ネット証券などで不正アクセスにより顧客の資産が勝手に売却され、その資金で見知らぬ中国株などが購入されるという被害が今年の3月以降に急増。
金融庁によると5月までに確認された不正な取り引きによる売買が5000億円を超えました。
日本証券業協会と大手証券10社は被害額の一部を補償する方針を共同で表明。
そのうち大手3社の補償の方針が報道されました。
証券口座乗っ取りは他人ごとではなく、証券会社の補償方針を気にしていた方も少なくないでしょう。
今回の記事では報道された詐欺被害に対する補償の方針について解説します。
証券口座乗っ取りに戦々恐々としている方は参考にしてください。
証券口座乗っ取り|証券会社による補償の方法は?
証券口座乗っ取り問題を巡り、大手証券3社が被害にあった顧客の口座の状態を不正売買の前に戻す原状回復措置を講じる方針を決めたと報道されました。
原状回復措置を講じる方針を決めたのは下記3社。
- 大和証券
- SMBC日興証券
- 野村証券
不正アクセスによって売却された株を証券会社が市場などで改めて調達して顧客の口座に戻し、買われた株は口座から取り除く形で補償するとのこと。
損害が発生した時点での金銭補償だと、その後の株価上昇を取り逃がしてしまうケースもあるでしょう。
しかし、原状回復であれば株価上昇を取り逃さずに済みます。
なお、原状回復措置は足元で発生している一連の口座乗っ取り被害を対象としたもので、将来にわたって同様の措置を約束するわけではないとしています。
被害件数が多いSBI証券や楽天証券がどのような形で補償するのかが気になるところ。
しかし、まだ方針が決まっていないのかサイト上では補償について明確な内容は示されていません。
金融庁は証券会社に全額補償をさせたいようで、「2分の1」や「4分の1」補償を検討していた証券会社と調整が難航している様子。
そうであれば国(政府)も補償を支援すべき。
資産所得倍増計画などという間抜けな方針を決めたのは国(政府)。
その方針に従って証券会社や国民が動いた結果、発生したのが今回の口座乗っ取り被害。
国(政府)にも詐欺被害が発生した責任があると考えるのは私だけでしょうか。
証券会社による補償の条件は?
証券会社による現状回復措置の条件は、パスワード(PW)を他人に伝えるなど顧客に過失がないこと。
口座乗っ取りの原因が顧客の過失にあると判断した場合は、状況に応じて被害算定額から一定割合を引いた額を金銭で補償。
金銭補償を無しにするケースもあるとのこと。
「顧客に過失がない」とはどのような状態を指すのかが明確ではありません。
フィッシング詐欺によりIDやPWをメールのリンク先などに入力してしまった場合、PWを他人に伝えたことになるのか?など。
この辺りは証券会社によって過失の考え方や補償のスタンスは変わってくるでしょう。
個人投資家が被害の補償を受けるための対策とは?
今回の口座乗っ取りで被害に遭っていない場合でも対岸の火事ではありません。
詐欺の手口は日進月歩、明日は我が身と考えるべきです。
私たち個人投資家が詐欺被害に遭わないため、また、遭ってしまった際に補償を受けるために重要なのは、証券各社が推奨している下記のような対策を行うこと。
- パスワードの変更
- パスワードを使いまわさない
- 多要素認証
- 証券口座にはアプリ又はブックマークからアクセス
- マルウェア(info stealer)感染に気を付ける
- フリーWi-Fiを使わない
上記のような対策を行っても完璧に詐欺被害を防ぐことはできないでしょう。
実際、多要素認証も突破される事例が発生しています。
対策によって詐欺は完全に防げなくても被害に遭った際の補償に関係するので、できる限りの対策をしておくのがベター。
例えば、PWを簡単に類推できるようなモノにしていたり、複数の証券会社で使いまわしていたなど管理が杜撰な場合は補償ゼロというケースも考えられます。
どんなに対策しても完璧はないので、最悪の場合は補償を受けられるようにする意味でも可能な限り最新の対策を行う方ことが肝要です。
まとめ
証券口座乗っ取り問題を巡り、大手証券3社が被害にあった顧客の口座の状態を不正売買の前に戻す原状回復措置を講じる方針を決めたと報道されました。
証券会社による現状回復措置の条件は、パスワード(PW)を他人に伝えるなど顧客に過失がないこと。
今回の口座乗っ取りで被害に遭っていない場合でも対岸の火事ではありません。
私たち個人投資家が詐欺被害に遭わないため、また、遭ってしまった際に補償を受けるために重要なのは、証券各社が推奨している下記のような対策を行うこと。
- パスワードの変更
- パスワードを使いまわさない
- 多要素認証
- 証券口座にはアプリ又はブックマークからアクセス
- マルウェア(info stealer)感染に気を付ける
- フリーWi-Fiを使わない
どんなに対策しても完璧はないので、最悪の場合は補償を受けられるようにする意味でも可能な限り最新の対策を行う方が無難です。