
2024年に刷新されたNISA制度は2026年から3年目に突入。
NISAはやっているが、内容を確認せずにそのまま「ほったらかし」になっている方も少なくないでしょう。
NISAは「ほったらかし」にしやすい制度ですが、最低でも1年に一度はチェックすべき。
2025年も残り1ヶ月強。
年末は翌年に向けて運用状況を確認するにはベストの時期。
今回の記事では、新NISA3年目に向けて確認すべきポイントを解説します。
なんとなくNISAを利用しているという方は参考にしてください。
積立設定(つみたて投資枠・成長投資枠)の確認
新NISAには「つみたて投資枠(年間120万円)」と「成長投資枠(年間240万円)」があり、合計で年間360万円の非課税枠があります。
年間投資枠は年間の利用額に関係なく、1年に1回更新されます。
余った年間投資枠を翌年以降に持ち越せない点に注意が必要。
非課税枠は、2025年の利用額に関係なく2026年にリセットされます。
つみたて投資枠
つみたて投資枠は原則、月10万円まで投資信託やETFの積立購入が可能。
2026年に向けて、まずは現在の積立額をそのまま続けて良いかを確認しましょう。
- 資金的に余裕がある ⇒ 積立額を増やす
- 資金的に厳しい ⇒ 積立額を減らす
最重要ポイントは 「絶対に無理をしない」 こと。
ムリに積立額を上げすぎて継続できなくなるのが一番の失敗パターンです。
なお、クレジットカードを使って積立投資をしている方も少なくないでしょう。
クレカ積立の締め切りは毎月10日前後と早いので注意が必要。
2026年1月から積立額を変更するのであれば、12月10日ごろまでに手続きする必要がります。
成長投資枠
成長投資枠では投資信託だけでなく個別株も購入でき、つみたて投資枠よりも幅広い商品に投資可能。
また、積立だけでなく一括購入も可能。
つみたて投資枠を満額積み立てても余裕のある方は、成長投資枠について次ぎのような活用を検討するといいでしょう。
- つみたて投資枠と同じ投資信託を積立購入する
- 投資信託を年初一括で購入する
年初一括投資と積立投資の比較については下記記事をご参照ください。
なお、毎月の投資額としては3万円程度が限界という方も多いでしょう。
そのような場合は「つみたて投資枠」のみを使用し、「成長投資枠」を使う必要はありません。
先述の通りムリは禁物。
資産運用は“心地よく継続すること”が成功の鍵です。
購入するファンド(投資信託)の確認
新NISAでは、全世界株式やS&P500などのインデックスファンドを積み立てている方が多いでしょう。
多くの個人投資家にとって、2026年以降も低コストなインデックスファンド(全世界株式やS&P500など)を積み立て続けるのが最適な戦略です。
一方で、投資に少し慣れてくると 「いま話題のファンドも買ってみたい…」 という気持ちになる方もいます。
資産分散の意味で話題のファンドを購入するのは問題ありません。
しかし、注意したいのが流行に飛びつかないこと。
最近では金価格の上昇に伴い、金(ゴールド)を組み込んだファンドが話題になています。
また、 少し前にはインド株ファンドが人気になったりしましたが、「人気化=買い時」とは限りません。
流行に乗って買うと、高値掴みになりその後低迷…というケースもよくある話。
低コストで長期的な成長が期待できる定番のインデックスファンドを淡々と積み立て続ける。
これが最も失敗しにくい最適解と言えます。
リスク許容度の確認
資産運用に慣れてくると注意が必要なのが、 ついついリスクを取りすぎてしまうこと。
全世界株式やS&P500が好調だと、「現金で持っているのがもったいない…」と感じてリスク資産の割合を増やしたくなります。
しかし、大切なのは 「大きな下落が来た時に自分は耐えられるか?」 を冷静に考えること。
資産運用で最も避けるべきことは、市場が大きく下がった時にパニックになって売ってしまうこと。
これは「高値で買って安値で売る」という投資の典型的な失敗パターン 。
もし、今持っている資産の評価額が半分に減ってしまったとしても、冷静に保有を続けられるか?
こう考えた際に「不安で夜も眠れず、売却を考えてしまうかも」と考えるようであれば、それはリスクを取りすぎている可能性あり。
下図の通り、新NISAがスタートした2024年以降、オルカン(全世界株式)は短期間の急落と急回復を経験しましたが、 次も同じように短い期間で回復するとは限りません。

(出典:三菱UFJアセットマネジメント株式会社)
今後、大きく下がって長期間低迷するケースも十分あり得ます。
そのとき、慌てず保有を続けられる資産割合になっているかが重要。
無理は禁物。
リスクを取りすぎて相場低迷時にパニック売りをするようであれば、資産は増えません。
リスクを取り過ぎていないかを確認するには、『リスク資産(株式など)の保有比率 = 100 − 年齢(%)』などを参考にするといいでしょう。
例えば、40歳であれば、資産全体の60%程度を株式(投資信託など)に、残りを預貯金などの安全な資産にする。
資産運用を心地よく継続できる資産配分を維持することが肝要です。
まとめ

新NISA3年目に向けて確認すべきポイントは下記の通り。
- 積立設定の確認
- 購入ファンドの確認
- リスク許容度の確認
新NISAの成功は一時的な利益を求めるのではなく、長期にわたってムリなく継続することにかかっています。
上記3つのポイントを1年に1回は見直し、心地よく資産運用を続けていきましょう。
ちなみに私は「つみたて投資枠」はクレカ積立。
「成長投資枠」は年初一括投資を計画しています。