現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

減税すると円安になりインフレが加速する?


物価高で生活が苦しいので減税して欲しい。

 

そう願う一方で、「減税すると、さらに円安が進んで物価が上がってしまうんじゃないか?」と心配している方も少なくないでしょう。

 

waqworkさんからも下記のような鋭いご質問をいただきました。ありがとうござます!

「簡易型」給付付き税額控除とは?消費税を減税・廃止すべき3つの理由とは? - 現役投資家FPが語る

消費税減税で通貨価値が下がり、さらなるインフレを引き起こすという話も聞きますが、どうなのでしょう?

2026/04/16 21:37

テレビや新聞では、「減税=円の暴落」というシナリオがまことしやかに語られることがありますが、本当でしょうか?

 

今回の記事では、「減税すると通貨価値が下がりインフレが加速するのか?」について解説します。

 

「日本で減税するのは難しいのではないか?」と思っている方は参考にしてください。

 

 

1.減税すると円の価値は下がる?

世の中で一般的に信じられているシナリオは下記のようなものでしょう。

 

減税 → 財政悪化の不安 → 円が売られる → 円安

 

投資家目線で見ると「成長戦略がないままにお金をバラまく(減税する)のは、ただ円を市場に溢れさせて価値を薄めるだけだ」という理屈。

 

こうした論理は財務省の御用新聞である日本経済新聞が好んで使うため、信じている方も少なくないでしょう。

 

確かに、過度なインフレが進めば通貨の価値は下がり円安が進行します。

 

しかし、為替相場は「国債の発行量」というたった一つのモノサシで決まるほど単純ではありません。

 

・為替相場は1つの要因では決まらない

実際、ここ数年の日本では「減税」をしていないにもかかわらず、急激な円安が進んできました。

 

現在の円安には下記のような要因が関係しています。

  • 他国との金利差(日本は実質マイナス金利)
  • 貿易赤字(資源購入など)
  • デジタル赤字(海外IT企業への支払い)
  • 新NISAによる海外投資の増加
  • 日本政府のスタンス(円安志向)など

 

ここで少し思い出してみてください。

 

下記のような減税策が決まったときに急激な円安が進んだでしょうか?

  • ガソリン税の暫定税率廃止
  • 「年収の壁」の引き上げ

 

答えは「ノー」。

 

「減税=通貨価値の下落」という恐怖を煽る論理は、現実とは食い違っていることが分かります。

 

 

2. 減税すると税収が増える?

一般的なイメージとは逆に減税には下記のような好循環を生み出す効果があります。

 

減税 → 景気回復 → 税収増 → 財政健全化

 

減税によって国民の手取りが増えて国内需要が拡大すれば、企業の売上は増えます。

 

企業の売上が増えれば従業員の給与も上ります。

 

企業の利益が増え、従業員の給与が上がれば国の税収も増加する。

 

また、売り上げが増えた企業による国内での設備投資も増えるでしょう。

 

設備投資が増えれば、国内の供給力が高まり過度なインフレが抑えられることになります。

 

さらに、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」が効果的に行われれば、インフレを抑制しつつ経済成長を促すことも可能。

 

国内の供給力を高め、食料やエネルギーなどを極力自給できるようになれば、為替相場の変動に影響されにくい、より強い経済基盤を築くことができます。

 

これは、デジタル赤字やエネルギー資源購入による赤字の解消にも繋がります。

 

これまでの日本では、ひたすら増税や社会保険料の引き上げによって国民の手取りが減らされてきました。

 

単発の給付金や小規模な減税(例:岸田政権の定額減税など)は行われましたが、経済全体を温めるには不十分。

 

その結果、日本は「失われた30年」と呼ばれる長期的な経済停滞と貧困化を経験してきたのです。

 

 

3. 当たり前の経済政策とは?

本来、国(政府)が行うべき経済政策は下記のようにシンプルなものです。

  • 景気停滞 → お金を出す(減税歳出増
  • 景気過熱 → お金を回収する(増税歳出減

 

通貨を発行できる国(政府)は民間と逆の動きをして景気を調整するのが重要な役割

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しかし、これまでの日本では景気が停滞する中「バカの一つ覚え」のように、ひたすら増税や社会保険料の引き上げを行ってきました。

 

つまり、景気が停滞する状況下で景気過熱時に行うべき経済政策を続けてきたのです。

 

これが「失われた30年」の最大の要因

 

また、ここまで進んだ円安の大きな要因が海外との金利差

 

円安解消のため日本銀行(日銀)は金利を上げるべきという議論がありますが、国内景気が十分に盛り上がっていないため継続的な金利の引き上げは難しい状況。

 

今の物価高は、モノの需要が増えて値段が上がる「ディマンドプルインフレ」ではなく、原材料費が上がって仕方なく値上げする「コストプッシュインフレ」。

 

コストプッシュ型のインフレ時に金利を上げてしまうと、物価高で停滞している景気をさらに悪化させることにも繋がりかねません。

 

減税によって国内需要を盛り上げることで、ディマンドプル型のインフレへと移行させる。

 

そうなれば、日銀は利上げを行うことができ、海外との金利差が縮まることで過度な円安は落ち着きます。

 

経済が活性化して国民の所得が増えれば、多少の物価高は吸収可能

 

実質賃金(物価を踏まえた“賃金の実際の価値”)が恒常的にプラスになるような「良い物価高」を目指す政策が今の日本には必要です。

 

 

まとめ

減税が必ずしも円安やインフレを加速させるわけではありません。

 

むしろ、適切な減税策は景気を回復させ、税収を増やし、最終的には財政健全化にも繋がります

 

さらに、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」が効果的に行われれば、インフレを抑制しつつ経済成長を促すことも可能。

 

国内の供給力を高め、食料やエネルギーなどを極力自給できるようになれば、為替相場の変動に影響されにくい、より強い経済基盤を築くことができます。

 

そうなれば、「失われた30年」を脱却することも可能でしょう。

 

我々国民はマスゴミの誤った理屈に騙されることなく、真に日本を豊かにする政策を求めていく必要があります。