2024年から始まった新NISA制度は、これまでのNISAと比べて非課税で投資できる金額が大幅に拡大されました。
40代・50代の投資初心者で資産形成を考えている方にとって、非常に魅力的な制度になったといえるでしょう。
新NISA制度を活用する際にポイントとなるのが、非課税保有限度額や年間投資枠の知識。
しかし、制度内容を完全に理解できている方は少ないはず。
そこで今回の記事では、2024年からスタートした新NISAについて、40代・50代の投資初心者向けに非課税保有限度額や年間投資枠などのポイントを詳しく解説していきます。
40代・50代の投資初心者で、新NISAの非課税保有限度額や年間投資枠について理解し、資産運用に活用したい方は参考にしてください。
新NISAの非課税保有限度額とは?
非課税保有限度額とは、生涯において非課税で保有できる金額の上限のことです。
新NISAでは、非課税保有限度額が1,800万円に拡大されました。
これまでのNISAの非課税保有限度額は、「つみたてNISA」が800万円、「一般NISA」が600万円でしたので、一般NISAの3倍、つみたてNISAの2倍超になったことになります。
また、非課税保有期間も無期限になりましたので、いつから始めても自分のペースで無理なく利用できます。
なお、非課税保有限度額は買付け残高で管理されるため、資産の値動きは関係ありません。
例えば、1800万円で投資した資産が3000万円になっても非課税で保有可能。
非課税保有限度額のうち「つみたて投資枠」は、一定の投資信託やETFが投資対象となる枠で長期の積立・分散投資に適しています。
一方、「成長投資枠」では投資信託だけでなく上場株式など幅広い投資商品が購入可能。ただし、「成長投資枠」で利用できるのは最大1,200万円まで。
つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能
旧NISAでは「一般NISA」または「つみたてNISA」のどちらかの制度を選択する必要がありましたが、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用することができます。
自分の投資スタイルや目的に合わせて、使い分けることも可能。
なお、必ず「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の両枠を使う必要はありません。
「つみたて投資枠」のみで非課税保有限度額の1800万円まで利用することも可能です。
また、「成長投資枠」のみを使うことも可能ですが、利用できるのは最大1200万まで。
また、成長投資枠は一括投資だけでなく積立投資もできます。
つまり、つみたて投資枠と成長投資枠の両枠でインデックスファンドを積立投資して、1800万円を埋めることも可能。
40代・50代から資産運用を始める方の中には、「成長投資枠」を活用した一括投資で一気に資産を増やしたいと思う方かいるかもしれません。
しかし、焦りは禁物。
投資に慣れるまでは、つみたて投資枠でコツコツ積立投資をメインにすることをおすすめします。
新NISAの年間投資枠とは?
年間投資枠とは、1年間に非課税で投資できる上限金額のこと。
新NISAでは、年間投資枠が360万円に拡大されました。
これまでのNISAの年間投資枠は、つみたてNISAが40万円、一般NISAが120万円でしたので、一般NISAの3倍、つみたてNISAの9倍になったことになります。
年間投資枠が増えれば、非課税で受け取れる利益も増えることが期待できるため、効率のよい資産運用が可能。
ただし、年間投資枠は年間の利用額に関係なく、1年に1回更新されます。
余った年間投資枠は、翌年以降に持ち越せない点に注意しましょう。
例えば、今年の投資額が360万円未満だったとしても未使用の枠は持ち越せず、来年の年間投資枠は360万となります。
年間投資枠の内訳は、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円です。
つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて年間360万円まで。
年間360万円だと、毎月30万円を投資に回す計算ですし、例えば、ボーナスを入れても毎月20万円とボーナス60万円を年に2回の計算です。
このように考えると、直感的にもそんなに投資に回す余裕はないと思う方が多いのではないでしょうか。
しかし、新NISAは非課税期間が無期限であるため、ムリに年間投資枠を埋める必要はありません。
40代・50代だからといって焦らず、ご自身の予算とリスク許容度に合わせて少額からでも長期的に積立投資を行うようにしてください。
新NISAは非課税枠の再利用が可能
さらに、新NISAの大きなメリットとして、非課税枠の再利用が可能になったことが挙げられます。
旧NISAでは、年間投資枠を使い切るとNISAで保有している商品を売却しても、非課税枠を再利用して投資することはできませんでした。
しかし、新NISAでは非課税枠で保有している商品を売却すれば、その分の非課税枠が翌年以降に復活。
つまり、非課税保有限度額の範囲内であれば、何度でも売り買いができるということ。
例えば、新NISAで100万円で投資した資産を150万円で売却した場合、翌年には100万円分の非課税枠が空きます。
この100万円の非課税枠を再利用して投資することができます。
このように、新NISAでは自分の投資スタイルに合わせて、柔軟に非課税枠を使い回すことができます。
ただし、非課税枠が復活するのは翌年以降なので、新NISAを活用した頻繁な売買はおすすめできません。
40代・50代の投資初心者の中には頻繁に売買した方が利益が出せると思っている方もいるでしょう。
確かに、頻繁な売買で利益を出せる方もいますが、それはセンスのある少数の人だと考える方が無難。
また、新NISAで損失を出したとしても課税口座の利益と損益通算することができないというデメリットもありますので、注意が必要です。
新NISAでは、多くの個人投資家にとって投資信託を積立投資して長期保有することが最も利益を出せる投資法となることは間違いありません。
まとめ
以上が、新NISAの非課税保有限度額や年間投資枠についての解説です。
新NISAは、これまでのNISAと比べて非課税で投資できる金額が大幅に拡大されした。
ただし、非課税保有限度額や年間投資枠の活用方法には、押さえておくべきポイントもあります。
特に40代・50代から資産運用を始める方には、焦らずコツコツと運用を始めていただければと思います。
新NISA制度を上手に活用し、資産形成に役立ててください。