これから投資を始めようとした時に、どこの証券会社で口座を作るべきかを迷う方も多いでしょう。
投資初心者の方におすすめしたいのが、マネックス証券・SBI証券・楽天証券のネット証券3社。
上記3社の中で私が今から積立投資を始めるのであれば、マネックス証券をメインで使い、用途によって他の証券会社を使い分けます。
今回は、投資初心者の方にマネックス証券をおすすめする理由と、証券会社の使い分けについて解説します。
ネット証券大手3社は投資信託のラインナップや手数料などで大差なし
私が投資初心者の方におすすめしたいのが、マネックス証券・SBI証券・楽天証券のネット証券大手3社。
私自身、3社とも口座を開設しています。
上記3社であれば、投資信託の商品ラインナップや手数料などでは大差はありませんが、私が今から積立投資を始めるのであれば、マネックス証券をメインで使います。
その理由は、積立投資でポイントが貯まりやすいから。
これから資産運用を始めるのであれば、マネックス証券でつみたてNISA口座を開設し、マネックスカードでの決済がおすすめです。
なお、NISA口座については1人1口座と決まっていますが、課税口座については1人で複数社の口座を持つことが可能。
マネックス証券・SBI証券・楽天証券それぞれに特色があるので、どこか1社だけではなく、いいとこ取りで使い分ければいいと思います。
次項以降で、下記3点で3社の特色を確認したいと思います。
- 投資信託保有・積立ポイント
- 米国株投資
- 銀行連携による預金金利UP
投資信託の保有・積立ポイント
投資初心者の方が投資を始めるのであれば、つみたてNISAからというのが王道パターンでしょう。
投資信託の積立投資をすると、マネックス証券・SBI証券・楽天証券ともに積立時のクレジットカード決済と投信の保有残高でポイントを獲得できます。
現状、3社の中で最もポイントを獲得できるのがマネックス証券。
3社の比較は下表の通りです。
マネックス証券 | SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|---|
クレカ決済ポイント | 1.1% | 0.5%~2% | 0.2%~1% |
投信保有ポイント | 0.03% | 0.03%~0.04%程度 | 一定額到達時のみ |
マネックス証券
クレカ決済の還元率が1.1%と3社の中でトップ。
また、投資信託を保有することにより獲得できる投信保有ポイントは、優良インデックスファンドで0.03%です。
例えば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などは、月中の平均保有残高(評価額)の0.03%分のマネックスポイントを獲得できます。
SBI証券
クレカ決済の還元率は0.5%~2%となっていますが、年会費が無料の三井住友カード(NL)であれば0.5%。
還元率が1%のゴールドは5,500円、還元率が2%のプラチナは33,000円の年会費がかかります。
ゴールドカードの年会費は初年度無料。また、年間100万円の使用で年会費が永年無料になるので、ゴールドカードでの積み立てが現実的でしょう。
実際、私も三井住友カードゴールド(NL)を作り、年会費の永年無料を目指して100万円修行をしています。
三井住友カードを作るのであれば、ハピタスというポイントサイト経由がおすすめ。
ハピタス経由で三井住友カードゴールド(NL)を作るだけで7,500ポイント(1ポイント1円相当)を獲得できます。
なお、投資信託を保有することにより獲得できる投信保有ポイントは、主な優良インデックスファンドで0.3%~0.4%程度。
例えば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で0.0420%、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」で0.0340%、 「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」で0.0220%です。
楽天証券
これまでポイントの獲得度でトップに君臨していた楽天証券ですが、現在では改悪が続き、3社の中では最下位の状態。
クレカ決済の還元率は優良インデックスファンドで1%→0.2%へ。
保有ポイントの獲得条件についても「一定の残高を保有している場合」から、下表のように「一定の残高をはじめて達成した場合」に変更されます。
(出典:楽天証券)
楽天証券のポイント改悪についての詳細は、下記記事をご参照ください。
クレカ決済でポイントを獲得できる毎月の積立額上限は3社とも5万円なので、5万円までの積立投資であれば、マネックス証券を使う。
更に資金的に余裕があるのであれば、SBI証券、楽天証券の順番で利用するといいでしょう。
なお、auカブコム証券もクレジットカード決済による積立投資(還元率1%)を開始する予定なので、今後は「マネックス証券→SBI証券→auカブコム証券→楽天証券」という順番になるかもしれません。
米国株投資
米国株や米国ETFへの投資をするのであれば、おすすめはSBI証券です。
その理由は外貨両替時の為替手数料の安さ。
住信SBIネット銀行を使えば、為替手数料が片道4銭という安さ。更に外貨積立を使えば、円からドルへの両替が片道2銭です。
実際、私も住信SBIネット銀行を使ってドル転し、SBI証券で米国ETFに投資しています。
3社の手数料比較は下記の通り。
- SBI証券:片道4銭(外貨積立の場合は2銭)
- マネックス証券:円から米ドルは無料、米ドルから円は25銭
- 楽天証券:片道25銭
証券口座と銀行口座の連携による預金金利UP
証券口座と銀行口座を連携するだけで、普通預金金利がUPするサービスがあります。
SBI証券は住信SBIネット銀行と口座連携することにより、住信SBIネット銀行(ハイブリット預金)の金利が大手銀行の普通預金金利0.001%の10倍の0.01%に。
また、楽天証券は楽天銀行の口座と連携するマネーブリッジを設定すると、楽天銀行の普通預金金利が0.02%から0.10%と5倍にアップします。
しかし、2022年4月1日以降は楽天銀行の金利アップのサービスが改悪に。
普通預金金利0.10%が適用されるのは残高300万円以下の部分のみとなり、300万円を超える部分の金利は0.04%に引き下げられてしまいます。
300万円までであれば、投資用の待機資金の預け先としては改悪後も楽天銀行の金利が一番高いということになります。
なお、長期で使わない現金については普通預金の金利が年0.2%のあおぞら銀行を活用するといいでしょう。
複数の証券会社を使い分ける
現状では、獲得できるポイントが多いのでマネックス証券をおすすめしていますが、今後は楽天証券のような改悪があるかもしれません。
また、他の証券会社が更にポイントを獲得できるキャンペーンを始める可能性もあります。
実際、auカブコム証券がクレジットカード決済による積立投資(還元率1%)を2022年3月から開始するという報道がありました。
よって、我々個人投資家としては、複数の証券会社を上手に使い分けるのが得策でしょう。
実際、私も証券会社5社ほどに口座を保有していて、用途によって使い分けています。
ただし、ポイントはおまけであり、本来の目的は資産運用。
よって、ポイントについては一切考慮せず、証券会社は1つに絞って運用を続けるというのも1つの考え方。
特に、普段忙しくて投資に時間を割きたくない方は、証券会社ごとの細かい制度変更を追う必要はないでしょう。
なお、複数の証券会社を利用すると資産管理が面倒という方は家計簿アプリを使うことをおすすめします。
例えば、私が使っているのはマネーフォワードですが、複数の証券会社から情報を統合して資産額を管理することができます。
まとめ
現時点でメイン使いでおすすめの証券会社はマネックス証券ですが、米国株投資など用途によって複数の証券会社を使い分けるのが得策でしょう。
なお、おすすめの証券会社は時間とともに変わる可能性があります。
ポイントはあくまでおまけ。1%程度のポイントのために証券会社を選ぶのは面倒という方もいるでしょう。
この辺の考え方には個人差もあるので、ポイントなど不要ということであれば、3社のうち使い勝手のいいところを選べばいいと思います。
大切な事はポイントを獲得することではなく、資産運用を長期間継続して資産を増やすことです。