2024年、新紙幣の発行が予定されています。
改刷により一万円、五千円、千円の3券種が、新たなデザインで生まれ変わります。
紙幣の改刷とは、お札の絵柄やデザインを一新すること。
日本銀行が明治18(1885)年に初めてお札を発行して以来、53種類ものお札が発行されています。
さて、新紙幣の発行で私たちの生活には、どのような影響があるのでしょうか?
今回の記事では新紙幣発行について、以下のポイントを詳しく解説していきます。
- 新紙幣はいつ発行されるのか?
- 新紙幣発行の目的とは?
- 旧紙幣は使えなくなる?
- タンス預金はどうなる?
新紙幣が発行されると、どのような影響が出るのかが気になる方は参考にしてください。
なお、今回の記事の概要を聞き流したい方は以下の動画をご覧ください。
新紙幣はいつ発行される?
2024年7月3日、新たな一万円、五千円、千円の3券種が改刷される予定です。
新紙幣のデザインに選ばれた人物は以下の通り。
新一万円札
新一万円札には、日本近代社会の創造者として称えられる渋沢栄一の肖像が採用されます。
彼は生涯にわたり500を超える企業設立などに関わり、その功績から「日本近代社会の創造者」と称されています。
新五千円札
新五千円札には、女性の地位向上と女子教育に尽力した教育家、津田梅子の肖像が刻まれます。
彼女の活動は、日本の近代教育の礎を築く上で重要な役割を果たしました。
新千円札
新千円札には微生物学者であり、「近代日本医学の父」と呼ばれる北里柴三郎の肖像が描かれます。
彼は破傷風の予防・治療法を開発し、日本の医学界に大きな貢献をしました。
新紙幣発行の目的は?
前回から約20年振りとなる新紙幣発行ですが、その目的はどこにあるのでしょうか?
新紙幣発行の目的は、偽造防止技術の強化とユニバーサルデザインの導入。
新しいお札は、150年以上にわたり培った偽造防止技術の結晶となっています。
旧紙幣は使えなくなる?
新紙幣の発行時に最も気になる点は、いつから旧紙幣は使えなくなるのかということでしょう。
旧紙幣が使えなくなるのであれば、新紙幣に交換すると必要があります。
新しいお札の発行後も、現在発行されているお札は使用可能です。
お札は法律で無制限の強制通用力が認められており、通用力を失うことはありません。
現在でも使用可能な古いお札は18種類あります。
なお、新しいお札が発行される際には、詐欺が横行する可能性があることにご注意ください。
「旧紙幣が使えなくなるので回収する」といったニセ情報には注意が必要です。
旧紙幣と新紙幣の交換方法
旧紙幣を新紙幣に交換したい場合は、どうすればいいのでしょうか?
旧紙幣については、日本銀行(日銀)の本店とすべての支店で新紙幣と引き換えることができます。
なお、紙幣の交換には事前の予約が必要です。
新紙幣発行の目的はタンス預金のあぶり出し?
新紙幣の発行には、さまざまな噂があります。
一部では、新紙幣発行の目的は「タンス預金のあぶり出し」といった説も浮上していますが、これは考えす過ぎでしょう。
ただし、新紙幣の発行により、家庭内の現金(タンス預金)が市場に流入する可能性は高いと言えます。
旧紙幣が使用できなくなることを懸念する人も一定数いるでしょうし、旧紙幣の流通量が減少すれば不安を感じる人もいるでしょう。
また、時間の経過とともにATMなどの機械が旧紙幣に対応しなくなることや、現金での支払い時に旧紙幣の受け取りを拒否される可能性も考えられます。
そうなると、旧紙幣のタンス預金を新紙幣に交換したいという気持ちは高まるでしょう。
先述の通り、高齢者のタンス預金を狙った詐欺が横行する可能性があります。
ATMや自動販売機などが旧紙幣に対応しなくなっても最終的には日本銀行(日銀)で新紙幣と交換が可能です。
まとめ
2024年7月3日、新たな一万円、五千円、千円の3券種が改刷される予定です。
新一万円札には日本近代社会の創造者として称えられる渋沢栄一、新五千円札には女性の地位向上と女子教育に尽力した教育家である津田梅子、新千円札には微生物学者であり「近代日本医学の父」と呼ばれる北里柴三郎の肖像が採用されます。
新紙幣発行の目的は、偽造防止技術の強化とユニバーサルデザインの導入。
なお、新紙幣が発行されても旧紙幣も使用可能。
「旧紙幣が使えなくなるので回収する」といった高齢者のタンス預金をを狙った詐欺が横行する可能性があるので、注意が必要です。