毎月分配型の投資信託は「タコ足配当」の可能性があり、おすすめできない金融商品ですが、毎月分配金を受け取れる商品に魅力を感じる方は多いでしょう。
毎月お金を受け取れる仕組みを作りたい。誰もが考える事ではないでしょうか。
実は、ETF(上場投資信託)にも毎月分配型がありますが、投資信託のようなデメリットはありません。
分配金を毎月受け取りたい方はETFの活用がおすすめです。
今回は、毎月分配型ETFの活用をおすすめする理由と、活用する際の注意点を解説します。
投資信託とETF(情報投資信託)の違い
まずは簡単に投資信託とETF(上場投資信託)の違いについて解説します。
大きな違いは株式市場に上場されているか非上場かという点。
ETFとは「Exchange Traded Funds」の略称で、上場投資信託とも呼ばれる投資信託の一種。
非上場の投資信託は、基準価額(値段)が1日1回、15時以降に決まる仕組みです。
一方、ETFは株式市場に上場されているので、取引時間中は株式のようにリアルタイムで売買できるのが特徴。
なお、「つみたてNISA」の投資対象は金融庁が厳選したものですが、そのほとんどが非上場の投資信託。
ETFは投資対象商品199本の中に7本しかありません。
ETFにも毎月分配金が出るタイプの商品もありますが、悪名高い毎月分配型の投資信託とは違い、下記のようなメリットがあります。
毎月分配型ETFのメリット
毎月分配金を受け取りたい方にETFの活用をおすすめする理由は下記の通りです。
ETFにはタコ足配当(特別分配金)がない
ETFには毎月分配型の投資信託で問題となった元本を取り崩す元本払戻金(特別分配金)がありません。
毎月分配型の投資信託は、お金を毎月受け取れるということで人気が出ましたが、実際は元本を取り崩す「タコ足配当」となっていると批判が集まりました。 www.fpinv7.com
ETFの場合は、運用で収益が出た部分からのみ分配金が払い出される仕組みとなっていますので、「タコ足配当」は発生しません。
運用コスト(経費率)が低い
投資信託の信託報酬は、運用会社・受託会社・販売会社(証券会社、銀行など)で分け合うため、ETFに比べ高くなる傾向があります。
一方、ETFは株式市場で売買されていて販売会社が存在しないため、投資信託に比べて運用コストが低くなるというメリットがあります。
例えば、毎月分配金を受け取れる債券型のETFであるAGG(iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF)の経費率はなんと0.04%。
AGGを100万円分購入しても年間でかかる経費は400円。
毎月分配型の投資信託は信託報酬が高めで約2%ほどという商品もある中で驚異の安さです。
毎月分配型ETFのデメリット
毎月分配型のETFはメリットだけではなく、下記のようなデメリットもありますので、注意が必要です。
分配金の再投資が目的であれば投資信託を選ぶべき
毎月分配金型のETFは魅力がありますが、目的に合わせて活用することが重要。
分配金の再投資が目的であれば、ETFの活用はおすすめできません。
分配金を受け取ると、そこで税金がかかるので、複利効果が下がり投資効率が落ちてしまうからです。
また、ETFの場合は受け取った分配金を手動で再投資する必要があります。
一方、分配金再投資型の投資信託であれば、自動的に分配金が再投資されて手間がかかりません。
投資信託であれば自動で複利効果を最大限に活用することが可能。
分配金を受け取る目的が再投資であれば、為替の手間も考えて、分配金再投資型の投資信託をおすすめします。
為替の両替が面倒
日本国内に優良なETFがあればいいのですが、現状ではほとんど存在しません。
おすすめなのが米国のETFですが、米国ETFはドル建ての商品。
SBI証券などでは米国ETFを円で決済することもできますが、為替コスト(手数料)を抑えるのであれば円からドルに両替してからドルで購入すべき。
円からドルに両替する煩わしさがあります。
また、米国ETFの分配金も米ドルで入金されますので、ここでもドルから円への両替が必要となります。
まとめ
毎月分配型の投資信託はおすすめできない金融商品ですが、毎月分配型のETFは経費率も低く、タコ足配当もないのでおすすできます。
ただし、分配金を再投資する目的であれば、毎月分配型は投資効率が落ちるのでおすすめできません。
複利効果を最大限に活用するのであれば、分配金再投資型の投資信託がおすすめです。
受け取った分配金は将来ではなく、今を豊かにするために使いたいということであれば、ETFで分配金を受け取りながらインデックス投資をするという投資スタイルもありでしょう。