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【新NISA】2023年中に確認すべき投資信託の積立設定とは?


いよいよ2024年から始まる新NISAまで約2ヶ月となりました。

 

制度開始前に投資信託の積立設定の受付が開始されます。

 

SBI証券は2023年11月19日(日)から、楽天証券は2023年11月13日(月)から設定の受付が開始予定。

 

「は?新NISAは2024年1月以降に設定すればいいのでは?」と思った方は危険。スタートダッシュに乗り遅れます。

 

今回の記事では、2023年中に確認しておくべき投資信託の積立設定について、SBI証券を事例に解説します。

 

2024年の年初から新NISAをフル活用したいと考えている方は参考にしてください。

 

 

新NISA制度とは?

まずは簡単に新NISA制度について解説します。

 

新NISAは2024年1月からスタートする予定です。

 

新NISA制度の概要は下表の通り。

出典:新しいNISA : 金融庁

 

つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、両枠の併用が可能で非課税期間が無期限になります。

 

新NISA制度の詳細は下記記事をご参照ください。

www.fpinv7.com

 

現行NISA口座を開設している金融機関で自動的に新NISA口座が開設されます。

 

よって、金融機関を変更する予定のない方は手続き不要。

 

SBI証券では下図の通り、2023年12月1日以降に「口座管理」等の画面に2024年の新NISAの成長投資枠、つみたて投資枠が表示されます。

(出典:SBI証券)

次項以降で2023年中に確認すべき投資信託の積立設定について解説します。

 

 

現行NISAで登録されている投信積立設定が新NISA口座に自動で引き継がれる

現行NISA(一般・つみたて)で設定している投資信託の積立設定が新NISA口座に自動で引き継がれます

 

一般NISA」で設定されている投資信託の積立設定は「成長投資枠」へ、「つみたてNISA」の設定は「つみたて投資枠」へ自動で引き継がれます。

 

なお、成長投資枠で設定が引き継がれるのは一定の基準を満たした成長投資枠対象ファンドのみなので、ご注意ください。

www.fpinv7.com

 

積立額を3万円から5万円に増額するなどの変更を予定している方は、設定の変更が必須。

 

また、一般NISAで投資信託の積立をしている方は、そのままだと成長投資枠に設定が引き継がれてしまうので、つみたて投資枠に設定を変更すべきか検討するのがいいでしょう。

 

なお、積立額やファンド(投資信託)の変更を予定していない方も確実に現行NISAの設定が引き継がれているかを確認する方が安心です。

 

 

つみたて投資枠での投信積立で現金とクレカ決済の併用が可能

新NISAでは、つみたてNISAではできなかったクレカ決済と現金決済の併用が可能となります。

 

例えば、クレカ5万、現金5万の合計10万というイメージ。

 

なお現在、つみたてNISAと特定口座を合わせて5万円のクレカ設定している人は注意が必要。

 

つみたてNISAで33,333円と特定口座で16,667円の合計5万円のクレカ積立をしている方が多いと思います。

 

上記の設定の場合、変更をしないと新NISAでは「つみたて投資枠」で33,333円、特定口座で16,667円の積立設定が引き継がれます。

 

「つみたて投資枠」で5万円の設定に変更することを忘れないようにしましょう。

 

なお、クレカ設定の上限額が5万円から10万円になるように規制が緩和されるようです。

 

2024年の年初に間に合うのかは分かりませんが、10万円を積み立てる余裕がある方はクレカで10万円分決済し、ポイントを獲得できるようになる可能性があります。

 

仮に1%還元のカードで積み立てれば年間12,000ポイントになるので、小さくありません。

www.nikkei.com

 

 

クレカ積立の設定スケジュールに注意

2024年1月から新NISAで新たにクレカ積立をする場合、または一般NISA・つみたてNISAのクレカ積立で設定されている金額・銘柄等を変更する場合は、2023年11月18日(土)から12月の各カードの締切日までにクレカ積立設定を完了する必要があります。

 

三井住友カードの例

クレカ積立設定の期間:2023/11/19(日)~2023/12/10(日)

⇒2024年1月分から新NISAで積立開始

 

下図は楽天証券からの引用ですが、12月の積立設定期間を過ぎると2月からの積立となってしまうので注意が必要です。

(出典:楽天証券)

 

なお、金融機関変更する予定の方は手続きを急いだ方がいいでしょう。

 

2023年10月の移管手続き開始に合わせて申し込みが殺到し、金融機関によっては勘定廃止手続きに2~3週間待たされる例が出ている様子。

 

更に新金融機関でのNISA口座開設にも手続きが殺到して時間がかかる可能性あります。

 

移管の手続きが遅れると、年初のカード積立の設定期限に間に合いません。

 

下記記事で書いた通り、私はauカブコム証券からSBI証券にNISA口座を変更する予定。

www.fpinv7.com

 

既にauカブコム証券では勘定廃止通知書の発行手続きをしました。

 

勘定廃止通知書が届くまでに1週間以上かかりました。

 

 

まとめ

新NISAの投資信託の積立設定は2023年中に確認しておく必要があります。

 

SBI証券で注意すべきポイントは下記の通り。

  • 現行NISAの積立設定が自動的に新NISAに引き継がれる
  • つみたて投資枠での投信積立で現金とクレカ決済の併用が可能
  • クレカ積立のスケジュールに注意

 

新NISAを始める金融機関によって、注意すべき点が異なることがあります。

 

2024年年初から新NISAの投資が順調に開始されるように、口座を開設している金融機関の情報を確認してください。

site2.sbisec.co.jp

www.rakuten-sec.co.jp