現役投資家FPが語る

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実家の空き家問題|相続した空き家に火災保険は必要?


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空き家になる可能性がある実家が気になっている方も多いのではないでしょうか?就職する際などに都心に出てきて自宅も購入し、親が亡くなったら誰も住む予定のない実家がある方が増えていると思います。

 

親が亡くなって、実家が空き家になった場合にどのような問題が発生するのでしょうか?

 

今回は、実家が空き家になった場合に確認すべき下記ポイントについて解説します。

  • 空き家は固定資産税が安い?
  • 空き家対策特別措置法とは?
  • 空き家に火災保険は必要?
  • 空き家バンクとは? など

   

 

 

1.老後の漠然とした不安とは?

実家の空き家問題に悩んでいる方も多いと思いますが、今回の記事は、下記の本を読んだことがきっかけで書くことにしました。

 

 

老後の資金が不安な52歳の著者アベさんが、不安を見える化すれば、老後の漠然とした不安が小さくなるのではないかということで、アベさん自身が不安に思っていることを調べてまとめられた本です。

 

老後の不安は漠然としていて、フタをして忘れようとしても更に大きくなって不安が返ってくる」という上手い表現を使って説明しています。

 

アベさん自身はフリーランス(自営業)ですが、会社員のケースについても書かれている本なので、フリーランス・会社員どちらの方でも参考にして頂ける内容の本になっています。

 

具体的には、実家の空き家問題以外に、住宅ローン教育費介護費用お葬式費用など、誰もが一度は気になったことがある項目を素人目線で解説してくれています。

 

実際にアベさんご本人が疑問に思ったことを調べてマンガにしているので、非常に共感が持てる内容になっています。マンガ自体も優しいタッチで描かれていて非常に温かみがある本です。

 

専門家が書いていないところが、分かりやすくていいと思います。

個人的には、資産運用や保険などのお金関連の本を一般の方が読むのであれば、今回ご紹介するようなクセのない本がおすすめです。クセのある考え方が偏った本はあまりおすすめできません。

 

特に一般の方がクセのある偏った考え方の本を読むと、読む方の考え方も間違った方向に偏ってしまう可能性があります。

今回の本のような考え方に偏りのない基本的なことがしっかりと書かれている本をまず読んで、興味がある分野については、深堀した本を読むといいでしょう。

 

 

2.空き家は固定資産税が安い?

さて、空き家が増えている理由はどこにあるのでしょうか?空き家が増える理由の1つに「固定資産税」があります。

 

土地や家屋を所有していると納付する必要があるのが「固定資産税」ですが、人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地(住宅用地)については、住宅用地の特例という制度により、最大6分の1に減額されます。

減額される条件が土地に住宅が建っていることです。

 

更地の場合、固定資産税の標準税率は1.4%です。

200㎡で3000万円の土地であれば、3000万円×1.4%=42万円の固定資産税が必要です。

 

一方、住宅が建っていれば3000万円×1.4%×1/6=7万円となり、更地の場合と比べて35万円もの差が出ます。

 

上記のような固定資産税の差が、空き家が放置される原因の1つになっています。

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3.空き家対策特別措置法とは?

空き家の放置を防ぐためにできた法律が空き家対策特別措置法です。法律の施行で下記のことが可能となります。

 

① 空き家の実態調査

② 所有者への適切な管理の指導

③ 空き家、跡地の活用促進

④ 適切に管理されていない危険な空き家を「特定の空き家」に指定

⑤ 特定空き家に対しての助言、指導、勧告、命令

⑥ 特定空き家に対する罰金や行政代執行

 

特定空き家に指定された場合、罰金や行政代執行があるだけでなく、固定資産税の1/6の減額(住宅用地の特例)もなくなるので、空き家をそのまま放置しておくことにメリットはなくなります。

 

なお、特定空き家とは、国土交通省のガイドラインでは下記のように定義されています。

(イ) そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

(ロ) そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

(ハ) 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

(ニ) その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

(出典:国土交通省

 

今後、固定資産税を安くするために空き家をメンテナンスせずに放置した場合、特定空き家に指定される可能性があります。

 

 

4.空き家に火災保険は必要?

固定資産税以外で、空き家の維持費でバカにならないのが火災保険の保険料です。

 

そもそも人が住んでいなくて、火事になれば解体してもいいと考えている空き家に火災保険が必要なのかと思われる方が多いと思いますが、空き家でも火災保険に加入しておいた方が無難です。

空き家が火事で燃えてしまった場合、たとえ全焼したとしても残存物の片づけ費用は必要です。

 

また、空き家が一部燃えてしまった場合もそのまま放置できない可能性もあるので、解体する必要があります。

 

火災保険に加入していれば、受け取った保険金を利用して、残存物の片づけ費用や解体費用を捻出することが可能です。

 

 

5.空き家は火災保険に加入できる?

「空き家は火災保険に加入できるのか?」という疑問を持つ方もいると思いますが、空き家でも火災保険に加入することが可能です。

 

ただし、管理の状況によっては加入できない場合もあるので注意が必要です。

また、管理状況によって、「専用住宅物件」となる場合と「一般物件」となる場合がり、「一般物件」と判断されると、保険料が割高になる可能性があります。

 

空き家は火災共済の加入対象外

都道府県民共済の火災共済であれば、保険料が安くなるのではないかと考える方もいると思いますが、新型火災共済の加入対象物件は下記の通り、人が住んでいる住宅です。

よって、空き家や別荘は加入対象外となってしまいます。

 

新型火災共済の加入対象物件

ご加入者やご加入者と生計を一にする親族(2親等内)が所有し、現在、人が住んでいる日本国内の住宅(貸している住宅も含む)

(出典:大阪府民共済

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6.空き家の火災保険料を安くする方法とは?

誰も住んでいない空き家の火災保険であれば、可能な限り保険料を安くしたいという方が大半だと思います。

下記の記事で解説している通り、火災保険の保険期間を長期にするなどの簡単な方法で火災保険料を安くすることが可能ですので、参考にしてみてください。 

 

www.fpinv7.com

  

 

7.利用予定のない空き家は、売却または賃貸の検討も必要

空き家を所有していると、固定資産税や火災保険料だけでなく、各種メンテナンス料なども必要で、予想以上にコストがかかります。

 

実家が空き家で全く使う予定がないのであれば、売却を考える必要もあるでしょう。

 

思い出のある実家を売りたくないという場合であれば、空き家バンクなどを活用して貸すという方法も検討するといいでしょう。

 

空き家の実家を売却すると税金が高い?|特別控除とは?

相続した空き家を売却すると、税金が沢山かかるのではないかと心配している方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

実は、一定の条件を満たせば税負担を軽減できる優遇措置があります。

相続時から3年を経過するまでに相続した空き家を売却するなどの一定の条件を満たした場合、空き家の譲渡所得(売却益)から3,000万円を控除できる「空き家の発生を抑制するための特例措置」があります。

 

特例措置を利用すれば、空き家を売却した際の譲渡所得(売却益)から3,000万円を控除できますので、課税される税金を節税できます。

 

この特例措置は、適用期間が2023年12月31日までとなっています。詳細は、下記ページをご参照ください。

www.mlit.go.jp

 

空き家バンクとは?

空き家バンクとは、地方自治体や委託された団体が運営している制度です。貸したい人、借りたい人(購入したい人)をマッチングします。

空き家になった実家の賃貸を考えいる方は、空き家バンクへの登録もアリでしょう。

www.mlit.go.jp

 

実際に空き家バンクに登録されている物件を探してみると、下図のような形で賃貸物件などが掲載されています。

空き家バンク掲載例(岩手県・賃貸)

(出典:LIFULL HOMUE’S

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まとめ

今後、相続で空き家を引き継ぐ方も増えることが予想されます。親が亡くなると誰も住む予定がない実家があるのであれば、親が元気なうちからどのように処分するかを考えておく方が無難かもしれません。

 

空き家は所有しているだけで、固定資産税や火災保険などの維持費が必要となります。空き家バンクなどを利用しながら、売却を含め、処分方法を早めに検討する方が安心です。