これから資産運用を始めようとしている方は右も左も分からず、何から学べばいいのかと考えるでしょう。
金融機関の窓口であれば、無料でプロに相談できて便利と思う方も多いはず。
しかし、そこに大きな落とし穴があります。
今回は、「お金のプロを信じてはいけない」という内容の中田さんの動画『【お金の授業】学校では教えてくれない「資産運用の鉄則」〜素人が必ずハマる罠編〜前編』をご紹介します。
なぜ、お金のプロを信じてはいけないのか?では、誰に相談すればいいのか?などについて解説したいと思います。
1.動画で学べる資産運用の鉄則|素人が必ずハマる罠とは?
中田さんの動画『【お金の授業】学校では教えてくれない「資産運用の鉄則」〜素人が必ずハマる罠編〜前編』は、全体としてよくまとまっていて、これから投資を始めようとしている方には非常にいい動画だと思います。
中田さんは人に伝えることを仕事にしている方なので、資産運用について非常に分かりやすく解説してくれています。
話す内容が同じでも、話す人が違えば伝わり方も変わります。
動画の中でお金儲け(投機など)と資産運用をごちゃ混ぜにしている方が多いという指摘がありますが、私も本当にそう思います。
投機と投資を混同してしまうと、リスクを取り過ぎてしまい、大きな損失を被る可能性大。
これから資産運用を始めようと考えている方には、非常に学びの多い動画になっています。
2.お金のプロを信じてはいけない?
動画の中で中田さんは、信じてはいけない「お金のプロ」として、下記の人たちを挙げています。
- 証券マン
- 銀行員
- 生命保険販売員
- FP(ファイナンシャル・プランナー)
- 不動産業者
なぜ、彼らを信じてはいけないのか?それは、彼らが手数料ハンターだからだというのが理由です。
では、なぜ、上記の人たちは手数料ハンターとなってしまうのでしょうか?
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3.なぜ、お金のプロを信じてはいけないのか?
そもそも、お金のプロが手数料を得ること自体は悪いことではありません。
どんな仕事もボランティアではないので、人件費などの経費がかかり、さらに企業としては適正な利潤を稼ぐことは悪いことではありません。
しかし、中田さんが上記お金のプロを「手数料ハンター」として非難している理由は、顧客の利益と販売者側の利益が一致しない場合があるから。
販売者側の利益が顧客の不利益につながる利益相反が発生し得る状況にあることが問題。
中田さんは顧客の利益を無視し、販売者側の利益を追求するお金のプロを「手数料ハンター」だと呼んでいるわけです。
例えば、証券マンが顧客に投資商品を売り、顧客が利益を上げ、その利益の一部を成功報酬として受け取るのであれば、顧客の利益と販売者側の利益が同じ方向を向いている。
しかし、実際には証券マンが投資商品を売る場合、販売することによって手数料が得られるので、顧客の利益が置き去りになる可能性があります。
最悪の場合には、より多くの手数料が得られる投資商品を売ることが証券マンの目的となり、顧客が利益を得るか損失を被るかは考慮しないというケースが発生し得ます。
投資商品を売れば手数料が入るため、顧客の利益と販売者側の利益が一致しない状況を生み出す原因となります。
動画の中では、買ってはいけない投資商品としてテーマ型の投資信託が出てきますが、この商品は顧客が損をして販売者側が利益を得るという構図を生み出しやすくなる。
テーマ型の投資信託は「AI」や「5G」などのテーマに即した銘柄を組み入れた商品ですが、テーマには旬(トレンド)があるので、テーマの旬を過ぎれば基準価格が下がる可能性が大きくなります。
証券マンが自分の利益だけを得ようと思えば、まず、あるテーマ型の投資信託をすすめ、販売手数料などを稼ぐ。
そのテーマ型の旬が過ぎれば、売却させて、次のテーマ型の投資信託をすすめる。ここで、また販売手数料が稼げるわけです。
回転売買といって、顧客に短期間で購入と解約を繰り返させた方が証券マンとしては儲かるわけです。
回転売買によって、顧客が利益を出すか損失を被るかは関係ありません。
また、銀行の窓口などで外貨建ての生命保険や年金に加入した方の苦情が増えていますが、ここにも同じ問題が存在します。
銀行は外貨建て生命保険・年金を販売すれば、手数料が入ってくるので、契約者の利益になるかどうかは関係ないとうい状況を生み出します。
外貨建て生命保険・年金に加入してもらうことが目的となれば、為替リスクの説明などが中途半端になったり、リスクをよく理解できない高齢者に販売し、後でクレームになるという問題が発生。
「お金のプロ」に相談する際には、上記のような関係が顧客と販売者側には発生しやすいということを理解しておく必要があります。
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4.誰に相談すればいいのか?
確かに証券マンや生命保険の営業マンなどの中には、顧客の利益を無視した「手数料ハンター」がいるのも間違いありません。
しかし、完全に「お金のプロ」を排除することができない現状もあります。
例えば、生命保険は、まだまだネットで加入できる商品は限られていて、生命保険の営業担当者からしか加入できない商品が多くあります。
大切なことは、お金のプロを信用し過ぎないこと、また、顧客と「お金のプロ」の間には利益相反関係が生じる可能性があることを認識すること。
そして、販売者側に都合のいい宣伝文句を信じないことも重要。
例えば、来店型の保険ショップのCMなどで「複数の保険会社を取り扱っているので、中立の立場です」と謳っていますが、中立の立場になるはずがありません。
販売者側と顧客側の利益が一致しないケースがある以上、完全な中立などあり得ません。
お金のプロを利用する
一般の方が得る情報と現場で働いている人間との情報格差は、現在のようにネットが発達した時代でも必ずありますので、「お金のプロ」を完全に排除するのではなく、利用するという考え方を持ってもらえればと思います。
「お金のプロ」を利用するには、やはり、お金について学ぶ必要があります。本や動画などから、お金の知識を得て、金融リテラシーを上げる必要があります。
自分のお金のことなので、学んで損はありません。
ある程度の知識(金融リテラシー)があれば、「お金のプロ」が自分の利益を優先しているか、顧客の利益を優先しているかを見抜きやすくなります。
なお、どうしても上記のような「お金のプロ」に相談したくない場合には、独立系のFP(ファイナンシャル・プランナー)に相談料を払って相談するという方法もあります。
今回の動画の中で、FPが手数料ハンターとして紹介されていますが、FPの中には金融商品を販売しない独立系FPも存在します。
独立系のFPは金融商品を売らず、相談者から受け取る相談料などを収入源としています。
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まとめ
動画でも触れられていますが、資産運用をするうえで、最もやってはいけないことは、「お金のプロ」を信じ過ぎることや「お金のプロ」に自分のお金を丸投げすること。
最悪の場合、完全にカモにされる可能性があります。
しかし、お金のプロが持っている情報の中にも非常に有益なものがあるので、完全に排除することは逆に不利益になるケースもあるでしょう。
動画などを観ることにより、お金について学んで金融リテラシーを上げ、「お金のプロ」を上手に利用して頂ければと思います。