資産運用を始めようと考えた時にすすめられることが多い投資信託。
しかし、いろいろな種類があり、投資信託協会によると日本には約6,000本以上もの投資信託があるそうです。
実際に資産運用をする際には種類が多すぎて、どの投資信託を選んだらいいか迷う方も多いはず。
6,000本の中には、買ってはいけない投資信託も数多く含まれています。
適当に買って、優良ファンド(投資信託)を引き当てることは至難の業でしょう。
そこで今回は、投資信託の種類や選び方について解説します。
新NISAでも運用の中心は投資信託という方も多いと思いますので、参考にしてください。
1.投資信託とは?
投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金をプロが運用し、その運用成果を投資額に応じて投資家に分配する仕組みの金融商品。
投資信託は、投資家から集めた資金を株式や債券などに分散投資するので、投資信託を1つ購入するだけで分散投資をした効果があります。
例えば、日本を代表する企業であるトヨタ自動車(7203)の株式を買う場合、約27万円の資金が必要(令和5年10月現在)。
仮にトヨタ自動車を含む複数の企業に投資をしようと考えると、数百万円を超える多額の資金が必要となります。
しかし、最近では100円から投資信託を買える証券会社があるので、トヨタを含む複数の企業に投資している投資信託を購入すれば、最低100円からトヨタを含む複数企業への分散投資が可能になります。
100円という小口資金で分散投資が可能な投資信託は、初心者の方が手始めに購入する投資商品に向いている金融商品です。
なお、投資信託は元本保証のない金融商品なので、運用状況によっては投資した額を下回る元本割れを起こす可能性もあります。
2.投資信託の種類
投資信託にはどのような種類の商品があるのでしょうか?
運用対象と運用方法の観点から投資信託の種類を解説したいと思います。
・運用対象
投資信託は、運用対象によって国内株式型、外国株式型、国内債券型、外国債券型、国内・海外不動産投資信託(リート)などの種類があります。
また、上記の複数資産を組み込んだバランス型などもあります。
運用対象とリスクの関係は、下記の通り。
国内債券型 < 外国債券型 < 国内株式型 < 外国株式型
国内債券が最もリスクが低く、逆に外国株式が最もリスクが高くなります。
・運用方法
運用方法によってもアクティブ型とインデックス型の2種類があります。
インデックス型とは?
日経平均株価のような株価指数などの市場の平均であるインデックス(指標)と同じ値動きをするような運用を目指す投資信託をインデックス型といいます。
インデックス型は目標とする指数に連動するように機械的に銘柄を組み入れるので、ファンドマネージャーが銘柄を選択するアクティブ型に比べて各種の手数料が安くなるというメリットがあります。
アクティブ型とは?
アクティブ型の投資信託は、運用のプロであるファンドマネージャーが調査・分析などを行い、ファンド(投資信託)に組み入れる銘柄を選択して市場平均を上回る運用成果を目指します。
運用のプロであるファンドマネージャーが調査・分析などを行い、ファンドに組み入れる銘柄を選択して売買するので、インデックス型に比べて各種手数料が高くなるとういうデメリットがあります。
インデックス型とアクティブ型はどちらを選ぶべき?
インデックス型とアクティブ型のどちらがいいのかというと、どちらにもメリットとデメリットがあります。
ただし、アクティブ型の投信信託に高い手数料を払ったからといって、高い運用成果が保証されるわけではありません。
手数料が高いか安いかは運用成果には全く関係ありません。
手数料が安いインデックス型の投資信託の方が運用成果が高いということもよくある話。
また、高い運用成果を上げているアクティブ型の投資信託があったとしても、それは過去(今まで)の話であって、これからも高い運用成果が出せるという保証は全くありません。
個人的には、資産運用初心者の方にはインデックス型でコスト(手数料)を抑えて運用することをおすすめしています。
3.投資信託の選び方とは?
運用対象先としては、日本だけでなく世界にも目を向け、世界株式型の投資信託などの購入も検討すべきです。
ホームカントリー・バイアスがあり自国の資産を購入することを考える方が多いと思いますが、日本人だからといって自国(日本)の資産だけにこだわる必要はありません。
今後の日本を考えた場合、少子高齢化により人口減少がすでに始まっていて国力は下がっていくことが予想されます。
残念ながら、今のままでは日本市場は大きな成長が期待できないません。
一方、世界に目を向ければ、人口が増え需要も増えることが確実なので、成長を続けていくでしょう。
よって、日本人だからといって日本市場に固執せず、成長が期待できる世界の市場にもお金を向けるべきです。
個人で海外の個別企業に投資するのは、難しいところがあります。個人で海外企業の情報を手に入れることは簡単ではないでしょう。
しかし、投資信託であれば、海外の株式で運用している外国株式型もあります。
海外の個別企業の株式を買うのは難しくても、外国株式型の投資信託を購入することにより、海外の企業に分散投資することも可能です。
投資信託を選ぶ際に重視すべきポイントは下記の通り。
インデックス型ファンド(投資信託)
アクティブ型を否定するわけではありませんが、投資初心者の方は優良ファンドを選ぶ目を持っていないわけですから、最初はインデックス型がおすすめ。
少額から投資を始めるのであれば、債券型やバランス型を選ばず、株式型一択で問題ないでしょう。
おすすめの指数(インデックス)としては、全世界株式か米国株式(S&P500など)のどちらかを選べば現状では最適解です。
ノーロード(購入時手数料無料)で信託報酬は0.1~0.2%台以下
投資信託を選ぶ際に重要となるのが、信託報酬などの手数料。
手数料は想像以上に運用成果に影響します。
よって、購入時の手数料は無料(ノーロード)で信託報酬は0.1~0.2%台以下の投資信託を選ぶと良いでしょう。
純資産総額
純資産総額は投資信託の大きさ(規模)。
純資産総額(規模)が小さいと、繰上償還のリスクや目標とする指数通りに運用できないというデメリットもあります。
よって、純資産総額は最低でも30億円程度は欲しいところです。
これまで解説してきた下記3点で選べば、6000本ある投資信託が相当絞れるはず。
- インデックスファンド
- ノーロードで信託報酬は0.1~0.2%台以下
- 純資産総額は30億円以上
投資初心者の方には、インデックス型を活用して低コストで積立投資を行うことをおすすめします。
投資に慣れてくれば、アクティブ型や個別の銘柄を選択してもいいでしょう。
まとめ
投資信託の特徴や種類、選び方などについてご理解いただけたでしょうか?
資産運用というと、トヨタなどの個別企業の株式で大きな利益を狙うものというイメージを持っている方も多いと思います。
私も投資を始めた頃は、そのようなイメージを持っていて失敗を繰り返してきました。
しかし、投資信託であれば小口の資金で分散投資ができるので、投資初心者の方に向いています。
これから投資を始める方におすすめの投資信託の選び方としては、日本に固執せず世界にも目を向けて、インデックス型でコストを抑えながら始めるのがいいでしょう。
まずは、積立投資で資産運用に慣れることを優先し、慣れてくれば色々な投資対象に目を向けるといいでしょう。