投資において利益を出すためのポイントは「損をする可能性の高い投資」には手を出さないこと。
では、損をする可能性が高い投資とはどのようなものでしょうか?
「絶対に手を出してはいけない投資」の代表的なものは下記3つだと以下の本で挙げられています。
- 金融機関がすすめる投資信託
- 個別株
- FX(外国為替証拠金取引)
- 不動産投資
今回の記事では上記の4つの中で、「金融機関がすすめる投資信託」について解説したいと思います。
投資を始めたいが、損をするのが怖いという方は参考にしてください。
『貯金感覚でできる3000円投資生活デラックス 横山光昭 (著)』
金融機関がすすめる投資信託はリスクが高い?
金融機関がすすめる投資信託に注意と聞くと、大手都市銀行や証券会社のすすめる投資信託のことをイメージしがち。
しかし、著者の横山さんはネット証券のサイトで紹介されているおすすめの投資信託にも注意が必要と解説。
ネット証券だから安心と思考停止状態になってはいけません。
ネット証券は手数料が安く優良なファンド(投資信託)のみを扱っているというイメージが強い方もいるでしょう。
しかし、ネット証券も含めて金融機関がすすめる商品は顧客が儲かる商品ではなく、自分たちが儲かる商品、つまり手数料が高い商品である可能性が高いと横山さんは指摘。
ネット証券を含めた金融機関の利益は手数料から発生します。
ネット証券も手数料の安いインデックスファンドばかりを売っていては儲けが少ない。
また、おすすめ商品には莫大な広告費がかかっていることもあるでしょう。
経費を回収する意味でも手数料が高い商品を売りたくなるのは間違いない。
例えば、『三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』などは広告費を掛けなくても売れる。
いい投資商品とは口コミで売れていくもの。
なお、個人的な考えですが、投資信託などの手数料引き下げ競争も一定のレベルで止まる方が顧客側にもメリットがあります。
日本はデフレ状態が長く続いてきたので仕方がない部分はありますが、とにかく各種手数料を下げることを是とする昨今の風潮はいかがなものでしょうか。
ネット証券も大手の証券会社に比べれば経費は少ないものの、システムの維持などにお金がかかります。
手数料の引き下げ競争を繰り返せば、どこかで利益を取りにいく必要がある。
リスクが高く、手数料も高い投資信託を買ってもらうことは儲けにつながあります。
顧客が儲からない商品をすすめられることにより、最終的に我々一般投資家が不利益を被る形になるケースも考えられます。
また、最悪の場合、利用している証券会社が無くなるというケースも発生するかもしれません。
毎月分配型の投資信託に注意
金融機関のおすすめの定番といえば、毎月分配型の投資信託。
根強い人気がある毎月分配型の投資信託にも裏があると著者は指摘。
デメリットとしては、毎月分配すると運用効率が落ちる。
また、運用が思うようにいかない場合には収益からではなく、元本を削って分配金を捻出することがある。
これをタコ足配当(特別分配金)といいます。
下記の記事にあるように私も試しに毎月分配型の投資信託を購入してみましたが、買った時期が悪かったとはいえ、約1年間で受け取った分配金の全てが元本の払い出し(特別配当)でした。
ランキングにも注意が必要
ネット証券の販売額ランキングにも注意が必要です。
下図はある日のSBI証券の投資信託販売額ランキングです。
(出典:SBI証券)
ランキング4位に『SBI-SBI 日本株4.3ブル』が入っています。
これは日本の株式市場全体の値動きの概ね4.3倍程度となる投資成果を目指して運用を行っているファンド。
日本の株式市場が上がれば、その3.8倍の利益が出るというレバレッジを掛けた商品。
信託報酬は年0.968%と高め。
上記のようなレバレッジを掛けた投資初心者向けではない商品が売れ筋ランキングの4位となっています。
また、日本の株式市場全体の値動きに4.3倍のレバレッジを掛けた逆張りの商品『SBI-SBI 日本株3.8ベアII』がランキング6位。
投資に不慣れな方であれば、人気ランキング上位で安心と勘違いして買ってしまう可能性がある。
金融機関はハイリスク・ハイリターンで顧客にとって良いとはいえない商品でもおすすめ商品として紹介するケースがある。
おすすめ商品には「手数料が高い」「リスクが高い」といった問題が隠れている可能性があると横山さんは指摘しています。
まとめ
金融機関でおすすめとされている金融商品には「手数料が高い」「リスクが高い」といった問題が隠れている可能性があります。
これはネット証券も例外ではありません。
自分の頭で考えて運用することが重要です。思考停止状態で金融機関を含め、他人がすすめる商品に飛付くのは賢明とは言えません。
自分の頭で考え、投資する。今後、この考え方が益々重要になってくるでしょう。
AIの進化により、AIにお任せで運用というトレンドがくるかもしれませんが、裏でどのような運用をされているか分かりません。
完全にお任せだと、突発的なことが起きた時に自分の判断で運用方針を見直すことができなくなります。
なお、損をする可能性の高い投資として横山さんが挙げている「個別株」「FX(外国為替証拠金取引)」「不動産投資」についても気になる方は、以下の本をご参照ください。
『貯金感覚でできる3000円投資生活デラックス 横山光昭 (著)』