「老後2000万円問題」をきっかけに、資産運用を始めた方も多いでしょう。
資産運用といえば、NISA(ニーサ)や個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)が真っ先に利用されると思われますが、NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)を始めた場合、確定申告や年末調整は必要なのでしょうか?
今年も確定申告の時期が来ましたので、気になっている方も多いと思います。
そこで、今回はNISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)の年末調整や確定申告の必要性について解説します。
- 1.NISA(ニーサ)は年末調整や確定申告が必要?
- 2.iDeCo(イデコ)は年末調整と確定申告のどちらが必要?
- 3.給与所得者(サラリーマン)でもiDeCo(イデコ)の確定申告が必要となる場合とは?
- 4.確定申告の方法とは?
- まとめ
1.NISA(ニーサ)は年末調整や確定申告が必要?
NISA(ニーサ)の場合は、年末調整や確定申告のどちらも行う必要はありません。
「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の全てで、年末調整や確定申告は不要です。
まず、NISAの投資資金は所得控除にはなりませんので、年末調整や確定申告の必要はありません。
NISA(ニーサ)で収益が出た場合はどうでしょうか?
株式や投資信託などの売却益や配当金・分配金には、通常20.315%の税金がかかりますが、NISAの場合は非課税なので、確定申告する必要がありません。
つまり、NISA(ニーサ)に関しては一切の手続きなしで、非課税の恩恵を受けることができます。
ただし、NISA(ニーサ)で損失が出た場合、他の課税口座の収益とは損益通算できないというデメリットがあるので、注意が必要です。
2.iDeCo(イデコ)は年末調整と確定申告のどちらが必要?
NISA(ニーサ)の場合、年末調整と確定申告のどちらも不要でしたが、iDeCo(イデコ)の場合は年末調整か確定申告のどちらかが必要。
iDeCo(イデコ)の場合は、自動的に節税メリットが受けられるわけではないので、注意が必要です。
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給与所得者(サラリーマン)の場合
給与所得者であるサラリーマンの方は、年末調整は必要ですが、確定申告の必要はありません。
国民年金基金連合会から、「小規模企業共済等掛金払込証明書」が10月末ごろに届きます。
「小規模企業共済等掛金払込証明書」は、iDeCo(イデコ)の加入者が1年間トータルで払った掛け金(12月末までに払い込む予定額も含む)を証明する書類。
勤務先から、配られる「給与所得者の保険料控除申告書」という年末調整を行うための書類に「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付して勤務先に提出し、年末調整でiDeCo(イデコ)の掛け金を所得から控除します。
「生命保険料控除」と同様の手続きです。
年末調整を行うことによって、iDeCo(イデコ)の掛け金を拠出して節税できた分の税金(所得税)が還付されます。
一方、住民税については翌年6月以降の支払い分から所得控除が反映されて、徴収される税額が軽減されます。
フリーランスなどの自営業者の場合
一方、フリーランスなどの自営業者の方は、年末調整はなく、確定申告が必要なので、確定申告時にiDeCo(イデコ)の掛け金を所得から控除することになります。
3.給与所得者(サラリーマン)でもiDeCo(イデコ)の確定申告が必要となる場合とは?
iDeCo(イデコ)に加入している給与所得者の方でも年末調整ではなく、確定申告が必要な場合があります。
iDeCo(イデコ)は加入する時期によって、控除証明書が届く時期が遅くなる場合があります。
iDeCo(イデコ)に加入するのが11月以降だと控除証明書が届くのが遅く、年末調整に間に合いません。
その場合、確定申告して税金(所得税)を還付してもらうことになります。
実は、私がiDeCo(イデコ)に加入したのが11月だったのですが、12月に2ヶ月分の掛け金が口座から引き落とされて、控除証明書が届いたのが年を越した1月だったと記憶しています。
控除証明書が届いた時には年末調整が終わっていたので、自分で確定申告する必要がありました。
また、忘れていたなどの理由で年末調整でiDeCo(イデコ)掛け金の所得控除手続きができていない場合には、確定申告をする必要があります。
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4.確定申告の方法とは?
確定申告といういうと、税務署に行って確定申告用の書類をもらい、記入後に再度、税務署で並ぶイメージがないでしょうか。
そもそも、確定申告をしたことがなく、全く確定申告に対してイメージがない方もいらっしゃるでしょう。
サラリーマンの場合、確定申告をする機会が少ないため、非常に億劫に感じる方が多いと思います。
実は、私も上記のようなイメージを持っていました。
昔は記入例を見ながら、申告用紙に数字を書き込んでいたのですが、現在は国税庁のHP上で簡単に申告書の作成が可能。
入力内容が自動計算され、内容が誤っていれば、計算が合わないとエラーで表示してくれるので、非常に助かります。
また、e-Taxなどの方法があり、税務署に行かなくても自宅から申告する方法があります。
昨年、私はe-Taxは利用しませんでしたが、国税庁のHP上で申告用紙を作成、印刷して所轄の税務署に郵送しました。
申告書はパソコンだけでなく、スマホで作成することも可能です。
確定申告書作成時の必要書類とは?
確定申告書作成時の必要書類としては、給与所得の源泉徴収票、控除証明書、マイナンバーカード(申請書)です。
上記の必要書類を準備して、下の動画の手順に従えば、パソコンかスマホで簡単に申告書が作成できます。
確定申告の期間
令和3年(2021年)分の確定申告の期間は、2022年2月16日(水)~3月15日(火)までです。
ただし、新型コロナウイルス感染症の影響で申告が間に合わない場合は2022年4月15日(金)まで、申告期限の個別延長を申請できます。
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まとめ
NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)では手続きの必要性は下記の通り異なるので、注意が必要。
- NISA(ニーサ)は年末調整、確定申告ともに不要
- iDeCo(イデコ)は年末調整または確定申告が必要
どちらの制度も税制上の優遇措置がありますが、iDeCo(イデコ)は年末調整か確定申告をしないと、その恩恵を受けることはできません。
一方、NISA(ニーサ)の場合には、一切、手続きの必要がなく、非課税の恩恵を受けることができます。
両制度の違いについて、今回の記事で理解して頂ければと思います。
なお、NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)については下記のような記事も書いていますので、参考にしてください。