悪性の物価高を背景に、車の使用を控えて自転車を利用する人も少なくないでしょう。
そんな中、自転車の交通違反に対して車やオートバイと同様に反則金の納付を通告するいわゆる「青切符」による取締りが来年から始まることが決定。
取り締まり対象となる113の違反行為の反則金額が決まりました。
例えば、スマホ操作しながら運転する「ながら運転」や歩道走行など、日常的に目にする行為も含まれています。
節約のために自転車を使っていたのに、違反で罰金を取られては本末転倒。
そこで今回の記事では、自転車の交通違反に導入される「青切符」について下記ポイントを解説します。
- いつから青切符による取り締まりは始まるのか?
- 113の違反行為と反則金額は?
- 取り締まりの内容は?
- 罰金を取られないための対策は?
節約のために自転車をよく利用している方は参考にしてください。
【自転車の青切符】反則金額が決定!
いつから青切符による取り締まりが始まる?
自転車の交通違反に対して反則金の納付を通告するいわゆる「青切符」による取締りは2026年4月1日から行われます。
対象となるのは16歳以上。
113の違反行為について3000円〜1万2000円の反則金額が決定しました。
なお、青切符は比較的軽微な違反を対象に、違反者が反則金を納めれば刑事罰を科さない制度。
酒気帯び運転や酒酔い運転、あおりなどの妨害運転など悪質な違反は従来通り、刑事罰の対象となる交通切符(赤切符)の対象となります。
違反対象行為・反則金額一覧
「青切符」の対象となる主な交通違反と反則金額は下表の通り。
違反行為 | 反則金額 |
スマホ(携帯電話)の「ながら運転」 | 1万2000円 |
遮断踏切立ち入り | 7000円 |
信号無視 | 6000円 |
逆走、歩道を走る | 6000円 |
指定場所で一時停止しない | 5000円 |
傘差しやイヤホンを付けながら運転 | 5000円 |
ブレーキが利かない自転車に乗る | 5000円 |
無灯火 | 5000円 |
2人乗り | 3000円 |
並走禁止違反 | 3000円 |
取り締まりのポイントは?
警察庁が実施したパブリックコメント(意見公募)には5千件を超える意見が寄せられ、歩道通行の取り締まりに批判が集まりました。
「まずは自転車専用道を整備すべきだ」などの意見が相次いだとのこと。
実際、私は自転車も車も運転しますが、自転車に乗っている際には道が狭いなど車道を走るのが怖いケースもあります。
逆に車を運転する際には、車道を走っている自転車と接触しそうになってヒヤッとしたことが何度もあります。
車道の幅が狭いなど交通状況によりやむを得ない場合は歩道を通行できるとされていますが、どのような基準で取り締まりが行われるのでしょうか?
警察庁によると、悪質性・危険性が高くない大半のケースは引き続き「指導警告」を行うとのこと。
警察官の警告に従わずに違反行為を継続したときや、違反行為により通行車両や歩行者に具体的危険を生じさせたときなどには積極的に取締りを行うとしています。
取締りを行う悪質性・危険性の高いケースの事例は下図の通り。
(出典:警察庁)
なお、取り締まりの重点対象行為は下記の通りです。
- 信号無視
- 指定場所一時不停止
- 通行区分違反(右側通行、歩道通行等)
- 通行禁止違反
- 遮断踏切立入り
- 歩道における通行方法違反
- 制動装置不良自転車運転
- 携帯電話使用等
- 公安委員会遵守事項違反(傘差し)など
罰金を取られないための対策は?
自転車の交通違反で罰金を取られないためにできる対策はあるのでしょうか?
まずは、自転車は軽車両という認識を持つことが重要です。
運転免許証を持っている人は車の運転と同じ感覚を持つこと。
例えば、左側通行や歩道走行禁止など自転車を運転する際にも車では当たり前の交通ルールを守る。
免許証を持っていない人は違反行為を認識して交通ルールを守ること。
違反行為を避けて交通ルールを守れば、取り締まりを避けられるだけでなく事故を防止することにもつながります。
実際、青切符の対象となる違反行為は事故を誘発する可能性のあるものばかり。
例えば、ながらスマホ。
スマホを見ながら自転車を運転すれば注意力が落ち、事故を誘発することは容易に想像できます。
また、警察庁は悪質性・危険性が高くない大半のケースは引き続き「指導警告」を行うとしています。
警察官に注意されたらすぐにその行為を止めて指導に従うことで取り締まりを避けられるケースもあるでしょう。
まとめ
自転車の交通違反に対して反則金の納付を通告するいわゆる「青切符」による取締りが2026年4月1日から行われます。
113の違反行為について3000〜1万2000円の反則金額が決定。
国民が物価高に苦しんでいる時に取り締まりを強化すべきなのか、と思っている方も少なくないでしょう。
しかし、スマホ片手に電動自転車で歩道を爆走している人を見かけることも多いので、そのような人は厳重に取り締まって欲しいところ。
節約のために自転車を使っている方にとっては、違反で罰金を取られては本末転倒。
更に自転車事故を起こせば多額の損害賠償を請求される可能性もあります。
どのような運転が違反行為になるのかを認識し、取り締まりを避けるだけでなく事故を防止することも重要です。