企業に賃上げを要求しても限界があります

 

特に大企業ほど収益が上がっていない中小企業には賃上げの余地は小さいでしょう。

 

そこで必要なのが、中小企業も賃上げが可能になる経済状況にする思い切った政策。

 

それが、消費税の廃止「年収の壁」引き上げです。

 

消費税を廃止すると日本の景気は改善します

 

消費税は消費に対する罰金。モノやサービスを購入するごとに10%の罰金を取られているイメージ。

 

罰金(消費税)が課されれば、消費は抑制されます。

 

個人消費は日本のGDPの半分超を占めるため、消費が落ち込めば景気全体に悪影響を及ぼします。 

 

また、消費税は雇用を不安定化させる要因にもなります。

 

具体的には、消費税が非課税である人件費(給与や社会保険料など)には仕入税額控除が使えません

 

しかし、従業員を雇用せずに外部へ業務委託する場合、業務委託費用は原則として消費税の課税取引となり、仕入税額控除を利用できます。

 

つまり、正社員を減らして業務委託契約を増やせば納めるべき消費税は仕入税額控除によって減少

 

企業側からすると、消費税の納税額を減らす意味で業務委託契約を増やして正社員の給与や社会保険料を減らすインセンティブが働くことに。

 

よって、消費税を廃止すれば、正社員が増える形で雇用状況も改善するでしょう。

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さらに、賃上げと「年収の壁」引き上げによる可処分所得増が実現すれば、『個人消費増→内需企業の利益増→株価上昇』という好循環が生まれます。

 

日本人全員に株式投資を強要することは現実的ではありません。

 

内需を活性化させることで企業業績を押し上げ、結果的に株価が上がる構造をつくる

 

それこそが、多くの日本人が株高の恩恵を感じられる本当の経済成長につながるのです。

 

 

まとめ

日経平均株価が5万円を突破。

 

「高市効果」で株高が続いていますが、手放しで喜ぶのは危険。

 

「株価の上昇=日本経済の好調」と考えるのは早計です。

 

なぜなら、日本には約500万社の企業がありますが、上場しているのはわずか3900社、そのうち日経平均に採用されているのはたった225社だけ。

 

つまり、日経平均は日本全体の経済を映してはいないのです。

 

かつては「富裕層がより豊かになれば庶民にも恩恵が及ぶ」というトリクルダウンが信じられていましたが、現実はそうなっていません。

 

実質賃金は下がり続け、物価だけが上昇。庶民の生活はむしろ厳しくなっています。

 

私たち庶民に必要なのは、内需を活性化させることで企業業績を押し上げ、結果的に株価が上がる構造をつくる政策です。