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新型コロナウイルス感染者が発生した名古屋の施設はジム?新型肺炎に感染しやすい場所とは?


中国では、新型コロナウイルスの感染者数の増え方が少し落ち着いてきた感じがありますが、日本では新型肺炎の感染経路が分からない市中感染が広がっています。

もはや日本国内では感染が広がっていて、誰が感染していてもおかしくなと思った方がいいかもしれません。

 

今、個人的に気になっているのが、新型コロナウイルスに感染しやすい場所があるのかという点です。

私自身が電車などを利用することが多いので、これまでの日本国内での感染例を確認し、「感染しやすい場所があるのか?」について確認してみたいと思います。

 

また、感染が広がりつつある日本で、これ以上の感染拡大を予防する対策についても考えてみたいと思います。

 

1.新型肺炎(コロナウイルス)はどのような経路で感染するのか?

まずは、新型肺炎がどのような経路で人から人へ感染するのかを確認してみたいと思います。

 

新型コロナウイルスの感染経路は、インフルエンザ同様、基本的には「飛沫感染」と「接触感染」です。今のところ、空気感染は確認されていません。

 

飛沫感染とは?

飛沫とは、せきやくしゃみで飛んでいくしぶきのことで、感染者のウイルスが含まれています。

ウイルスが含まれる飛沫を吸い込み口や鼻の粘膜に付着すれば、そこから感染が起きます。これが飛沫感染です。

 

ただし、飛沫は5マイクロメートル(1μm=1000nm)程度の大きさがあり、重みのせいで空気中を漂う間もなく落下してしまうため、空気感染ほどの感染力はないようです。

 

接触感染とは?

新型コロナウイルスに感染している人が手で押さえて、くしゃみやせきをし、その手で電車やバスのつり革、ドアノブなどの周りの物に触れると、ウイルスが付着します。

別の人がその物に触ってウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って粘膜から感染するのが、接触感染です。

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「エアロゾル感染」とは?「空気感染」との違いは?

新型肺炎は、「飛沫感染」や「接触感染」だけでなく、「エアロゾル感染」する可能性があると中国メディアが報じました。

 

では、「エアロゾル感染」とはどのようなものなのでしょうか?「空気感染」との違いについて確認してみたいと思います。

 

「エアロゾル」とは、空気中に微粒子が安定して長く漂っている状態のことを指します。雲、タバコの煙、寒い時期の白い息のような状態です。

 

空気中にウイルスを含んだ微粒子が安定して漂い、それを吸い込むことで感染することを「エアロゾル感染」といいます。

感染者のせきやくしゃみで飛ぶ飛沫は、重みのせいで落下しますが、エアロゾルは空気中を安定して長く漂うことになります。

 

空気感染」とは、せきやくしゃみから生じた飛沫(ひまつ)(病原体を含む水分の粒子)から水分が蒸発し、飛沫核(ひまつかく)になっても感染性を失わず空気中に漂い、その飛沫核を吸い込んだ人が感染することをいいます。

飛沫感染する病原体は、大きければ落下し、小さければ乾燥して感染リスクが低減しますが、結核菌などは、乾燥して飛沫核となっても感染力を失わず、空気中を浮遊して感染を広げることになります。

 

東京都立駒込病院・感染症科の今村顕史先生のツイートにあるように「エアロゾル感染」は、「空気感染」とは別モノで、「飛沫感染」の方に近いようです。

そして、「エアロゾル感染」について通常の生活の中では起きないようです。ウイルスを持つ患者の気管に医療器具を出し入れするなどの際に発生する可能性があるようです。

 

閉鎖空間では新型コロナウイルスが 短時間浮遊し、感染する可能性もある

なお、日本感染症学会と日本環境感染学会によると、「空気感染」とは異なりますが、閉鎖空間では新型コロナウイルスが短時間浮遊し、感染者がせきやくしゃみをしなくても感染するリスクがあるそうです。

 

浮遊しているウイルスは、一般的なサージカルマスクで防ぐことはできませんが、換気することによりリスクを下げることはできるようです。

 

日本感染症学会の舘田一博理事長によると、せきなどで生じる飛沫は水分を多く含み浮遊しないが、会話で生じるつばがウイルスを含んで飛び、ごく短時間空気中に浮遊している可能性があるという。

飛沫よりも水分が少なく小さいため通常のマスクでは防げない。

 

舘田理事長は「ノロウイルスで患者の嘔吐(おうと)物からウイルスが短時間舞い上がる塵埃(じんあい)感染に似た現象だ」と指摘する。

閉鎖環境を避けることが重要だという。

個室の立食パーティーや宴席はリスクが高いが、窓を開け放したり換気扇を利用したりすることで一定程度の対策ができる。

 (出典:日本経済新聞

  

 

2.新型コロナウイルスに感染しやすい場所とは?

新型コロナウイルスに感染しやすい場所はあるのでしょうか?

これまで複数人の感染者が出た3ヶ所を例として確認してみたいと思います。

 

・屋形船(東京都)

下記の通り、東京都内で確認された新型コロナウイルス感染者のうち、12人が屋形船で行われた個人タクシー組合支部の新年会に参加した方や関係者でした。

なお、屋形船での状況については、全てNHK WEB NEWSから引用させて頂いています。

 

都内の個人タクシーの組合支部の新年会の会場となった屋形船。都内で、これまでに確認された新型コロナウイルスの感染者19人のうち12人は新年会の参加者や、その関係者でした。

 

新年会の会場である屋形船には関係者などを合わせて約100人がいて、船上はかなり狭く、隣の人との距離もかなり接近していたようです。完全に濃厚接触の状態です。

 

「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当するものである。

i. 世帯内接触者:「患者(確定例)」と同一住所に居住する者

ii. 医療関係者等: 個人防護具を装着しなかった又は正しく着用しないなど、必要な感染予 防策なしで、「患者(確定例)」の診察、処置、搬送等に直接係わった医療関係者や搬送 担当者

iii. 汚染物質の接触者: 「患者(確定例)」由来の体液、分泌物(痰など(汗を除く))などに、必要な感染予防策なしで接触した者

iv. その他: 手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と接触があった者(患者の症状やマスクの使用状況などから患者の感染性を総合的に判断する)
(出典:NHK政治マガジン

  

新年会に参加したのは、個人タクシーの組合支部の従業員や所属する運転手、それに家族や友人などの合わせておよそ80人。

それに屋形船の会社の従業員なども合わせると当時、屋形船には合わせて、およそ100人がいたといいます。

 

屋形船の中はテーブルが全部で12あり、わずかな幅の通路を挟んで縦に2列並べられていました。

1つのテーブルには6人ほどが座ることができ、隣の人との距離はかなり接近していて、トイレなどへの移動も大変なほど。

 

さらに従業員なども頻繁に狭い通路を行き来し、乗客の間から料理や飲み物を配膳していたといいます。

 

更に新年会の会場では、カラオケも行われ、歌いながら船内を踊って歩き回る人までいたようなので、その方が新型コロナウイルスの感染者だったとすると、ウイルスが含まれた飛沫が飛び散り、飛沫感染及び接触感染が起こったと思われます。 

また、カラオケのマイクは、同じ物をみんなで使いまわしていたとのことなので、ウイルスが含まれた飛沫が付いたマイクを触って、接触感染を起こした人もいた可能性があります。

 

また、会の途中からはカラオケも行われ、中には歌を歌いながら船の中を踊って歩き回る人までいたといいます。 カラオケでは、同じマイクをみんなで使っていたとのことです。

 

新年会は2時間半のコースで、この日は雨が降って風も強く寒かったこともあり、屋形船の窓は、ほとんどが閉められていたといいます。

 

狭い飲食店でお酒を飲みながら会食する場に新型肺炎の感染者がいると仮定すると、感染者がしゃべる度にウイルスが含まれた飛沫が飛び散り、食べ物や飲み物に付着することが容易に想像できます。

その食べ物を食べたり、飲み物を飲んだりすれば、感染するでしょうし、食器などに付いたウイルスを手で触り、その手で口や鼻などを触れば接触感染が起こり得ます。

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・スポーツジム (愛知県名古屋市)

名古屋市では、ハワイ旅行から帰国後に感染が判明した女性が訪れた市内の屋内施設で10人もの方が新型コロナウイルスに感染しています。

 

名古屋市は23日、市内に住む70代の男女2人が新型コロナウイルスに感染していたと発表しました。愛知県内で感染が確認されたのは17人目です。

 

感染が分かったのは、名古屋市に住む70代の男女で、いずれもハワイ旅行から帰国後に感染が判明した60代の女性が訪れた市内の屋内施設で感染したとみられていてます。2人とも容体は安定しているということです。

 

この施設で感染したとみられているのはこれで10人目で、愛知県の感染者は17人となりました。

(出典:FNN PRIME

感染者が複数人出た屋内施設とは、スポーツジムです。実際にスポーツジムのサイトには、新型コロナウイルス感染者が利用したため、臨時休業して消毒を行うという案内が出ています。

 

臨時休業のお知らせ

日頃、スポーツクラブアクトスWill名古屋みなと店をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。この度、港保健センターからの連絡により、新型コロナウイルス感染症に感染した方が下記の日時に当施設を利用していたことがわかりました。

当該日時以外のご利用のお客様は感染の可能性はほぼございませんが、皆様に安心してご利用いただくため2月21日(金)、22日(土)に臨時休業し港保健センターの指導の下、施設内の清掃消毒作業を行います。その後におきましても港保健センターの指導のもと、適切に対処してまいります。

また、上記時刻にご利用されていました会員様の中で2月29日(土)までに次の症状がある方は、お住まいの市区町村の保健所、保険センター及び帰国者・接触者相談センターに至急ご連絡ください。

 

・風邪の症状や、37.5℃以上の発熱が4日以上続いている

・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある

 

お客様におかれましては過度にご心配されず、冷静にご対応いただくとともに、外出先等での「手洗い・うがい」等の感染防止対策をお願いいたします。また、患者様や利用者様のプライバシー保護にご配慮ください。何卒よろしくお願い申し上げます。

 

■新型コロナウイルス感染症に感染した方が

 当施設を利用した日時

 2月14日(金) 午前10:30~12:00

 2月15日(土) 午前10:00~12:15

(出典:スポーツクラブアクトスWill名古屋みなと

 

名古屋市で2月22日に新型コロナウイルスへの感染が確認された、名古屋高速道路公社に勤務する60代男性もハワイ旅行から帰国後に感染が判明した女性が訪れたスポーツジムを利用していたそうです。

 

なお、名古屋市内で利用者の中から新型コロナウイルス感染者が出たスポーツジムは下記の4カ所です。

 

イオンスポーツクラブ3FIT 熱田千年店

当面の間、休業予定

〒456-0054
愛知県名古屋市熱田区千年1丁目16番30号 イオンタウン熱田千年 2F

 

ルネサンス 名古屋熱田24

2月22日(土)9:00より営業再開

〒456-0016
愛知県 名古屋市熱田区五本松町9-33

 

グリーンスポーツクラブ

2月25日(火)より営業再開

〒455-0021
愛知県名古屋市港区木場町6-37

 

アクトスWill名古屋みなと店

3月5日(木)まで臨時休業

〒455-0057
愛知県名古屋市港区築盛町120

 

・スポーツジム (千葉県市川市)

千葉県でも県内で新型肺炎に感染した3人が、市川市にある同じスポーツクラブを利用していたと発表されました。

このスポーツクラブは、市川市市川にある「エース〈アクシスコア〉市川」です。

 

〒272-0034  千葉県市川市市川1-4-10 ダイエー市川店10F

  

3人が発症後、感染が判明するまでの間にスポーツジムを利用していた日時は、下記の通りです。

  • 2月15日の午後1時45分~午後3時半
  • 2月16日の午後0時半~午後4時
  • 2月18日の午後1時半~午後5時

どの器具などを使っていたかは判明していません。

 

3人がスポーツクラブを利用した際に感染したかどうかは分かっていません。

 

なお、スポーツクラブは2月25日から3月3日まで自主的に営業をとりやめ、施設内の消毒などを行うことにしています。

 

スポーツジムの感染リスク|汗に新型コロナウイルスは含まれる?

スポーツジムでは、器具を使ってトレーニングや有酸素運動などを行うので、感染者がウイルスの付いた手で器具を触れば、その後に器具を使う方はウイルスの付いた器具に触れることになり、接触感染が起こる可能性があります。

 

不特定多数の方が1つの器具を使い回すスポーツクラブは、接触感染の可能性が高くなります。

トレーニングマシーンなどの器具を使った後は、すぐに手を洗ったり、消毒することが重要でしょう。

 

また、エアロビクスなどの集団で行うエクササイズを行えば、感染者と濃厚接触することになり、飛沫感染などを引き起こす可能性もあります。

スポーツジムで行われるエアロビクス教室などは、参加者同士の距離がくなるので、新型肺炎の感染リスクが高くなります。

 

なお、スポーツジムでは、汗をかくことが多く、汗で新型コロナウイルスが感染するのではないかという心配をされる方もいらっしゃるでしょう。

汗には新型コロナウイルスは含まれていません。よって、汗による新型肺炎の感染リスクを心配する必要はないようです。

 

・電車やバスなどの公共交通機関

私が個人的に怖いと思うのが、電車やバスなどの公共交通機関です。

朝の通勤ラッシュ時の電車内は異常な人口密度になっていて、完全に濃厚接触状態が起きてしまいます。

 

実は、無症状や軽症の患者にも症状がある患者と同程度のウイルスが見つかったという報告があります。症状が出ていない潜伏期間中の人からも感染が広がる可能性が指摘されています。

 

せきや熱などの症状がない人は、自分は感染していると気付きませんので、マスクをせずに公共交通機関を利用する可能性があります。

その方が異常に込んだ電車やバスなどの車内でせきやくしゃみなどをして、ウイルスの含まれた飛沫が飛べば、飛沫感染や接触感染が発生する可能性があります。

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3.市中感染が広がった、日本でできる新型肺炎の予防法とは?

市中感染が広がっている日本でできる新型肺炎の予防法について考えてみました。 

 

不要不急の外出を控える

特に不特定多数の人が集まり、濃厚接触が起こる場所への外出は控えるべきでしょう。これまで日本国内で複数人の感染者を出している場所を確認すると、不特定多数の人が集まり、濃厚接触が起こる可能性がある場所です。

 

公共交通機関の利用に関しては、控えることが難しい場合もあるでしょう。

しかし、テレワークを実施している企業もありますし、時差通勤ができるのであれば、電車やバスが満員になる時間をさけて、通勤するという方法もあります。

 

マスク

実は、風邪やインフルエンザなどに対するマスクの予防効果は科学的に立証されていません

一般的に販売されているサージカルマスクでは、空中に浮遊しているウイルス粒子の侵入を防ぐことはできません

 

しかし、マスクには、鼻や喉の粘膜の保湿効果やウィルスの付着した手で無意識に口や鼻に触れることを防ぐ効果があります。

 

また、他人に感染を広げないためにもマクスの着用は重要です。

せきやくしゃみが出ている場合には、当然のことですが、症状が出ていない潜伏期間でもウイルスをまき散らしてしまう可能性があるので、これ以上、日本国内で感染を広げないためにも、せきや熱などの症状の有無に関わらず、公共の場に出る方全員がマスクの着用を心がけるべきです。

 

手洗い

そして、徹底すべきは、手洗いです。外出先から帰宅したら、すぐに石鹸を使ってよく手を洗うことが重要です。

下図の手順で手を洗うと、30秒かかるそうです。

 

手を洗う前に顔や室内のあちこちを触ると、電車のつり革などで手に付着したウイルスを自宅の中でまき散らすことになります。

 

また、今回の新型コロナウイルス感染症は、風邪やSARS、MERSと同様に、下痢をするのが特徴です。

よって患者が使用したトイレはもちろん、不特定多数の人が使用する施設のトイレなどを利用したら、入念に手を洗うことを心がける必要があります。

トイレの後は、2回手を洗うことが効果的のようです。

手洗い手順

(出典:サラヤ株式会社

 

消毒用アルコール

アルコール除菌剤も新型肺炎の感染対策に有効です。

 

除菌の頻度は決まってないようですが、ドアノブなど手洗い前の手で触れやすい部分を中心に除菌するといいでしょう。

また、厚生労働省のHPでも「手など皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)が有効」としています。

手指アルコール消毒手順

 

体調維持

体力・免疫力の維持も重要です。体調の維持には、十分な睡眠と食事が重要となります。

体力や免疫力が強ければ、粘膜に多少のウイルスが付着しても、そこで排除されるか、体内に侵入しても直ちに駆逐できるので、感染しません。

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まとめ

これまで日本で起きた感染例をもとに新型肺炎に感染しやすい場所について考察してみました。

今回の屋形船やスポーツジムなどは、あくまでも事例であり、他にも不特定多数の人が集まり、濃厚接触が発生する場所は沢山あります。

 

これ以上、日本で新型コロナウイルスの感染を広げないためには、不要不急の人混みへの外出は避けるべきなのは間違いありません。

 

また、上記の感染予防については、難しいことは一切なく、誰でもできることなので、感染を広げないためにも、一人ひとりが心がけるべきことでしょう。

 

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