一般社団法人投資信託協会(以下「投資信託協会」)が、新NISAの成長投資枠で購入できる投資信託を発表しました。
成長投資枠で何を買ったらいいのか悩んでいる方も少なくないでしょう。
そこで今回は、下記ポイントを解説します。
- 成長投資枠で購入できる投資信託とは?選定基準は?
- 成長投資枠で購入すべき投資信託とは?
- 成長投資枠の使い方
2024年1月から始まる新NISA制度を有効活用したいという方は参考にしてください。
新NISAの概要
まずは簡単に新NISAの概要を解説します。
新NISAは2024年1月からスタートする予定。現行NISAからの改正ポイントは下記の通り。
- 制度の恒久化
- 非課税期間の無期限化
- 非課税投資枠の大幅拡充
- つみたてNISAと一般NISAの併用可
下図の通り、非課税保有限度額1800万円の中に成長投資枠1200万円があります。
成長投資枠は現行の一般NISAに該当する部分ですが、現行NISAよりも投資対象商品は絞られます。
新NISA制度の概要は下表のご参照ください。
成長投資枠で購入できる投資信託|選定基準は?
投資信託協会が、2024年1月にスタートする新しい少額投資非課税制度(NISA)の「成長投資枠」で投資できるファンドを公表しました。
「成長投資枠」では、下記ファンドは除外されることになっています。
- 信託期間が20年未満
- 高レバレッジ型
- 毎月分配型
運用各社が条件を満たすファンドを投資信託協会に報告して、協会がそれを取りまとめました。
今回(2022年6月21日分)は第1弾で、公募投信941本と上場投信(ETF)・不動産投信(REIT)91本が発表されました。
今後発表される1000本と合わせ、約2000本が最終的な投資対象となる予定。
対象ファンドには日本株で運用する投信で残高最大の「ひふみプラス」や「つみたて投資枠」でも対象商品となる「eMAXIS Slim」シリーズ、「SBI・V」シリーズも入っています。
NISA成長投資枠対象商品の更新スケジュール
今後もNISA成長投資枠対象商品リストは定期的に更新される予定です。
2023年7月から12月にかけて毎月リストは更新されるようです。
なお、詳細な更新予定については下表をご参照ください。
(出典:投資信託協会)
成長投資枠|どの投資信託を購入すべき?
公募投信は日本全体で約6000本あります
その中から投資初心者が扱いやすい投信を選別し、最終的に約2000本が「成長投資枠」で投資可能となります。
6000本から2000本に絞られたとはいえ、こんなに選択肢があったら選べないというのが正直なところでしょう。
何を選んでいいか分からないという方は「つみたて投資枠」の対象ファンドから選ぶのがおすすめ。
「つみたて投資枠」で購入できるファンドは「つみたてNISA」の対象ファンドと同じになる予定。
具体的には、下記のようなファンドがおすすめです。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
なお、成長投資枠では投資信託やETFにこだわる必要はありません。
個別株(整理・管理銘柄を除く)も購入可能です。
成長投資枠の使い方とは?
今回の記事では「成長投資枠」で購入できる投資信託について確認しましたが、成長投資枠は必ず使わないといけないものではありません。
よって、成長投資枠を使わないという考え方も1つの選択肢。
そもそも、「つみたて投資枠」で毎月10万ずつ積み立てるのが難しいという方も多いのではないでしょうか?
「成長投資枠」を使わずに「つみたて投資枠」で10万円以内の積立をコツコツ継続するということでも全く問題ありません。
新NISAの非課税期間は無期限なので、コツコツ可能な範囲で投資するということでも資産を増やしていくことが可能。
例えば、40歳から毎月10万円ずつ積立投資して年利5%で15年間運用すれば、55歳の時点で下図の通り投資元本1800万円が約2600万になります。
上記の約2600万円を更に65歳まで年利5%で10年間放置すれば、下図の通り4400万円にもなります。
資産運用において大事なことは長期間続けること。途中で止めないこと。
資産運用を長期視点で続けるためには、自分にとっての無理のない範囲を見極めることが重要です。
特に若い方については無理は禁物。
ムリして資産運用に資金を回すよりも、自己投資にお金を使った方がリターンが大きい可能性があります。
なお、成長投資枠の使い方については下記記事で解説していますので、参考にしてください。
まとめ
投資信託協会が2022年6月1日に公表した2024年1月にスタートする新しい少額投資非課税制度(NISA)の「成長投資枠」で投資できるファンドについて解説しました。
今回は第1弾の発表で、公募投信941本と上場投信(ETF)・不動産投信(REIT)91本。
今後発表される1000本と合わせ、約2000本が最終的な投資対象となる予定。
新NISAにはつみたて投資枠と「成長投資枠」がありますが、成長投資枠は必ず使わないといけないものではありません。
よって、成長投資枠を使わないという考え方も1つの選択肢。
「成長投資枠」を使わずに「つみたて投資枠」で10万円以内の積立をコツコツ継続するということでも全く問題ありません。
因みに私は成長投資枠で高配当ETFなどを購入するつもり。
その理由は、運用中も分配金や配当金を使いたいから。また、投資で収益を上げられるようになったきっかけが高配当株投資だったから。
万人に当てはまる絶対正解の投資法はないので、大事な事は自分が心地良い投資スタイルを確立すること。
自分に合う投資スタイルでなければ長く続きません。
心地良さを重視して、長期間投資を続ける事が資産運用で成功する秘訣です。
なお、新NISAについては下記のような記事も書いているので、参考にしてください。