阪神淡路大震災が発生してから今日(2022年1月17日)で丸27年となります。
防災に関して色々と見直す機会になると思いますが、地震保険についても再確認するチャンス。
火災保険に入っていれば地震保険は不要とお考えの方も多いと思いますが、この機会に地震保険の補償内容や必要性について再度確認して頂ければと思います。
今回は地震保険の下記ポイントについて解説します。
- 地震保険の補償内容とは?
- 地震保険と火災保険の違いは?
- 地震保険では実際の損害額が補償されない?
- 地震保険の必要性
- 地震保険料を安くする方法
- 1.阪神・淡路大震災から27年
- 2.地震保険とは?火災保険との違いは?
- 3.地震保険の補償額(保険金額)は上限が決まっている
- 4.地震保険は実際の損害額が補償されるわけではない!?
- 5.地震保険は必要なのか?
- 6.地震保険の保険料は高い?長期契約で割引あり
- まとめ
1.阪神・淡路大震災から27年
阪神淡路大震災は、1995年(平成7年)1月17日午前5時46分に発生しました。
阪神大震災についてウィキペディアでは、下記のように記されています。
近畿圏の広域(兵庫県を中心に、大阪府、京都府も)が大きな被害を受けた。
特に震源に近い神戸市市街地(東灘区、灘区、中央区(三宮・元町・ポートアイランドなど)、兵庫区、長田区、須磨区)の被害は甚大で、当時東洋最大の港であった近代都市での災害として、日本国内のみならず世界中に衝撃を与えた。
犠牲者は6,434人に達し、第二次世界大戦後に発生した地震災害としては、東日本大震災に次ぐ被害規模である。
戦後に発生した自然災害全体でも、東日本大震災が発生するまでは最悪のものであった。 1995年7月25日、激甚災害法(激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律)に基づく激甚災害に指定。
(出典:ウィキペディア(Wikipedia))
地震発生当時、私は大阪に住んでいたのですが、それまで経験したことがない大きな揺れを感じたことを今でも覚えています。
また、地震発生直後にテレビで阪神高速道路が倒壊した映像などを観て、大きなショックを受けた記憶があります。
早いもので、あれから27年もの歳月が流れました。
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2.地震保険とは?火災保険との違いは?
さて、防災意識が高まるこの機会に地震保険についても確認して頂ければと思います。
地震保険とは、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする建物や家財の損害を補償する保険です。
勘違いされている方が多いのですが、地震等によって発生した火災、地震等によって延焼・拡大した火災によって生じた損害については、火災保険では補償されません。
ただし、地震火災費用保険金が付帯されている場合は損害額の一部が補償される場合があります。
阪神淡路大震災でも多くの家屋が地震発生後の火災で燃えてしまいました。
あの火災で自宅が燃えてしまった場合、地震保険に加入していなければ、原則、補償されません。
地震保険単独では契約できない
地震保険は火災保険に加入していないと契約することはできません。地震保険単独での契約はできません。
火災保険と地震保険はセット(原則自動付帯)で加入することになります。
尚、地震保険は一度災害が起きると被害が甚大になるため、政府が関与した保険になっています。
「地震保険に関する法律」に基づいて、政府と民間の保険会社が共同で運営している制度。
この点が民間の損害保険会社が販売している火災保険とは、大きく異なるポイントです。
3.地震保険の補償額(保険金額)は上限が決まっている
地震保険は火災保険と違い、設定できる保険金額の上限が決まっています。
地震保険の保険金額(補償額)は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲で、かつ建物5,000万円、家財1,000万円が限度となっています。
例えば、下記のような火災保険に加入した場合、
【火災保険】
建物保険金額:3,000万円
家財保険金額:1,000万円
地震保険で設定できる補償額(保険金額)は下記の通りになります。
【地震保険】
建物保険金額:900万円~1,500万円
家財保険金額:300万円~500万円
地震保険は損害を受けた建物や家財を再取得することを目的とした制度ではなく、被災後の当面の住居費や生活費を確保することを目的とする制度。
よって、地震保険で設定できる保険金額(補償額)は、火災保険保険金額(補償額)の30%~50%の範囲内となっています。
4.地震保険は実際の損害額が補償されるわけではない!?
実は、地震保険は実際の損害額が補償されるわけではありません。
火災保険では実損払いの商品が主流となっていますので、火事で100万円の損害が出れば、100万円の保険金が受け取れます(臨時費用など除く)。
しかし、地震保険は実際の損害額が支払われるのではなく、損害の程度に応じた定額での保険金支払いとなります。
例えば、保険の対象が建物の場合、「地震保険損害認定基準」に従い、主要構造部(基礎・柱・壁・屋根等)の損害の程度に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の認定を行う。
認定された「全損」「大半損」「小半損」「一部損」について、それぞれ地震保険金額の100%(時価額が限度)、60%(時価額の60%が限度)、30%(時価額の30%が限度)、5%(時価額の5%が限度)を定額で支払います。
「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の損害区分と受け取れる保険金額の詳細は下表の通りです。
(出典:損害保険料率算出機構)
なぜ、火災保険のように実際の損害額が支払われないのかと疑問を感じる方も多いと思います。
その理由は、地震による損害は広範囲に及ぶので可能な限り早く、そして公正に保険金が支払えるようにするため。
火災保険のように1件ずつ実際の損害額を認定していては、保険金の支払いまでに莫大な時間が必要となってしまいます。
よって、可能な限り早く保険金を支払うために、地震保険では損害認定区分を4つにしています。
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5.地震保険は必要なのか?
地震保険は上記の通り設定できる補償額(保険金額)や補償内容に制約があり、加入する意味があるのかと思われる方もいらっしゃるでしょう。
地震保険に加入する必要性はあるのでしょうか?
地震で自宅建物や家財に損害が発生しても十分な貯蓄があり、その貯蓄で生活が再建できるのであれば必要性は低いかもしれません。
しかし、家を新築したばかりでローンがたっぷり残っている方や、貯蓄が少ない方は地震保険に加入することをおすすめします。
下記、日本損害保険協会のパンフレットにあるように地震保険に加入していれば、住宅ローンの負担を軽減することが可能。
また、地震保険の保険金を受け取ることにより、被災後の当面の生活目途が立ちます。
・地震保険の話(住宅ローン編)
・地震保険の話(マンション編)
・地震保険の話(家財編)
6.地震保険の保険料は高い?長期契約で割引あり
地震保険の保険料は高いというイメージを持っている方もいらっしゃると思います。
地震保険は火災保険と同様に長期契約が可能で、長期契約することにより保険料が安くなります。
具体的には、保険期間を2年~5年の長期で契約して保険料を一括払いすると、保険期間に応じて保険料に割引が適用されます。
長期契約の保険料は、下表の長期係数を保険期間1年の保険料に乗じたものとなります。
【地震保険の長期係数】
保険期間 | 係数 |
---|---|
2年 | 1.90 |
3年 | 2.85 |
4年 | 3.75 |
5年 | 4.65 |
まとめ
地震保険は火災保険の地震を補償するバージョンだと勘違いされている方がいますが、仕組み自体が違いますので補償内容の違いについては注意が必要。
地震は一度発生すると広範囲に大きな損害が出ますので、補償内容などが火災保険とは異なります。
阪神淡路大震災から27年が経つこの機会に地震保険について改めて知り、地震保険の必要性を再認識して頂ければと思います。