給料は上がらない中で税金や社会保険料が上がり、実質の手取額が下がっている状態での物価高が襲っているジリ貧状態の日本。
本来であれば、国民が豊かになるように政府が国の経済状態を良くする必要があるのですが、日本の政治家には期待薄。
政治を変えられるのは投票権を持っている国民なので諦めてはいけないのですが、自己防衛もしておくべき。
日本のジリ貧状態が続くという前提で、生き抜く力を持つという考え方も重要でしょう。
そこで今回は、以下の本を参考にこれからの日本がたどる将来像と、自分の人生をコントールするために行うべき対策を考えてみました。
『50代からの「稼ぐ力」会社にも年金にも頼らず生きる方法 大前研一』
本書の表紙の裏に書かれている「自分の人生は自分自身で操縦桿を握ってコントロールすべきである」という言葉を実践したい方は参考にしてください。
公的年金はいつから受け取れる|受給開始年齢は75歳からに!?
本書の中で「政府は公的年金の受給開始年齢を「75歳」に引き上げようとしている」と大前さんは指摘しています。
以前の公的年金の支給開始年齢は65歳で70歳まで繰り下げが可能でしたが、2022年4月からは老齢年金を75歳まで繰り下げられるようになりました。
繰り下げは任意ですが、公的年金の支給開始年齢自体を75歳に後ろ倒しする布石だと本書の中では書かれています。
iDeCo(イデコ)も75歳からの受取が可能に
公的年金の上乗せの私的年金制度である個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)も2022年4月に75歳からの受け取りが可能となりました。
公的年金は75歳まで繰り下げることにより年金額が84%増え、iDeCo(イデコ)も75歳まで非課税で運用できると喜んでばかりはいられません。
上記の制度変更は、これから年金を受け取る世代は75歳までは働いて、公的年金だけでは足りないから自助努力で何とかしろという国からのメッセージだと受け止めておいた方がいいでしょう。
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退職金は受け取れる?
退職金をあてにした老後プランを組み立ててはいけないとも大前さんは書いています。
退職金の額が減っていますし、退職金制度自体を廃止する企業も出始めているとういうのが理由。
日本の終身雇用という慣習はなくなるかもしれません。
日本を代表する企業であるトヨタ自動車の豊田章男社長でさえ、「終身雇用は難しい」と発言しています。
終身雇用で定年まで勤め上げて、まとまった額の退職金を受け取るという時代は終わりを迎えつつあると認識すべきです。
この変化の早い時代に勤めている企業が定年まで存続すると考えること自体が、間違っているのかもしれません。
大前さんも会社に就職してしまえば定年まで安泰という時代は終わっていると指摘しています。
時代によって正解の形は変化する
私の父親は70代前半ですが、父が現役で仕事をしていた時代の正解は下記のようなものでした。
- いい大学に入る
- いい企業に就職
- 終身雇用
- 引退時に退職金を受け取る
- 引退後に公的年金を受け取る
私の父は、退職金と公的年金があれば、一般的には安泰な老後が送れるという年代です。
しかし、今の40代以下の世代には、親世代の正解が不正解になるかもしれません。
終身雇用が崩壊し、退職金に期待できない。
また、公的年金は支給開始年齢が引き上げられ、かつ支給額は下がっていくという時代に突入しています。
公的年金は払うだけ損という極端な発想は持つべきではありませんが、老後は年金があるという過度の期待も危険。
常に時代の流れの変化を感じ、どう生きるべきかを考えないと下流老人となり、老後破綻に追い込まれる可能性があります。
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自分を磨き続け、自ら「稼ぐ力」を付ける
本の中では、会社に在籍している間にスキルを磨くべきだと書かれています。
サラリーマンは給料をもらいながら、自ら「稼ぐ力」を磨くことができます。
今の立場に安住せず、常に上を目指して自分を磨き続けるべきでしょう。
仕事をする上で大切なことが、自分が社長だったらというような他人の立場に立って発想するトレーニング「RTOCS(Real Time Online Case Study)」だと大前さんは指摘しています。
やらされているという気持ちでは成長はないでしょう。主体的に仕事に取り組むことが成長につながることは間違いありません。
副業もやるべき?
副業もやるべきでしょう。
それは収入面もさることながら、自分を磨くためです。
今の収入は自分の力なのか、会社の力なのか・・・。
副業を経験することにより、自分の実力のなさを痛感させられる方も多いのではないでしょうか?
私自身もブログで副収入をと意気込んでいましたが、認識の甘さを痛感しています。
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資産運用(お金に働いてもらう)
大前さんは本の中で資産運用に対して否定的ですが、個人的にはお金に働いてもらう発想も持つべきだと思います。
年齢が上がってから資産運用を始めて大きな失敗をすると、取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。
しかし、若い時にコツコツ小さい額から運用を始めれば、失敗も小さく済み、大きな痛手を負う可能性が下がるでしょう。
例えば、40歳から65歳までの25年間に月5万円ずつ年利3%積み立てれば、約2,200万円のタネ銭を作ることができます。
2,200万円を3%で運用すれば年間66万円の収入。
大前さんが自分の力で稼ぐ目標として提示している「月15万円」の3分の1を運用で稼ぎ出すことができます。
複数の収入源を持つことの大切さ
これからの時代、一番危険なのは勤めている会社からの給与収入一本という状態ではないでしょうか。
新型コロナウイルスの感染拡大や地球温暖化による自然災害の増加を目の当たりにすると、これからの時代は不可抗力で収入源である会社が突然消えてしまう可能性が高まっていることを痛感します。
不幸に見舞われたときに1つの収入源しかなければ、一気に人生が詰んでしまう可能性があります。
副業や資産運用などで複数の収入源を持つことができれば人生が安定し、精神的にも安心できます。
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まとめ
自己責任論が強く叫ばれる現状には疑問を感じますが、自己防衛はしておくべきでしょう。
大切なことは現実を直視して時代の変化を感じ取り、どう生きていくべきなののかを常に考え続けることだと思います。
政府の失政により約30年間も低成長に苦しんでいる日本では、下記のような未来へ突き進んでいく可能性があります。
- 終身雇用の廃止
- 退職金制度の縮小または廃止
- 公的年金の支給開始年齢の引き上げ、年金額の引き下げ
上記のような時代が到来しても自分の人生をコントロールすべく、「稼ぐ力」を鍛えるべきでしょう。
大前さんはできれば40代までに準備すべきだと言っていますが、50代からでも「稼ぐ力」を学ぶのは遅くないと言っています。