「税金が高い!」と思っている方も多いと思います。
節約するには固定費の削減が効果的。節税も固定費削減方法の1つといえます。
しかし、税金が取られる仕組みについてあまり理解していない方も少なくないでしょう。
特に、サラリーマン(給与所得者)の方は源泉徴収で税金を取られているので、完全にブラックボックス状態というケースも多いと思います。
税金の仕組みを理解せずにブッラクスボックス状態では節税はできません。
そこで今回は、以下の本を参考にサラリーマンでもできる節税方法について解説します。
税金が高い!と思っているサラリーマンの方は参考にしてください。
『本当の自由を手に入れるお金の大学』
税金が課税される仕組みを知る
節税を考える上で、税金が課税される仕組みと支払っている税額を把握する事は重要。
サラリーマンが1年で徴収される税金(社保込)は下表の通り。
年収 | 税金(社保込) | 手取り |
---|---|---|
200万円 | 38万円 | 162万円 |
300万円 | 61万円 | 239万円 |
400万円 | 84万円 | 316万円 |
500万円 | 109万円 | 391万円 |
600万円 | 137万円 | 463万円 |
700万円 | 170万円 | 530万円 |
800万円 | 204万円 | 596万円 |
900万円 | 234万円 | 666万円 |
1000万円 | 264万円 | 736万円 |
(出典:本当の自由を手に入れるお金の大学)
上記の通り、サラリーマン(会社員)は年収の約20%を税金(社保込)として差し引かれている計算。
しかも源泉徴収という仕組みで、私たちサラリーマンの銀行口座や財布に給与が入る前に自動的に税金は天引きされます。
税金に対する知識がなく何も対策をしていないと、ノーガードで取られ続けることになってしまいます。
所得税や住民税が課税される仕組み
所得税や住民税はどのように計算され徴収されているのでしょうか?
税金(所得税・住民税)は収入から控除を引いた課税所得に対して課税されます。
給与-控除=課税所得
住民税(所得割額・均等割額)の計算方法は下図の通り。
(出典:https://www.oag-tax.co.jp/asset-campus-oag/inhabitant-tax-845)
サラリーマンが節税しようと思えば、経費は収入によって決まっている(給与所得控除)ので、所得控除を上手に使うことが重要となります。
社会保険料が計算される仕組み
一方、社会保険料(厚生年金・健康保険)は交通費を含む収入に対してかかります。
実は、社会保険料の負担はかなり大きいことを知ることも重要。
社会保険料は給与所得控除や所得控除を引く前の収入で計算されるので、サラリーマン(給与所得者)を続ける限り大きな負担から逃れられません。
社会保険料を減らすためには、1年に1回保険料が定時決定される基となる4月~6月の給与額を増やさないために残業をしないことなどが対策になります。
ただし、社会保険料を下げれば、受け取れる年金額などが減ることには注意が必要です。
【節税】サラリーマンが使える控除とは?
本書では税金を計算する際に収入から差し引ける下記15個の控除が紹介されています。
- 基礎控除
- 扶養控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 小規模企業等掛金控除
- 医療費控除
- 雑損控除
- 寄付金控除
上記の中で両学長が挙げる会社員が節税のために使える控除は以下の3つ。
- ふるさと納税
- 扶養控除
- 医療費控除
使えるといっても、必ず3つ全ての控除を活用できるわけではありません。
例えば、扶養控除は結婚していなければ使えませんし、医療費控除は一定額以上の医療費がかかった年にしか使えません。
唯一、積極的に使えるのがふるさと納税。
ただし、ふるさと納税は正確には節税ではありません。
節税ではありませんが、受け取る返礼品を普段使う日用品などにすることで節約にはなります。
サラリーマンが使える控除は上記の通り少なく、節税の余地が小さいことが理解できるでしょう。
使えるようで使えない控除とは?
使えるようで使えない控除として、両学長が挙げているものは下記4つ。
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 住宅ローン控除
上記の中で、私は小規模企業共済等掛金控除(iDeCo(イデコ)の掛金)は使うべきだと考えています。
ただでさえ節税方法が少ないサラリーマンは、iDeCo(イデコ)を積極的に活用すべき。
ただし、イデコに拠出した掛金は60歳まで引き出せないというデメリットは理解する必要があります。
よって、老後資金として長期で運用できる掛金額を見定めることが重要です。
サラリーマンが節税する究極の方法とは?|源泉徴収からの脱却
サラリーマンの節税方法は、非常に少ないということが理解できると思います。
サラリーマンは節税を諦めて素直に納税すべきなのでしょうか?
実は、大きく節税できる方法が1つあります。それが副業で収入を得ること。
サラリーマンの究極の節税方法は源泉徴収の支配下からの逃避、それが副業で事業所得を得る事。
副業で事業所得を得る事で大きな節税が可能となります。
両学長が挙げる事業所得を得る3つの節税メリットは下記の通り。
- 経費が使える
- 青色申告特別控除(最大65万円)が使える
- 社会保険料の負担が減る
副業の売上に対する課税所得の計算式は下記の通り。
売上ー経費ー控除(青色申告特別控除)=課税所得
なお、青色申告特別控除は副業収入が事業所得の時に使用できますが、雑所得の時には使えません。
副業収入を事業所得とするには、複式簿記で記帳していることや電子申告で確定申告していることなどの条件があります。
副業は経費が使える
副業であれば、自宅兼事務所の家賃や電気代、スマホ代など生活費の一部を経費にすることが可能。
基本的にサラリーマンは税金を払った後のお金で家賃やスマホ代を支払うことになります。
一方、フリーランスなどの個人事業主は家賃やスマホ代などの費用は経費とすることができ、経費を差し引いた所得に税金がかかります。
課税所得が小さくなれば、税金は安くなるので、経費が使える点は非常に大きなメリットです。
副業収入には社会保険料がかからない
更に、副業収入には社会保険料がかかりません。
年収によっては、税金よりも負担が大きくなるのが社会保険料(厚生年金・健康保険)。
副業収入には社会保険料の負担がないという点も非常に大きなメリット。
本書に掲載されている「給与所得1000万円」の場合と「給与所得300万円と事業所得700万円」の場合の社会保険料比較は下記の通りになります。
・給与所得1000万円
社会保険料:117万円
・給与所得300万円と事業所得700万円
社会保険料:44万円
同じ1,000万円を稼いでも社会保険料の負担で約73万円もの差が発生。
副業は収入増だけでなく、経費や社会保険料の面でもメリットが大きい事が分かります。
まとめ
サラリーマンの税負担は重く、年収の約20%を税金(社保込)として差し引かれています。
サラリーマンも固定費削減の意味で、節税を検討すべき。
しかし、サラリーマンの節税方法は非常に限られています。
その中で使える節税方法が源泉徴収からの脱却。つまり副業で収入を得ること。
副業すれば、下記3つの節税メリットが得られます。
- 経費が使える
- 青色申告特別控除が使える
- 社会保険料の負担が減る
終身雇用が崩れつつある日本社会で、給与しか収入がないのは非常にリスクが高いといえます。
節税のためだけでなく、人生のリスクヘッジという意味でも副業した方がいいことは間違いありません。
なお、節税と脱税は違います。
脱税は犯罪ですが、ルールの中で可能な限り税負担を軽減することを節税といいます。
よって、サラリーマンも税金の仕組みをブラックボックス化せず、税のルールを知ることが節税につながります。