老後2000万円問題をきっかけに老後資金が不安という方が増えている一方で、自分がどの程度の公的年金(老齢年金)を受け取れるかを全く把握していない方が多いのが現状。
老後資金の不安を解消するうえで、自分が受け取れる公的年金の見込額を把握することは重要です。
現状を把握しないと、対策は打てません。
公的年金の見込額を知る方法として、ねんきん定期便とねんきんネットがあります。
将来、受け取れる公的年金の目安は、毎年送られてくるねんきん定期便で把握できますが、ねんきんネットに登録すれば、ねんきん定期便よりも詳細な情報が得られます。
そこで今回は、ねんきんネット登録に関する下記ポイントを解説します。
- ねんきんネットとは?
- 登録するデメリットはない?
- ねんきんネットで出来ることとは?
- ねんきんネットの登録・手順
ねんきんネットとは?
「ねんきんネット」とは、インターネットを通じて自身の年金の情報を手軽に確認できる日本年金機構のサービス。
24時間いつでもどこでも、パソコンやスマートフォンから自身の年金情報を確認することができます。
ねんきんネットの登録により出来ることとは?
ねんきんネットに登録してできる主な事項は、下記の通り。
- 年金記録の確認
- 将来の年金見込額の試算
- 電子版「ねんきん定期便」の閲覧
- 日本年金機構から郵送された各種通知書の確認
ねんきん定期便でも分かる情報が含まれていますが、ねんきんネットに登録した方が、より詳細な情報をいつでもスマホやパソコン確認する事が可能です。
「ねんきんネット」については、以下のような動画も用意されているので、興味がある方はご覧ください。
ねんきんネットには登録すべき?メリットとデメリットを解説
ねんきんネットには登録すべきなのでしょうか?
結論から申し上げると、登録すべきです。老後資金に不安がある方は特に利用をおすすめします。
ねんきんネットに登録するメリットとデメリットは下記の通り。
メリット
ねんきんネットに登録する大きなメリットは、将来受け取れる公的年金の試算を詳細にシミュレーションできること。
特に50代未満の方は、シミュレーションを活用すべきです。
その理由は、40代以下の方に送られてくるねんきん定期便では、将来受け取れる予定の年金額が分からないから。
40代以下の方に送られてくるねんきん定期便では、現状までに支払った保険料で受け取れる年金額しかわかりません。
デメリット
ねんきんネット登録に関して特筆すべきデメリットはありません。
また、登録に費用は不要で無料で利用できます。
ねんきんネットは無料で利用でき、調べたい時にいつでも自分の公的年金情報にアクセスできるので、登録して損はありません。
ねんきんネットの登録方法・手順
ねんきんネットを利用するには、ユーザIDの取得が必要となりますが、その際に必ず必要となるのが、基礎年金番号とメールアドレスです。
基礎年金番号が必要なので、年金手帳などの準備が必要。
基礎年金番号が分からない方は、日本年金機構の下記ページを参考にしてください。
基礎年金番号を確認する方法(日本年金機構)
また、あった方がいいのがねんきん定期便。
ねんきん定期便内に記載のあるアクセスキーがあれば、非常にスムーズに登録が可能。
ただし、アクセスキーの有効期限は、「ねんきん定期便」の到着後3ヶ月なので、注意が必要。
ねんきん定期便内に記載のあるアクセスキーが分かる場合と分からない場合の登録方法は、下記の通りです。
アクセスキーありの場合の登録方法
アクセスキーが有れば、即時にユーザIDを取得でき、ねんきんネットの機能をすぐに使う事ができます。
なお、アクセスキーがある場合の登録方法の詳細については下記の日本年金機構HPをご参照ください。
アクセスキーなしの場合の登録方法
アクセスキーがない場合、ユーザーIDは即時に発行されず、申し込み後5営業日程度で日本年金機構からユーザIDを知らせるハガキが郵送されます。
なお、アクセスキーがない場合の登録方法の詳細については下記の日本年金機構HPをご参照ください。
また、マイナンバーカードを作成していれば、マイナポータルと連携することが可能です。
老後の柱である公的年金を知る事が重要
老後資金の不安を解消する第一歩は、自分の受け取れる公的年金について知る事。
しかし、老後資金について相談をされる方の多くが、ねんきん定期便を確認していない、または見ていても意味を理解していないという状態。
公的年金は老後の柱です。
いつから、いくら受け取れるのかくらいは押さえておくべき。
受け取れる年金額を知ると、ほとんどの方がその少なさに驚くと思います。
しかし、公的年金の少なさを実感すべきで、目をそらしてはいけません。
公的年金の現実を知ることにより、もっと老後資金を増やすためにできることはないか、例えばiDeCo(イデコ)などを考えるきっかけになります。
これまでの時代は知らぬが仏だったかもしれませんが、これからは知らぬが地獄の時代になることは間違いありません。
公的年金の見込額を知らずに年金生活に突入すると、老後破産の可能性もあります。
まとめ
ねんきんネットに登録してできる主な事項は下記の通り。
- 年金記録の確認
- 将来の年金見込額の試算
- 電子版「ねんきん定期便」の閲覧
- 日本年金機構から郵送された各種通知書の確認
ねんきんネットに登録するメリットは、いつでもどこでも自分の年金情報にアクセスできる事。
また、将来、受け取れる年金額を詳細にシミュレーションする事もできます。
なお、ねんきんネットに登録する特筆すべきデメリットはなく、無料で利用できるので、登録する事をおすすめします。
ねんきんネットに登録し、自分の公的年金について知る事が、老後の安心を手に入れる第一歩になる事は間違いありません。