保険に加入する際に何を参考にしているでしょうか?
ランキングを参考にされている方も多いと思いますが、人気があったり、ランキングが上位の生命保険がいい商品とは限りません。
日本人は「人気がある」という言葉に弱いですが、多くの方が加入している生命保険だからといっていい保険だという保証にはなりません。
今回は、生命保険に加入する際に見落とされがちな確認ポイントについて解説します。
生命保険の売上ランキング上位の商品がいい保険とは限らない
先日、売れていて人気がある生命保険だからとすすめられたと、下記の契約に加入するべきかを相談されました。
皆さんは下記契約例を見て、どう思われるでしょうか?
【契約例】
商品:終身保険
保険期間:終身
保険料払込期間:終身
保険金額:200万円
被保険者:60歳女性
月額保険料:5,828円(ノンスモーカー割引)
毎月6,000円弱を支払って、200万円の保障があるのであれば、葬儀費用準備のために加入したいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
日本人はランキング好きですが、売上ランキング上位の生命保険がいい保険とは限りません。
そのランキングが本当に信頼できるものかも分かりません。売り手側が売りたい(儲かる)保険をランキング上位にしている可能性もあります。
つまり、ランキングが売り手側の都合のいいように操作されている可能性もゼロではありません。
生命保険加入時の確認ポイント|いくら払って、いくら受け取れるのか?
生命保険は保険料の支払方法を「月払い」にする方が多いので、どうしても月々の支払額に意識が集中してしまいます。
しかし、毎月の支払額がどのくらいなのかと同様に、いくら保険料を支払って、いくら受け取れるのかについても確認することが重要。
今回の契約例では被保険者(保障の対象者)が亡くなった場合、200万円の保険金を受け取れるわけですが、その保障に対していくら保険料を支払う必要があるのでしょうか。
今回の契約は終身保障で保険料は終身払いなので、被保険者が長生きすればするほど、保険料の支払額は大きくなります。
下記のとおり、生命保険加入後に被保険者が約29年生きると、保険料支払総額が保障額を超えることになってしまいます。
5,828円×12ヶ月=69,936円
2,000,000円÷69,936円=28.59年
つまり、200万円の死亡保険金を受け取るのに、200万円を超える保険料を支払うことになる可能性があります。
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平均余命よりも長生きすると損?
60歳女性の方の平均余命は28.97年(平成29年簡易生命表)。
上記契約例では、平均余命よりも長生きした場合、保障額を超える保険料を支払う必要があります。
私の周りでも90歳を超えて長生きしている女性が増えています。
上記のような商品内容を理解して加入するのであれば問題ありませんが、理解されていない方が多いでしょう。
受け取る保険金よりも、支払う保険料の方が多くなる可能性があることを知ると、ほとんどの方が加入を止めてしまいます。
そもそも生命保険への加入が必要?
亡くなったときに残されたご家族に葬式代くらいの死亡保険金は残したいという方が多いようです。
葬式代の準備として死亡保険への加入を検討する方が多いのですが、葬式代を生命保険で準備する必要があるのかを考える必要があります。
生命保険には下記記事で解説したように「現金化が早い」などのメリットがありますが、保障額より多い金額を支払う可能性のある生命保険に入る必要があるのかをお考え下さい。
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まとめ
生命保険は、月々に支払う保険料に注意が集まってしまいますが、総額でいくら支払う必要があるのかも確認する必要があります。
また、いくら保険料を支払って、いくらの保険金や満期保険金などを受け取れるのかを確認することも重要。
少し視点を変えて確認してみると、いい保険だと思っていた保険の印象が変わることもあります。
生命保険の選び方については、下記のような記事も書いていますので、よろしければご覧ください。