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積立投資は途中で止めても大丈夫?積立額の変更は可能?


積立投資を始める際に途中で続けられなくなったらどうするべきかと心配する方も少なくないでしょう。

 

例えば、つみたてNISAは20年を超える長期投資の制度なので、運用期間中に積立を継続する事が難しくなる可能性も考えられます。

 

積立の継続が難しくなった場合、どのように対処すべきなのでしょうか?

 

今回は、積立投資の途中で資金拠出が難しくなった場合の対処法について解説します。

 

 

積立投資の途中で積立の継続が難しくなった場合の対処法

積立投資は20年~30年程度の長期間を前提にしているので、積立開始後に毎月の資金拠出が難しくなることも考えれます。

 

例えば、つみたてNISAは積立投資の制度ですが、毎月の拠出上限は約3万円。3万円を20年以上も毎月出せるのかと不安を感じる方もいるでしょう。

 

積立開始当初に比べて家庭環境が変われば、毎月3万円の積立が苦しくなることも考えられます。

 

積立投資の資金拠出が苦しくなった場合に気を付けるべきポイントは下記の通り。

  • 積立額の引き下げを考える
  • 積み立てた資産を売却しない
  • 積立は止めても運用は継続する
  • 資金に余裕が出れば積立を再開する

 

次項以降でそれぞれを解説したいと思います。

 

 

積立額は途中で下げることが可能

積立額は運用途中で引き下げることができます。

 

例えば、毎月3万円ずつ積み立てていたケースで、3万円は厳しくなったとします。

 

その場合、積立額を毎月1万円などに減らすことも可能。

 

ネット証券会社であれば、100円から積立投資が可能なので、3万円の積立額を500円などに減らすこともできます。

 

積立投資が資金的に苦しくなった場合、まずは積立額を減らして少額でも積立運用を継続することを考えるといいでしょう。

 

どうしても積立を継続できないという場合には、完全に積立を止めることもできます

 

 

積み立てた資産を売却しない|必要な額だけ現金化する

毎月の積立が資金的に苦しいだけであれば、積立は止めても保有資産は売却せずに、そのまま運用を継続することも可能。

 

積立を止めたら、それまで積み立てた資産を売却しないといけないと勘違いしている方もいますが、そのまま運用を継続することもできます。

 

積立が苦しく、まとまった資金も必要という場合は、必要な額だけ現金化するのがおすすめ。

 

例えば、100万円積み立てたうちの50万円を現金化し、残りの50万円の運用を継続するというイメージです。

 

次項で解説しますが、むやみに全額を現金化するのは得策ではありません。

 

 

途中で積立を止めても運用を続ければ資産は複利で増える

積立を止めても、それまで積み立てた資産の運用は継続した方が賢明です。

 

実際に、積立を止めた後に積み立てた資産の運用を継続したケースをシミュレーションしてみましょう。

 

【シミュレーション条件】

  • 積立資産:100万円
  • 利回り:年利5%
  • 運用期間:20年

運用シミュレーション(100万円)

積立投資を開始して資産が100万円になったところで、積立を止めて保有資産を年利5%で20年間運用すると元利合計で約271万円になります。

 

運用を継続すれば積み立てた資産は複利で増えていきますので、積立が厳しい場合でも現金化は最小限にとどめて運用を継続するのが得策です。

 

 

資金に余裕が出れば積立を再開する

一旦、積立を止めた後に支出が減ったり、収入が増えるなどして資金的に余裕が出るケースもあるでしょう。

 

そのような場合は、止めていた積立を再開することも可能です。

 

途中で積立を止めてしまった投資信託を再度、積み立ててもいいですし、もっといいファンドが見付かれば、違うファンドを積み立ててもいいでしょう。

 

 

まとめ

積立投資が苦しくなった場合に考えるべきポイントは下記の通り。

  • 積立額の引き下げ
  • 新規積立の停止
  • 必要額の現金化
  • 積み立てた資産の運用継続
  • 積立の再開

 

特に、新規の積立を止めても、それまで積み立てた資産に関しては運用の継続を考えるべき。

 

一度、積立投資を始めたら生命保険の保険料のように必ず支払を継続しないといけないと勘違いしている方がいます。

 

生命保険は加入した後は原則、支払期間満了まで保険料の支払を継続する必要があります。

 

しかし、積立投資は途中で積立を止めたり、再開したりすることが可能。

 

例えば、積立投資開始後に下記のような対処が可能です。

 

積立投資開始後に教育費がかさむようになり、積立を一旦休む。

 

それまで積み立てた資産は現金化せず、運用は継続する。

 

資金的に余裕が出てくれば、積立を再開する。

 

上記のような考え方が可能なので、積立投資に関しては難しく考え過ぎず、積立が苦しくなったら少し休憩しても大丈夫という軽い気持ちで始めてみるのもいいでしょう。