約3年前の2019年に話題となった「老後2000万円問題」。
公的年金だけでは65歳からの30年間で老後資金が約2000万円不足するというもの。
賛否両論あった老後2000万問題ですが、老後資金として2000万円を貯めることを目標としている方もいるでしょう。
2000万円も貯めるためには、毎月かなりの額を積み立てる必要があるのではないかと不安になる方も少なくないかもしれません。
実は、毎月1万円の積立投資で2000万円が貯まると聞いたらどうでしょうか。
そんな方法があるのであれば、知りたいと思うかもしれません。
そこで今回は、以下の本を参考に下記ポイントについて解説します。
- 毎月1万円の積立で2000万円は貯まるのか?
- 30代・40代・50代の2000万円の貯め方とは?
老後資金の貯め方に悩んでいる方は参考にしてください。
『毎月1万円で2000万円をつくる! つみたて投資・仕組み術 森永康平』
毎月1万円の積立で2000万円は貯まる?
毎月1万円を積み立てるだけで2000万円も貯められるのでしょうか?
毎月1万円の積立投資で2000万円を貯める事はできますが、無条件で貯まるわけではありません。
適切な投資対象を選んで長期投資を行うことが前提です。
毎月1万円の積み立てで2000万円をつくるのに必要な年平均利回りは、本書によると下記の通り。
【毎月1万円の積立で2000万円をつくるのに必要な年率平均利回り】
- 10年:43.4%(投資元本:120万円)
- 20年:17.0%(投資元本:240万円)
- 30年:9.4%(投資元本:360万円)
年平均利回り9.4%(手数料や税金を考慮せず)で30年間運用できれば、2000万円の資産を準備することが可能。
「年利回り9%も出せる投資対象があるのか?」と疑問に思った方も少なくないでしょう。
実は、年平均利回り9.4%を出せる可能性がある投資対象があります。
それは、米国の最も有名な株価指数であるS&P500。
本書によるとS&P500の過去30年の実績は下表の通り。
S&P500(配当込み・米ドルベース)過去30年の実績 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
期間 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 | 30年 |
年率 |
7.5% | 10.7% | 10.7% | 14.0% | 8.8% | 5.9% | 9.7% |
S&P500への積立投資であれば毎月1万円でも30年間続けることにより、2000万円を貯めることが可能。
なお、上記はあくまでも過去の実績なので、未来の結果が保証されているわけではありません。
30代・40代・50代の2000万円の貯め方
30年は長いと思った40代、50代の方もいるでしょう。
そこで、30代・40代・50代それぞれの世代の2000万円の貯め方についてまとめてみました。
30代の老後資金の貯め方
30代の方は上記の通り、S&P500に連動するインデックスファンド(投資信託)を月1万円ずつ積み立てれば、60代で2000万円を貯めることが可能です。
具体的な方法としては、SBI証券などのネット証券につみたてNISA口座を開設して『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』や『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』を愚直に1万円ずつ積み立てるといいでしょう。
40代の老後資金の貯め方
40代の方は毎月1万円の積み立てでは2000万円を準備するのに70代になってしまいます。
60代で2000万円を貯めようと思えば、毎月の積立額を3万円に増額するといいでしょう。
【毎月3万円の積立で2000万円をつくるのに必要な年率平均利回り】
- 10年:28.3%(投資元本:360万円)
- 20年:9.0%(投資元本:720万円)
- 30年:3.8%(投資元本:1080万円)
具体的な方法としては、SBI証券などのネット証券につみたてNISA口座を開設して『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』や『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』を愚直に毎月3万円ずつ積み立てるといいでしょう。
50代の老後資金の貯め方
50代の方は毎月1万円の積み立てだと2000万円ためるのに80代になってしまいます。
また、毎月3万円の積み立てでも70代になってしまいます。
よって、毎月5万円ずつを積み立てるといいでしょう。
毎月5万円の積立投資(年平均利回り9%)を15年間続けると1,892万円になります。
2000万円には届きませんが、運用しながら取り崩せば、資産寿命を延ばすことが可能。
具体的な方法としては、SBI証券などのネット証券につみたてNISA口座を開設して『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』や『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』を3.3万円と課税口座で1.7万円を愚直に積み立てていけばいいでしょう。
60代に投資は不要?
なお、60代の方でも人生100年時代で老後が長くなることを考慮すれば、投資を検討する方が賢明です。
上記の通り、資産運用を活用すれば、資産寿命を伸ばすことができます。
例えば、貯蓄の一部を10年間で積立投資に回し、10年後からは運用しながら取り崩す。
一括投資もアリですが、初めて投資をするという方は積立投資から始めて慣れる方がいいでしょう。
まとめ
毎月1万円の積立投資でも2000万円を貯めることは可能。
ただし、適切な投資対象を選んで長期投資を行うことが前提。
2000万円を貯めるためのポイントは下記の通り。
- なるべく早く運用を始める
- 40代以降の方は積立額を上げるなどの工夫が必要
資産運用は早く始めるほど必要な利回りは低くなります。
投資期間が長くなるほど複利の効果が効くから。
今回の記事に興味を持った方は、少額からでも積立投資を始めることをおすすめします。
『毎月1万円で2000万円をつくる! つみたて投資・仕組み術 森永康平』