
「貯蓄から投資へ」が進めば資産効果で日本は豊かになる、これは幻想です!
残念ながら、投資に回るお金が増えるほど日本全体では貧困化が進んでいきます。
日本証券業協会が発表したデータによると、2025年のNISAを通じた年間買付額は14兆2,023億円(大手証券10社)。
「貯蓄から投資へ」は確実に定着しつつありますが、実際の生活の中で豊かさを実感している日本人はどのくらいいるのでしょうか?
最近、ますます生活が苦しくなっているという方も少なくないはず。
なぜ、「貯蓄から投資へ」という動きが進んでいるのに日本人は豊かになるどころか貧困化しているのでしょうか?
今回の記事では、資産運用をする人が増えるほど日本が衰退化する理由と日本経済を強くするための方法を解説します。
資産運用を始めたが生活が向上した実感がないという方は参考にしてください。
【資産運用立国】投資で日本人は豊かになるのか?
国(政府)が掲げるのが「資産運用立国」や「資産所得倍増計画」。
実際、2025年のNISA利用実態(大手証券10社)を確認すると順調に進んでいる状況。
- 買付額:14兆2,023億円(前年比10%増)
- 口座数:1,806万件
なお、買付額のうち投資信託の比率は62%。
その大半は海外資産(米国株や全世界株など)に投資する商品です。
「国民が投資で資産を増やすことによって日本全体も豊かになっていく」というシナリオは一見すると正しいように感じます。
しかし、実際は新NISAを活用する人が増えるほど、日本人全体は貧困化していくことになってしまいます。
「合理的行動」が招く「合成の誤謬」
なぜ、資産運用をする人が増えると国全体としては貧困化していくのでしょうか?
個人が将来に備え、成長性の高い海外資産に投資することは非常に「合理的」な行動。
しかし、ここには経済学でいう「合成の誤謬(ごびゅう)」という罠が潜んでいます。
合成の誤謬とは?
ミクロの視点(個人)では正しい行動でも、多くの個人がそれを行うことでマクロ(社会全体)としては望ましくない結果を招くこと。
日本人がこぞって「国内での消費」を削り、その資金を「海外投資」に回すとどうなるでしょうか。
国内経済の衰退
日本国内での消費が落ち込めば、企業の利益が上がりません。
結果として日本人の給料が上がりにくくなります。
特に苦しくなるのが日本国内で商売をしている中小零細企業。
日本の全企業数の99.7%を占める中小企業の利益が上がらなければ、給与は増えず生活が苦しくなる人が増えてしまいます。
円安の加速
海外株式型の投資信託(オルカンやS&P500など)の買い付けのために円を売って外貨を買う動きは円安を招く要因。
過度な円安は輸入コストを押し上げて私たちの生活を圧迫します。
儲かるのは輸出大企業だけという状況になってしまいます。
まとめると、多くの日本人が「投資で豊かになろう」と節約に励むほど、皮肉にも日本国内の経済基盤は弱体化。
結果として日本全体が貧困化していく一因となっているのです。
経済の基本はシンプル|「誰かの消費は誰かの所得」
経済の基本は非常にシンプルです。
「誰かの消費は誰かの所得」ということ。
仮に2025年のNISA買付額14兆円が全て消費に回ったらどうなるでしょうか。
成長分野ともてはやされているインバウンド消費と比較してみます。
2025年の訪日外国人数はおよそ4270万人で消費額は過去最高の約9.5兆円。
政府は2030年に訪日客6,000万人、消費額15兆円を目標としています。
しかし、すでに観光地はパンク状態。
「オーバーツーリズム(観光公害)」の状況下で、これ以上の拡大を心から望んでいる日本人がどれほどいるでしょうか。
もしNISAに回った14兆円もの資金が国内での「消費」に回っていたとしたら、インバウンド消費の約1.5倍。
その経済効果は観光地だけでなく日本全国のあらゆる産業に波及していたはずです。
更に政府が2030年に目標とする外国人消費額15兆円とほぼ同額。
国際情勢が不透明な今こそ外需(外国人)に頼り過ぎることなく、国内で循環する経済を再構築すべきです。
日本人が消費して、その対価として日本人の所得が増える。
この「当たり前の好循環」を取り戻すことこそが現状の日本に必要な政策です。
個人消費を活性化する方法とは?
では、どうすれば国内循環型経済を実現できるでしょうか。
多くの日本人が「投資」ばかりに目を向け、消費を控えてしまう根本的な原因は「将来への不安」と「購買力の低下」にあります。
これを解消するためには、国(政府)による大胆な政策転換が必要です。
消費税の減税・廃止
消費税は経済の血液であるお金の流れ(消費)にブレーキをかける罰金のようなもの。
国民が物価高に苦しむ今、消費税を減税または廃止すれば、購買力の向上につながります。
また、消費税は赤字でも納税する必要がある中小企業を苦しめる悪税。
消費税を減税または廃止すれば、中小企業の賃上げを誘発する効果も期待できます。
なお、食料品の消費税ゼロ%は愚策。
最低でも一律5%への減税とインボイスの廃止が必要です。
「年収の壁」の大胆な引き上げ
「税金の壁」は178万円まで引きあがりましたが、「社会保険の壁」は106万円と130万円が残っている状態。
「税金の壁」だけを引き上げても、「社会保険の壁」が残ったままでは働き控えの問題は根本的に解決しません。
私は「税金の壁」も「社会保険の壁」も300万円くらいまで引き上げればいいと考えています。
この止まらない物価高の中、年収300万円以下の人から税金や社会保険料を徴収する必要があるのでしょうか。
アルバイトやパートの方が年収300万円まで気兼ねなく働くことができるようになれば、労働力不足が解消されますし、個人消費も活性化するでしょう。
個人消費が活性化すれば、日本のGDPも増加します。
GDPが成長すれば、税収が増えるとともに債務対GDP比率も下がることに。
オールドメディア(マスゴミ)などが指摘する財政健全化にもつながるわけです。
まとめ

「貯蓄から投資へ」が進めば資産効果で日本は豊かになる、これは残念ながら幻想です!
日本人がこぞって「国内での消費」を削り、その資金を「海外投資」に回すことで日本経済全体では衰退していきます。
まさに合成の誤謬状態。
現状の日本で必要な政策は、日本人が消費して、その対価として日本人の所得が増えるという国内循環型経済の構築。
そのためには、消費税の減税・廃止や年収の壁の大胆な引き上げなど、国(政府)による大胆な政策転換が必要です。
なお、私は資産運用を否定したいわけではありません。
私もNISAを活用していますし、現状で個人が海外資産を選んで運用するのは合理的なこと。
しかし、どんなに資産運用を頑張ったとしても、私たちが生活している日本という船が沈めば影響は甚大です。
このまま日本の衰退化が止まらなければ、数千万円レベルの資産を築けたとしても役には立たないでしょう。
個人の金融資産は豊かな国に住んでいてこそ力を発揮するもの。
政治によって私たちの生活は大きく左右されます。
政治の力によりバブルが発生し、その後の「失われた30年」という衰退を招きました。
国民のための政治が行われれば、一億総中流の豊かな日本を取り戻せる可能性があります。
一方、「失われた30年」に象徴されるような富裕層のみの方を向いた政治が続けば、日本人の貧困化は止まらないでしょう。
そもそも「投資をしないと老後破産」なんて社会は異常だと思いませんか?
本来、政治が目指すべきなのは、毎日コツコツと真面目に働く人たちが豊かで安心した生活を送れる国であるはず。
個人個人の幸せを実現するためにも政治に関心を持つことが重要です。
2月8日に行われる衆院選の結果によって私たち庶民の生活は大きく変わる可能性があります。