現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」について語ります

【老後資金】資産運用は何歳から始めるべきか?


老後資金の準備のために資産運用は何歳から始めるべきなのか?」という質問をよく頂きます。

 

「若い時から始めた方がいいのか?」「50代から始めるのでは遅いか?」などの疑問を持っている方も多いでしょう。

 

そこで今回の記事では、資産運用は何歳で始めるのがベストなのかについて解説します。

 

40代・50代・60代から資産運用を始めた場合のシミュレーションをしましたので、老後資金の準備に不安がある方は参考にしてください。

 

なお、今回の積立投資と資産の取り崩しシミュレーションには、セゾン投信のサイトを利用しています。

simulation.saison-am.co.jp

 

 

20代・30代から投資を始めるべき?

色々な考え方があるので絶対の正解はありませんが、20代や30代は自分のスキルを上げるための自己投資にお金を使った方がいい、と私は考えています。

 

収入が少ない20代や30代で必死に節約して少額の資金を運用に回しても、得られる運用益はしれています。

 

20代や30代はセコセコ節約をして小銭を運用に回すのではなく、稼ぐ力を上げることに全力を上げる。

 

最終的に一番頼りになるのが人的資本(稼ぐ力)

 

今後は益々時代の流れが速くなりAIも台頭してくるので、稼ぐ力が最も重要な時代になっていくでしょう。

 

20代・30代が投資をするとしても勉強の意味を兼ねて月に数千円を積立投資に回す程度に抑えておくのが無難。

 

稼ぐ力を上げて40代くらいから増えた収入の一部を運用に回す方が効率的です。

 

 

40代から資産運用を始めるのがベター

私は資産運用を始めるのであれば、40代からがベターだと考えています。

 

数年前に話題となった老後2000万円問題では、モデルケースの夫婦で老後に毎月5.5万円が不足するという前提でした。

 

老後の65歳からの30年で約2000万円(5.5万円×12ヶ月×30年)が不足するという計算。

 

老後に不足する額は、それぞれの前提条件が異なるので一概にいくらと示すことは出来ません。

 

今回は便宜上、老後の生活費が月5.5万円不足するモデルケースを事例とします。

 

65歳までに約2000万円を準備しようと思えば、40代から資産運用を始めるのがベターでしょう。

 

例えば、下記のような条件で毎月3万円の積立投資を行うと65歳までに約1700万円の資産を準備できます。

 

【運用条件】
毎月の積立額:3万円
運用期間:25年
年利回り:5%

 

上記の1700万円を65歳から年利回り3%で運用しながら月5.5万円ずつ取り崩すと、資産寿命は113歳7ヶ月までもちます。

 

【取り崩し条件】
毎月の取り崩し額:5.5万円
年利回り:3%

 

仮に毎月の積立額を5万円にできれば、65歳まで準備できる資産は約2900万円。

 

上記の2900万円を65歳から年利回り3%で運用しながら月5.5万円ずつ取り崩すと、資産が減るどころか増えていきます。

 

上記の通り、40歳から準備できれば老後に十分な資産を準備できる可能性が高いでしょう。

 

 

50代から資産運用を始めるのでは遅い?

では、50代から資産運用を始めるのでは遅いのか?

 

50代から資産運用を始めても決して遅くはありません

 

例えば、下記のような条件で毎月5万円の積立投資を行うと65歳までに約1300万円の資産を準備できます。

 

【運用条件】
毎月の積立額:5万円
運用期間:15年
年利回り:5%

 

上記の約1300万円を65歳から年利回り3%で運用しながら月5.5万円ずつ取り崩すと、資産寿命は94歳7ヶ月までもちます。

 

【取り崩し条件】
毎月の取り崩し額:5.5万円
年利回り:3%

 

 

また、現役引退を後ろ倒しして70歳まで働いて運用を継続すれば、70歳までに約2000万円の資産を準備できます。

 

【運用条件】
毎月の積立額:5万円
運用期間:20年
年利回り:5%

 

上記の約2000万円を70歳から年利回り3%で運用しながら月5.5万円ずつ取り崩すと、資産は60年経ってもなくなりません。

 

【取り崩し条件】
毎月の取り崩し額:5.5万円
年利回り:3%

 

50代で資産運用を始めても工夫次第で十分な老後資金を準備できます。

 

 

60代からの資産運用は避けるべき?

さすがに60代からの資産運用は避けた方がいいのか?

 

60代でも可能であれば資産運用をする方がいいでしょう。

 

人生100年時代は、60代からでも長期の運用期間を確保可能

 

例えば、70歳まで働き、運用しながら取り崩して使うことで資産寿命を延ばせます。

 

また、60代であれば貯蓄や退職金などのまとまった蓄えがあるでしょう。

 

その蓄えの一部と労働収入を積立に回すことができれば、老後を乗り切ることは難しくありません。

 

下記のように労働収入5万円と貯蓄5万円を合計して10万円を積立投資に回せば、70歳までに約1500万円の資金が準備できます。

 

【運用条件】
毎月の積立額:10万円
運用期間:10年
年利回り:5%

 

上記の約1500万円を70歳から年利回り3%で運用しながら月5.5万円ずつ取り崩すと、資産寿命は107歳9ヶ月までもちます。

 

【取り崩し条件】
毎月の取り崩し額:5.5万円
年利回り:3%

 

また、蓄えから毎月5万円を投資に回すのではなく、投資初期の60歳に一括で600万円を運用に回して毎月5万円の積立を行えば、70歳時に約1700万円の資金が準備できます。

 

資金が約1700万円になれば、同じ条件で取り崩しても資産は118歳7ヶ月までもちます。

 

 

まとめ

老後資金を準備するのであれば、40代くらいから資産運用を始めるのがベターです。

 

しかし、50代や60代でも資産運用を諦める必要はありません

 

なお、今回のシミュレーションでは積立額を低めに設定したので、積立額を上げることができれば、現役を引退するまでに準備できる額は上がっていきます。

 

重要な事は、自身にとって必要な老後資金を確認すること。

 

老後にかかる生活費をシミュレーションするとともに、受け取れるであろう公的年金などの額を確認することが肝要です。