現役投資家FPが語る

20年以上の投資経験がある現役投資家FPが「人生100年時代」の資産運用や公的年金など「お金」の知恵について語ります

【バブル崩壊?】株式相場が好調な時ほど確認すべき3つのポイント


新型コロナ感染拡大後の株式相場は金融緩和の影響もあり、世界的に好調な状態が続いてきました。

 

日経平均は3万円を超えて上昇し、最近では少し低調ですが米国のS&P500は最高値の更新を続けていました。

 

好調な株式市場を見ていると「現金を持っているのはもったいない、全てを投資に回す」という考えの方もいるかもしれません。

 

しかし、収益を上げようと焦って投入資金を増やすと大きなしっぺ返しを食らう可能性も。

 

株式相場が好調な時だからこそ、気を付けておくべきこともあります。

 

今回は株式相場が好調な時に確認すべき下記ポイントについて解説します。

 

 

株式相場が好調な時ほどリスクを取り過ぎない

新型コロナ感染拡大後の株式相場の上昇により、大きな利益を出している方も多いでしょう。

 

特に新型コロナ後に投資を始めた方は買えば上がるという状態が続いてきた可能性があります。

 

株式相場が好調な時は、よほどのミスをしない限り誰でも利益を出すことが可能。

 

それを実力と勘違いすると痛い目に遭うことも・・・。実際、私も何度か痛い目に遭いました・・・。

 

相場環境がいい時には多くの方が、ついついリスク許容度を超えて資金を投入してしまいます。

 

しかし、株式市場が永遠に一本調子で上がり続けることはなく、下落相場は必ずやってきます

 

また、いつ大きな下落が来るかは誰にも分かりませんし、数年間株価が低迷することもあります。

 

相場環境が良好な時ほど、下落相場がくるかもしれないと思っておく方がいいでしょう。

 

米国の著名投資家であるジョン・テンプルトンの言葉に「強気相場は幸福の中で消えていく」という投資格言もあります。

 

相場が好調な時にリスクを取り過ぎると、下落相場で大きな損失を被ってしまい、心理的な負担から資産運用を続けられなくなる可能性があります。

 

 

株式相場が好調な時でも積立投資は淡々と継続する

株式相場が好調な時期は、積立投資についても控えた方がいいと考える方もいるかもしれませんが、積立投資については継続すべき

 

仮に、上昇相場の天井が分かるのであれば、株価の天井付近では積み立てを止め、株価が下がってから積み立てを再開する方が買い単価を下げるうえでは合理的な方法です。

 

しかし、株価は今が天井のか、これからどの程度上昇していくのか、などは誰にも分かりません

 

一時的な上昇相場と思ったら、数年の間、上昇トレンドが継続し、その後も株価が下がらないということも可能性としてはゼロではありません。

 

そうなれば、安いところで買いそびれたことになってしまいます。

 

また、積み立てを一度止めてしまうと、再開するタイミングを計るのが難しくなります。

 

よって、積立投資に関しては、今まで通り淡々と継続すべき。

 

株価が急騰しようが、急落しようが、積み立てているファンド(投資信託)が間違いないのであれば、相場の変動に影響されることなく、淡々と積立を継続するべきです。

 

 

最も重要なことは資産運用を継続すること

資産運用で利益を上げるために最も重要となる事は長期で継続すること。

 

株式投資は単年度では収益が大きくブレますが、長期になればなるほど収益が下図の通り安定します。

長期投資の年平均収益率

(出典:WealthNavi

 

上図の通り、1年間だけの保有の場合、最大のリターンは60.7%で最低のリターンは-48.7%と大きな差が発生します。

 

しかし、保有期間が長くなる(グラフでは右に行く)につれ、この変動幅のブレは小さくなり収益は安定。

 

15年間のトータルだと元本割れのケースは無くなります。

 

つまり、長期投資の場合、短期投資に比べ収益のブレ具合が小さくなり収益が安定します。

 

長期投資により複利効果を得られる

資産運用で出た収益や利息を使わずに再投資すると複利の力で資産が増えるスピードが上がります。

 

ただし、複利効果を実感するまでには、ある程度の時間が必要。

www.fpinv7.com

 

単利と複利を比較すると下図の通り、運用を始めて数年間はあまり大きな差を感じませんが、運用開始から10年程度が経過すると、単利と複利では、元利合計に大きな差が発生。

複利と単利の比較イメージ図

 

短期で大きな利益を求めず、じっくり腰を据えて長期で複利運用を行えば、大きな収益を得ることができます

 

そのためにも、リスクを取り過ぎずに資産運用を継続す事が重要となります。

 

 

まとめ

現在の株式市場がバブルなのかどうかは誰にも分かりません。

 

どんなに株式市場が好調な状況が続いても、下落相場は必ずやってきます。

 

株式市場が好調な時ほど油断し過ぎずに慎重さも必要です。

 

株式相場が好調な時ほど、確認すべきポイントは下記の通り。

  • 株式相場が好調な時ほどリスクを取り過ぎない
  • 株式相場が好調な時でも積立投資は淡々と継続する
  • 最も重要なことは資産運用を継続すること

 

投資経験の浅い人ほど下落相場に弱いといえます。

 

その理由は自分のリスク許容度が分かっていないから。

 

リスク許容度は経験によって上がります。よって、どんなに株式相場が好調な時でも、調子に乗ってリスクを取り過ぎないこと。

 

特に、投資初心者の方は少額投資から運用を始めて経験を積むことが重要です。

 

短期で大きな収益を求めず、長期で安定的な収益を得るためにも、リスクを取り過ぎずに長期で資産運用を継続することが重要となります。