現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

【公的年金シミュレーター】年金見込額を簡単に試算する方法とは?


老後資金を準備する際に公的年金の見込額を知ることは非常に重要なポイントです。

 

実際、公的年金の見込額を知りたいという方は多いと思います。

 

年金の見込額を知る方法として「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などがありますが、見方や使い方がよく分からないという方も少なくないでしょう。

 

そのような方におすすめのサービスが「公的年金シミュレーター」。

www.mhlw.go.jp

 

厚生労働省が作成したツールで現在は試験運用中ですが、年金見込額の概算を知りたい方にはぴったりです。

 

そこで今回は、下記ポイントについて解説します。

  • 公的年金シミュレーターの特徴とは?
  • シミュレーターの機能や使い方
  • ねんきん定期便、ねんきんネットとの違いとは?

 

 

公的年金シミュレーターの特徴とは?

公的年金シミュレーター」は、働き方・暮らし方の変化を反映させた将来受け取れる年金額を簡単にシミュレーションできます。

 

厚生労働省が作成したツールでパソコンだけでなく、スマートフォンでも利用可能。

 

現在は試験運用中ですが、今後は利用者の要望により使い勝手が良くなっていく可能性があります。

 

公的年金シミュレーターの特徴は下記の通り。

■ 簡単でスムーズな操作性

  ID・パスワードは不要です。すぐに試算を始めることができます。

 「ねんきん定期便」の二次元コードを利用すれば、よりスムーズに入力が可能です。

■ グラフを表示しながら試算できる

  スライドバーを動かすと年金額の変化が一目で分かります。

■ データ管理も安心・安全

  個人情報は記録、保存されません。
(出典:厚生労働省

 

ID・パスワードが不要で、「ねんきん定期便」に印字されているQRコード(令和4年4月発行分以降)を読み取れば、現時点までの年金記録を使って試算ができます。

 

また、スライドバーを動かすことにより、「今後の年収」「就労完了年齢」「受給開始年齢」を変更でき、視覚的にシミュレーションすることが可能。

 

「ねんきん定期便」の見方がよく分からない、「ねんきんネット」の使い方がよく分からないという方にはいいツールでしょう。

 

 

シミュレーターの機能

シミュレーターの機能は下記の通りです。

 

年金見込額の試算

上記の通り、スライドバーを動かすことにより受給開始年齢等を変更でき、視覚的にシミュレーションすることができます。

 

「ねんきん定期便」があれば、簡単に現時点までの年金記録のデータを読み込め、「今後の年収」「就労完了年齢」「受給開始年齢」を色々と変えてシミュレーションできます。

 

特に、ねんきん定期便では受け取れる予定の年金額が分からない40代以下の方には、簡単に年金額をシミュレーションできていいでしょう。

 

年金受給開始時の税等の支払額

現在は試験運用中で利用できませんが、年金受給時に支払う税金等(所得税・住民税・介護保険料・国民健康保険料)の概算を確認することもできるようになるそうです。

 

繰り下げて年金の受取額を増やしたケースでの税金や介護保険料などを知ることができ、額面の年金額だけでなく手取額がどの程度減るのかを確認できるようになります。

 

 

シミュレーターの使い方

公的年金シミュレーターの使い方の手順は下記の通り。

 

  • 「ねんきん定期便」のQRコードを読み取る
  • 生年月日を入力する
  • 今後の年収や就労完了年齢などを変更して年金見込額を試算

 

「ねんきん定期便」のQRコードを読み取らずにデータ(働き方・暮らし方)を入力することもできますが、これまでの年金記録を正確に入力するのは現実的ではないでしょう。

 

令和4年4月発行分以降の「ねんきん定期便」をこれから受け取る方は、下記PDFのデモ用QRコードを利用してシミュレーターを使ってみてください。

デモ用二次元コード

 

年金を受け取る年齢をスライドさせて繰り上げ・繰り下げ時の受給額を簡単に試算できるので、何歳から年金を受け取るかを検討する際に重宝します。

 

また、現在は試験運用中で利用できませんが、年金受給時に支払う税金等(所得税・住民税・介護保険料・国民健康保険料)の概算を確認することもできます。

 

繰り下げて額面上の年金額が増えても税金や介護保険料などを考慮すると、手取り額がどの程度減るのかを確認できるようになります。

 

 

ねんきんネットとの違い

ねんきんネットはシミュレーターよりも詳細な試算が可能ですが、ユーザIDとパスワードが必要(マイナンバーカードがあれば、マイナポータルから入ることで不要)であり、使い方もシミュレターに比べて少し複雑です。

 

その点、シミュレーターはIDやパスワードが不要。

 

また、簡単にこれまでの年金記録を読み込むことができ、視覚的にシミュレーションが可能。

 

更に、シミュレーターを使った後にデータが残らないという違いもあります。

 

ただし、試算したデータはCSVファイルで出力することができます。

 

なお、公的年金シミュレーターの目的は、年金額を簡易に試算すること。

 

よって、より詳細な公的年金見込額の情報を知りたければ、ねんきんネットの利用がおすすめです。

www.fpinv7.com

www.fpinv7.com

 

 

まとめ

老後資金を準備する際に公的年金の見込額を知ることは非常に重要なポイントです。

 

面倒な操作が不要で簡単に年金見込額を知りたい方には「公的年金シミュレーター」がおすすめ。

 

ID・パスワードが不要で、「ねんきん定期便」に印字されているQRコード(令和4年4月発行分以降)を読み取れば、これまでの年金記録を使って試算ができます。

 

なお、公的年金シミュレーターの目的は年金額を簡易に試算することなので、実際の年金額とは必ずしも一致しません。

 

より正確な年金見込額の確認を考えている場合には、日本年金機構の「ねんきんネット」の活用をおすすめします。