つみたてNISAを始めようと考えた時に悩むのが、どの銘柄を選んで積み立てたらいいのかではないでしょうか。
つみたてNISA対象商品の取り扱いが多い証券会社では200本を超える中から選ぶ必要があります。
銘柄選定で参考にされる情報の1つがランキング。
しかし、ランキングを参考にするのは良くないのではないかと考えている方も多いでしょう。
結論から申し上げると、つみたてNISAの場合、銘柄ランキングを参考にするのも1つの方法。
つみたてNISAで銘柄ランキングを参考にできる理由と、参考にする際の注意点について解説します。
2024年から始まる新NISAの「つみたて投資枠」での銘柄選びにも使える考え方なので、参考にしてください。
つみたてNISAとは?
まずは簡単につみたてNISAについて解説します。
つみたてNISAとは、2018年1月からスタートした長期の積立・分散投資を促進するための税制優遇制度。
通常、投資信託の売却益や分配金には、20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISA口座を活用することにより非課税となります。
つみたてNISAの毎年の非課税投資枠は40万円、非課税期間は最長20年間です。
つみたてNISAの対象商品は、一定の条件を満たして金融庁に届け出された投資信託とETF(上場株式投資信託)に限定されています。
具体的な対象商品は、インデックス型の投資信託が211本、アクティブ型の投資信託が39本、ETF(上場株式投資信託)が8本の計258本。
上記の対象商品は随時、見直しが行われています。
なお、2024年からは制度が刷新されて新NISA制度がスタートする予定。
つみたてNISAは「つみたて投資枠」に引き継がれる形になります。
新NISAの詳細は下記記事をご参照ください。
つみたてNISAの銘柄ランキングが参考になる理由とは?
つみたてNISAの銘柄ランキングが参考になる理由は、そもそも、つみたてNISAで積立対象となっている商品が金融庁によって厳選されているから。
日本には約6,000本もの投資信託が存在していますが、その中から金融庁がつみたてNISA用に長期で分散投資するのに相応しい商品として258本を厳選しています。
つまり、つみたてNISAで買える投資信託には大きなハズレがないということ。
つみたてNISAの銘柄ランキングは、金融庁が厳選している商品の中でのランキングなので、参考にして問題ありません。
ただし、証券会社などの買付ランキングではなく、金融機関以外の第三者が発表している下記のようなランキングを参考にしてください。
銀行や証券会社などの金融機関のランキングを参考にしない方がいい理由は、金融機関によってつみたてNISA対象商品(投資信託・ETF)の取り扱い本数が異なるから。
例えば、取り扱い本数が多い楽天証券は203本。一方、少ない金融機関だと3本という場合もあります。
なお、つみたてNISA口座をどこの金融機関で開設するかも重要ですので、下記記事をご参照ください。
つみたてNISA銘柄ランキング(2023年11月)
では、実際につみたてNISA銘柄ランキング(2023年11月)の内容を確認してみたいと思います。
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 大和-iFreeNEXT FANG+インデックス
- ピクテ-iTrustインド株式
- 大和-iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
(出典:ZAi)
上記ランキングの上位には日本株のみに投資するファンド(投資信託)が含まれていません。
ランキング上位には、米国株式と世界株式のインデックス(指数)に連動するファンドが入っていて、ホームカントリーバイアスを克服した素晴らしいランキングになっています。
銘柄ランキングを参考に積立投資を開始する
つみたてNISAの銘柄選定に迷っている方は、上記のランキングを参考に積立投資を始めてみたください。
ランキングを参考にするのであれば、3位くらいまででしょう。であれば、どの銘柄を選んでも問題ありません。
銘柄選定に絶対の正解はありません。誰にも未来は分からないからです。
不安があるようであれば、少額の積立から開始して値動きに慣れてみてください。
どの銘柄にしようかと悩んでいる状態を脱して実際に積立投資を開始すると、経済情勢などに興味を持つようになり、金融リテラシーの向上が期待できます。
ちなみに、私は1位の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と2位の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、7位の「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」などを保有しています。
なお、上記のランキングはつみたてNISAだけでなく、特定口座などNISA口座以外で投資をする際も参考にして問題ありません。
大手証券会社の積立投資ランキングは参考にすべきではない!?
ランキングを参考にする際に注意して欲しいのが、つみたてNISAの銘柄ランキングを参考にするということ。
証券会社などのつみたてNISA対象商品以外の投資信託を含む積立投資の買付ランキングは参考にすべきではありません。
ランキングの中に手数料が割高なぼったくりの商品が入っている可能性があるからです。
私のところにも大手証券会社から積立投資の買付ランキングのメールが来ましたが、つみたてNISA対象商品以外のワナ銘柄が含まれていました。
購入時手数料3.3%、信託報酬1.65%という手数料が超割高なアクティブ型の投資信託が上位にランクインしていました。
大手証券会社などの積立投資の買付ランキングには、証券会社が儲かるから力を入れて販売(営業)している投資信託が上位に入っています。
これは考えれば当たり前の話。ランキングにつられてワナ銘柄をつかまされないように気を付けて下さい。
まとめ
つみたてNISAを始めようと考えながら、銘柄の選定に迷っている場合は、つみたてNISAの銘柄ランキングを参考にしてみてください。
つみたてNISAで購入できる対象商品(投資信託・ETF)は、金融庁が長期で積立、分散投資できる銘柄を厳選しています。
よって、厳選された銘柄のランキングの中から投資対象を選ぶことになるので、投資対象を大きく外す心配はありません。