
2024年にNISA制度が刷新され、新NISAがスタートしました。
新制度が始まる前から旧NISA(一般・つみたて)を利用していた方も少なくないでしょう。
旧NISAを利用していたことさえ忘れている方もいるかもしれません。
旧NISA(つみたて・一般)には非課税期間があり、一般NISAに関しては今年の年末に非課税期間が満了するケースがあります。
「旧NISAの資産はどうすればいいの?」と疑問を持っている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、下記ポイントについて解説します。
- 旧NISAの資産は非課税期間が終わったらどうなるのか?
- 旧NISAの資産は今のうちに売るべきなのか?
- 旧NISAの資産は新NISAへ移せるのか?
旧NISA(つみたて・一般)を利用している方は参考にしてください。
旧NISAと新NISAは「まったく別の制度」
旧NISAの資産を売却するかを検討する前に、まず知っておきたいのが「旧NISAと新NISAは別制度」という点。
ここを誤解すると判断を誤ります。
旧NISAから新NISAへのロールオーバー(移管)はできない
上記の通り、2024年から始まった新NISAは旧NISAとは完全に別枠の制度。
そのため、旧NISA(一般・つみたて)で保有している資産をそのまま新NISAへ移すこと(ロールオーバー)はできません。
旧NISAで買った資産が新NISAの非課税枠に自動的に引き継がれることはありません。
旧NISAの非課税期間はそのまま有効
旧NISAで投資した資産は、新NISA開始後も購入時の非課税期間(一般NISA:5年、つみたてNISA:20年)が満了するまで非課税で運用が可能。
たとえば、2021年に一般NISAで購入した資産は、2025年末まで非課税で保有できます。
なお、非課税期間が終了すると、自動的に課税口座(特定・一般)に移されます。
旧NISAの資産は新NISAの非課税枠には影響しない
旧NISAの資産を保有し続けても新NISAの生涯非課税投資枠(1,800万円)は減りません。
また、逆に旧NISAの資産を売却しても、新NISAの非課税枠が増えることもありません。
つまり、旧NISAと新NISAの非課税枠は完全に独立しており、どちらもそれぞれのルールで管理されます。
なお、旧NISAは下図の通り、「一般NISA」と「つみたてNISA」の2つの制度が存在していました。
両制度を併用することはできず、どちらかの制度を選択する必要がありました。

(出典:金融庁)
これまでの前提を踏まえ、次項以降で旧NISAの資産を売却すべきかについて解説します。
旧NISA(一般・つみたて)の資産は売却すべき?
旧NISAの資産を慌てて売却する必要はありません。
非課税期間が終わるまで保有するのが基本的な考え方です。
ただし、選択していた制度が「つみたてNISA」か「一般NISA」かによって考え方が少し異なります。
つみたてNISA場合
つみたてNISAの非課税期間は20年。
つみたてNISAの開始は2018年なので、下図の通り非課税期間満了は最短で2037年末です。

(出典:楽天証券)
まだ10年以上非課税期間が続くので、原則、つみたてNISAに関しては対応策を考える必要はありません。
旧NISA(つみたて・一般)の非課税枠は売却後の再利用が不可のため、つみたてNISAで保有している投資信託は売却せずにガチホ(長期保有)するのがベストです。
なお、新NISAの生涯投資枠は1800万円。
つみたてNISAで最大240万円(年間40万円×6年:2018〜2023年)を投資していた場合、新旧制度の合計で2040万円を非課税で運用できる計算になります。
一般NISAの場合
問題は一般NISA。
非課税期間が5年と短いので、下図の通り2027年末まで次々と非課税期間の満了が到来します。

(出典:東証マネ部)
2021年から一般NISAを始めたケースでは、2025年末に初めて非課税期間の満了が訪れます。
先述の通り、非課税期間満了時までに何もしないと自動的に課税口座に払い出される点に注意が必要。
保有資産は年内非課税期間満了時の時価で払出されます(国内株式・米国株式:年内最終営業日の終値、投資信託:年内最終営業日の基準価額)。
下記事例のように相場状況によっては、課税口座に払い出された資産を売却した際に損失が出ているのに課税されるケースがあります。
実質的に譲渡損が出ているのに課税される事例
一般NISA口座で買い付けた株式50万円が非課税期間終了時に時価30万円に値下がりし、時価30万円の時点で課税口座に移管したとします。
一般NISA口座から課税口座への移管時は、その時点での時価で買い付けたことになるので、課税口座での取得価格は30万円となります。
その後、40万円まで値を戻したところで売却すると、譲渡益10万円(40万円-30万円)に20.315%の税金が発生。
一般NISA口座で買い付けた時の価格50万円と比較すると、実質的には10万円(50万円-40万円)の譲渡損が発生しています
しかし、あくまでも取得価格は課税口座移管時の30万円と判断されてしまいます。
つまり、実質的には損をしているのにも関わらず、更に税金を払わなければならず、実際の損失額が膨らむことになります。

一般NISAの非課税期間満了までに行うべきこと
非課税期間満了までに行うべきことはあるでしょうか?
まず、一般NISA口座内で保有している資産のうち、2025年末に非課税期間が満了する資産を確認することが重要です。
非課税期間満了までに売却して新NISAで買い直す
新NISAで2025年の非課税枠を使い切っていないのであれば、旧NISAの資産を売却して新NISAで買い直すのも一案。
ただし、優待目的で保有している株式を買い直す場合には優待の条件に注意。
3年以上など長期保有で優待がグレードアップするケースがあります。
また、レバレッジ型や毎月分配型の投資信託ように新NISAで買い直せない場合もあります。
ちなみに、私は今年末に非課税期間が満了する一般NISAで保有していた高配当株を売却して課税口座で投資信託を購入しました。
非課税期間満了まで放置
新NISAで買い直せない場合など、そのまま課税口座で保有し続けるというのも一案です。
その場合、課税期間満了まで放置しておけば、自動的に課税口座(一般・特定)に移管されます。
非課税期間が終了する資産の確認
2026年以降も一般NISAの非課税期間満了はやってきます。
少なくとも毎年年初には、年末に非課税期間が満了する資産の洗い出しをするのがおすすめ。
私は年初にその年に非課税期間が終了する資産の確認をし、そのまま保有するか売却するかなどの対処方法を検討しています。
気付いたら非課税期間が満了していて課税口座に払い出されていたという事態は避けた方が無難。
非課税期間内に売却しておくべきだったと後悔することになりかねません。
まとめ

原則、旧NISAで保有している資産を慌てて売る必要はありません。
旧NISAの資産を売却するかを検討する前に、押さえておくべきなのが旧NISAと新NISAはまったく別の制度という点。
また、利用していたのが「つみたてNISA」か「一般NISA」かによって考え方が少し異なります。
重要なのは制度の違いを理解し、自分の投資目的と期間に合わせて判断すること。
「非課税のメリットを最大限活かす」視点で新NISAとともに旧NISAを活用することが肝要です。