楽天証券の改悪が止まりません。
楽天証券は投信保有ポイントの改悪に続き、クレカ積立のポイント還元率についても改悪を発表しました。
私はもともと、SBI証券をメインに使っていましたが、昨年末から楽天証券で口座を開設し、クレカ積立を始めました。
楽天経済圏の魅力は感じていましたが、管理するクレカや証券口座を増やすのが面倒で、ほったらかしになっていました。
やっと重い腰を上げて楽天経済圏に入ったと思ったらこの仕打ち。
楽天証券の口座を開設したばかりですが、今回の改悪を受けて楽天証券での積立投資を止めるべきか下記ポイントをもとに検討しました。
- 楽天証券の改悪の内容
- いつから改悪されるのか
- 他の証券会社との比較
上記を調べた結果、三井住友カードを作ってSBI証券で積立投資をするという結論に達しました。
その結論に達した経緯について解説します。
少しでもお得に積立投資をしたいという方は参考にしてください。
楽天証券の改悪概要
まずは楽天証券の改悪の概要から確認します。
投資信託資産形成ポイントの改悪(2022年4月1日以降)
投資信託資産形成ポイントとは、保有している投資信託の毎月末の残高に対して楽天ポイントが獲得できるというものです。
保有する投資信託の残高が多くなるほど受け取れるポイントが多くなるインデックス投資家にとってありがたいサービス。
しかし、2022年4月からは楽天ポイントの獲得条件が「一定の残高を保有している場合」から、下表のように「一定の残高をはじめて達成した場合」に変更されます。
(出典:楽天証券)
2022年4月からは、楽天ポイントが獲得できるのは投資信託の残高がはじめて一定額に達したときに一度だけ。
以後は受け取れなくなってしまいます。
楽天カード決済のポイント還元率の改悪(2022年9月以降)
楽天証券で投資信託の積立投資をする際に楽天カード決済を利用すると楽天ポイントを獲得できます。
その獲得できるポイントの還元率が改悪されます。
楽天証券のHPに掲載されている改悪内容は下記の通り。
2022年6月下旬より、投信積立での楽天キャッシュ決済を開始!キャンペーン中は最大1%の楽天ポイントが貯まります。
2022年9月買付分より、投信積立の楽天カードクレジット決済について、ポイント還元率を一部変更いたします。銘柄によって、還元率が1%もしくは0.2%となります。
楽天カードと楽天キャッシュを併用することで、毎月最大10万円までがポイント還元の対象となります。また、積立設定の引き落とし方法を楽天カードクレジット決済から楽天キャッシュ決済へ簡単に変更できるサービスもご提供いたします(6月提供開始予定)。
(出典:楽天証券)
「eMAXIS Slimシリーズ」などの信託報酬が低い優良インデックスファンドを積み立てる場合は、これまでの還元率1%から0.2%への大改悪。
一方、信託報酬が高くて楽天証券の取り分(代行手数料)が0.4%以上である投資信託を積み立てれば今まで通り還元率は1%。
しかし、ポイントを獲得するために積立投資をしてるわけではありません。
最もやってはいけないことは、ポイントを獲得するために信託報酬の高いファンドを積み立てること。
積立投資の目的を見失ってはいけません。
なお、楽天キャッシュとはオンライン電子マネーのことで、下図の通りキャンペーン中はチャージで0.5%と積立投資の決済で0.5%の合計1%の還元率となります。
(出典:楽天証券)
最終的にキャンペーンが終わった後(2023年1月以降)の還元率は、楽天カード決済で0.2%と楽天キャッシュ決済で0.5%。
楽天カードで5万円を積み立てて100ポイント、楽天キャッシュで5万円を積み立てて250ポイント、10万円の積立投資で獲得できるポイントは合計350ポイント。
還元率は1%から0.35%に大幅にダウン。
今まで5万円を楽天カードで積み立てて500ポイントだったところが、最終的には10万円を積み立てて350ポイントということになってしまいます。
そもそも、毎月10万円の積み立てができる方は少数派でしょう。
楽天銀行の預金金利の引き下げ(2022年4月以降)
楽天証券と楽天銀行の口座連携するマネーブリッジを設定すると、楽天銀行の普通預金金利が0.02%(税引前・以下すべて同じ)から0.10%と5倍にアップします。
証券口座と銀行口座を連携するだけで、大手銀行の普通預金金利0.001%の100倍もの利息が受け取れるサービス。
しかし、2022年4月1日以降は、この金利アップのサービスが改悪に。
普通預金金利0.10%が適用されるのは残高300万円以下の部分のみとなり、300万円を超える部分の金利は0.04%に引き下げられてしまいます。
この改悪については、私のように大きな額を楽天銀行に預入れしていない場合は影響なしといえます。
300万を超える預金がある場合は、普通預金の金利が年0.2%のあおぞら銀行を活用するといいでしょう。
【比較】どの証券会社で積立投資をすべきか?
楽天証券以外で活用を検討できる証券会社としては、SBI証券とマネックスがあります。
2社のポイント付与サービスの概要は下記の通りです。
マネックス証券
マネックス証券は、2022年2月25日よりマネックスカードによる積立投資の申し込みを開始する予定です。
サービス概要は下記の通り。
- 対象銘柄:マネックス証券で取扱いのある積立が可能な全銘柄
- 対象口座:特定口座、一般口座、一般NISA、つみたてNISA
- 月額上限:5万円
- 還元率:1.1%
また、投資信託を保有することにより獲得できる投信保有ポイントは、優良インデックスファンドで0.03%です。
例えば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などは、月中の平均保有残高(評価額)の0.03%分のマネックスポイントを獲得できます。
なお、マネックスポイントは、Amazonギフト券やdポイント、Tポイントなどに交換可能。
また、株式手数料に充当することもできます。
SBI証券
SBI証券は三井住友カード決済で投資信託を積み立てる(クレカ積立)ことによりVポイントが貯まります。
クレカ積立の概要は下記の通り。
- 対象銘柄:SBI証券で積立買付が可能な投資信託
- 対象口座:特定口座、一般口座、一般NISA、つみたてNISA
- 月額上限:5万円
- 還元率:0.5%~2%
三井住友カード(NL)は還元率0.5%ですが、ゴールドカードで1%、プラチナカードで2%の還元率になります。
ただし、ゴールドカードは5500円、プラチナカードは33000円の年会費が必要。
なお、投資信託を保有することにより獲得できる投信保有ポイントは、主な優良インデックスファンドで下記の通り。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で0.0420%、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」で0.0340%、 「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」で0.0220%です。
詳細は、下記ページをご参照ください。
『一部銘柄の「投信マイレージ」の付与率変更に関するお知らせ』
【結論】三井住友カードゴールド(NL)を作ってSBI証券で積立投資
最終的に私は楽天証券での積み立てを止め、SBI証券で積み立てを開始するという結論に達しました。
現在メインで使っているのがSBI証券であり、保有ポイントの付与率も高いという点が決め手となりました。
三井住友カードゴールドの作成
三井住友カードゴールド(NL)を作れば、これまでの楽天カードと同じ還元率1%が可能。
ゴールドカードは年会費が5,500円かかりますが、1年間で100万円を使えば年会費が永年無料になるというキャンペーンがあります。
私は保険などほとんどの支払いをクレカ決済にしているので、集約すれば100万円を利用することは難しくありません。
なお、三井住友カードを発行する際にハピタスというポイントサイト経由することで、更にポイントをゲットすることが可能です。
楽天証券、楽天カードを作成した際もハピタスを経由して合計7,000ポイントをゲットしました。
今回の三井住友カードの作成時にも7,500ポイントを獲得する予定です。
ハピタスで獲得したポイントは、1ポイント1円で現金にすることも可能(手数料ゼロ)。
楽天証券で保有している投資信託はSBI証券に移管
現在まで楽天証券で積み立てている投資信託は、下記の投信お引越しプログラムでSBI証券に移管する予定。
楽天証券からSBI証券に投資信託を移管する際の手数料(3,300円)をSBI証券が全額負担してくれます。
2022年12月までは楽天証券で積立投資を継続もあり
今回、私は楽天証券での積み立てを止めることを決断しましたが、2022年12月までは楽天証券で積立投資を継続するという選択もありでしょう。
2022年12月までは楽天キャッシュ決済を利用すれば、5万円で500ポイントを獲得できます。
(出典:楽天証券)
2023年1月以降については、今後の他社の動向次第ですが、様子を確認しながら他の証券会社で積み立てをするという考え方もありでしょう。
ポイントを追い求め過ぎるのは時間のムダ
ここまで色々と必死に調べた私が書くと説得力がありませんが、ポイントはあくまでもおまけ。
1ポイントでも多く獲得しようとすると、かなりの労力がかかります。
また、証券会社の口座を増やし、管理すべきものが分散すると手間が増えます。
人生において最も貴重なのは有限である時間。
苦労して証券会社を変更したら、移管先の証券会社も改悪という最悪のシナリオも発生する可能性があります。
最も重要な目的は、インデックス投資を継続すること。
つまり、「長期・分散・積立」投資を継続することであり、ポイントを獲得することはおまけで、本来の目的ではありません。
時間を掛けたことに対する効果を見極めることが重要。
私が三井住友カード(NL)を作成した数日後にマネックス証券のクレカ積立のポイント還元率が1.1%と発表されました。
三井住友カード(NL)のゴールカードの還元率1%よりもマネックスカードの方が0.1%高いですが、0.1%のためにこれ以上クレジットカードを増やす気にはなれません。
少しでも多くのポイント獲得のために頻繁に証券会社を変更することは賢明ではないでしょう。
まとめ
最近の楽天証券の改悪にはかなりの怒りを感じた方も多いでしょう。
私も楽天経済圏に入った途端にこの仕打ちでかなりがっかりしました。
今回の改悪で楽天証券から他の証券会社に移る方も多いと思いますが、ポイントはあくまでもおまけ。
ポイントを追い求め過ぎると資産運用を長期で継続するという本来の目的を見失ってしまう可能性もあります。
また、人生において最も貴重な時間をムダにしてしまいます。
仮に楽天証券から他の証券会社に移ったとしても、移った先の証券会社がポイントサービスを改悪する可能性はゼロではありません。
ポイントの獲得はおまけと考え、完璧を求め過ぎない事が肝要でしょう。