現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

【つみたてNISAの始め方】どの商品を購入すべき?


つみたてNISAを始めようと考えながら、まだ始められていないという方も少なくないでしょう。

 

投資を始めようとしても始められない理由はどこにあるのでしょうか。

 

投資初心者の方が躓くポイントについて参考になるアンケートがありました。

news.infoseek.co.jp

 

今回の記事では多くの方が、つみたてNISAを始める際に躓く下記ポイントとその解決法を解説したいと思います。

  • どの商品を購入してよいかわからない
  • 投資に回すお金がない
  • 手続きが面倒

 

これからつみたてNISAを始めようとしている方だけでなく、2024年から新NISAを始めたいという方も参考にしてください。

 

 

つみたてNISAを利用している人の割合は?

アンケートの結果によると「つみたてNISAをしている」人は14.3%。

 

実際、口座数を確認してみると、2022年12月末時点で1804万口座(一般:1079万・つみたて:725万)。

 

成人人口が約一億人でNISA口座を開設した人が全員活用していないことを考慮すれば、アンケート結果は大きく外れていないことが分かります。

 

なぜ、85%を超える方たちはNISAを利用しないのでしょうか?

 

「つみたてNISA」と「iDeCo」のどちらも利用していないと答えた人の理由は下記の通り。

 

①「どの商品を購入してよいかわからない」(27.2%)

②「投資に回すお金がないから」(25.0%)

③「手続きが面倒だから」(24.6%)

 

次項以降で、上記の①~③までの解決策を解説したいと思います。

 

 

どの商品を購入すべきか?

投資を始めようと考えた時に真っ先に悩むのが「何を買うべきか?」ではないでしょうか。

 

実は、つみたてNISAでどの商品を買うかよりもどの金融機関で口座を開設するかの方が重要

 

その理由は口座を開設する金融機関によって選べる商品に大きな差があるから。

 

つみたてNISAの対象商品は、一定の条件を満たして金融庁に届け出された投資信託ETF(上場株式投資信託)に限定されています。 

 

具体的な対象商品は、インデックス型の投資信託が192本アクティブ型の投資信託が27本ETF(上場株式投資信託)が8本の計227本(2023年4月時点)。

つみたてNISA対象商品届出一覧(対象資産別)

 

しかし、どの金融機関でも上記227本の商品の全てに投資できるわけではありません

 

下記事例の通り、口座を開設する金融機関によって取扱本数が異なります。

  • SBI証券:193本
  • 楽天証券:190本
  • ゆうちょ銀行:12本
  • 三菱UFJ銀行:12本

 

ゆうちょ銀行とSBI証券では、取扱本数に181本もの差があります。

 

よく分からないから近所の金融機関で口座を開設するという考え方は賢明ではありません。

www.fpinv7.com

 

ランキングを参考にする

金融庁が日本に存在する約6000本の投資信託から227本を厳選してくれているとはいえ、227本から選ぶのも大変と思う方も多いでしょう。

 

そのような方は、つみたてNISAで売れている銘柄(投資信託)ランキングを参考にするといいでしょう。

 

つみたてNISAの銘柄ランキングは、金融庁が厳選している商品の中でのランキングなので、参考にすることができます。

 

例えば、下記ランキングの10銘柄であれば、どれを選んでも問題ありませんが、どれを選べがいいか判断できない場合は上位の下記2銘柄を少額ずつ積み立ててみてはいかがでしょうか。

(出典:日経新聞)

 

  1. eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
  2. eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

 

www.fpinv7.com

 

なお、上記の2銘柄は三菱UFJ銀行やゆうちょ銀行では購入できません

 

 

投資信託は100円から投資可能

普段の生活費を考えると、投資に回す余裕は無いと考えている方は少なくないでしょう。

 

実は、100円から投資信託を買える証券会社もあります。

 

100円では自動販売機で缶ジュース1本も買えない時代ですが、投資信託は100円からでも始められます

 

よって、投資信託であれば、ある程度の資金が貯まってから投資を始めようと考える必要はありません。

 

極端に言うと、投資を始めようと思った瞬間から始められる時代になりました。

 

更に、投資信託は下図の通り、投資家から集めたお金を複数の企業などに分散投資する仕組みの金融商品なので、100円でも分散投資ができる仕組みです。

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100円か投資信託を購入できる証券会社

では、100円から投資信託を買える証券会社は、どの程度あるのでしょうか?

 

100円から投資信託を買える証券会社をいくつかご紹介します。

 

ネット証券と呼ばれる証券会社の多くが、100円から投資信託を購入できます。

・楽天証券
・SBI証券
・マネックス証券
・松井証券

 

また、野村証券やSMBC日興証券などの大手証券会社でも毎月などの積立購入であれば、1,000円から投資信託の購入が可能です。

 

100円や1,000円から投資可能であれば、投資資金がないという言い訳はできないでしょう。

 

 

口座開設の手続きはスマホで完結

証券口座開設の手続きで躓く方は少なくありません。

 

しかし、ネット証券の口座開設はスマホで完結します。

 

以前は申込書類を請求して、書類到着後に必要事項を記入したり、必要書類をコピーして返送する必要がありました。

 

現在では、スマホで必要事項を入力してマイナンバーカードなどの必要書類を写真で撮ってアップロードするだけ。

 

私が投資を始めた約20年前と比べると、口座開設の手続きは格段に簡単になっています。

 

 

まとめ

投資初心者の方は、投資に対して「まとまった資金が必要」や「手続きが面倒」などの思い込みもあるようです。

 

しかし、つみたてNISAは100円から投資が可能で、口座開設手続きも以前に比べると非常に楽になっています。

 

また、銘柄選択についても「つみたてNISA」に関しては、ランキングを参考にする事が可能。

 

まずは、少額から一歩を踏み出すことをおすすめします。