現役投資家FPが語る

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【参院選公約】一律2万円給付より減税すべき?


自民、公明両党は7月の参院選で国民1人当たり2万円(子どもと住民税非課税世帯の大人には2万円を加算)の現金を給付する公約を掲げました。

 

しかし、ここにきて政府・自民党内で全国民を対象にした給付の見直し論が強まっています。

 

野党からも給付には反対し、減税すべきという声が上がっています。

 

減税するために給付は取り下げるべきなのでしょうか?

 

そこで今回の記事では現金を給付するよりも減税すべきなのかについて解説します。

 

どんな政策でもいいから国民を救えと憤っている方は参考にしてください。

 

 

現金給付より減税すべき?

自民、公明両党は7月の参院選で国民1人当たり2万円(子どもと住民税非課税世帯の大人には2万円を加算)の現金を給付する公約を掲げました。

 

しかし、ここにきて政府・自民内で全国民を対象にした給付の見直し論が強まっている状況。

 

最大野党の立憲民主党は現金給付を実施するための補正予算案には反対する意向を表明。

 

野党の日本維新の会と国民民主党も現金給付に反対の立場を明確にしています。

 

確かに一回限りの現金給付よりも恒久的な減税の方が経済効果は高い

 

しかし、減税と給付が両立しないというわけではありません

 

減税するとしても、その前に現金給付もしたらいいでしょう。

 

1人当たり2万円程度の給付では足りませんが、現金給付は物価高に苦しむ国民を助けることにつながります。

 

野党は与党案の現金給付にも賛成するから減税も協力してくれというスタンスをとればいい話。

 

給付よりも減税というパフォーマンスや国民へのアピールは不要。

 

日本国民が何を欲しているのかを考えて行動するべきです。

 

国民を救うためであれば、給付だろうと減税だろうとやったらいい。

 

減税を議論する際には財務省を敵に回すことになるので、簡単には話が進まない可能性があります。

 

減税の議論が混乱している間は、現金給付でつなぐという柔軟な考え方も必要。

 

個人的には2万円などとケチなことを言わずに1人10万円くらい配ればいいと思います。

 

 

減税や給付の財源は国債一択

減税か給付かという議論は、財源論に縛られているから起こります。

 

限られた財源の中から「減税か給付」のどちらか一方と考えているのでしょう。

 

実際、国民民主党の玉木代表は現金給付をやめれば25年度はガソリン税の旧暫定税率を廃止するための財源がまかなえるとの認識を示しています。

 

現状の日本であれば、減税も給付もどちらも実現可能。

 

最近も話題になりましたが、国(政府)は海外への支援については財源の議論なしでポンっと決めている。

 

海外支援のために増税や歳出削減などの議論が出てこないのは不思議な話。つまり、財源の議論など不要なのです。

 

減税することにより税収が減るのであれば、国債を発行して補填すれば済む話

 

減税するために増税や歳出を削減すれば行って来いで意味はありません。

 

テレビや新聞には、これ以上に国債を発行すると「財政破綻する」や「ハイパーインフレになる」というニセ経済エコノミストが多数存在しています。

 

しかし、自国通貨建ての国債を発行できる日本が「財政破綻」することはありませんし、「ハイパーインフレ」になる可能性もほぼありません

 

これは財務省が自ら認めていること。

www.fpinv7.com

 

何よりの証拠がコロナの際に日本は100兆を超える国債を発行しましたが、財政破綻もハイパーインフレも起こっていません

(出典:財務省)

 

消費税は社会保障の重要な財源」などという寝言を言っている暇は日本にはありません

www.fpinv7.com

 

税収が足りなければ国債を発行すればいいだけの話。

 

ガソリン暫定税率の廃止や消費税減税などにより国民の可処分所得を上げれば、GDPが増加して税収が上がるでしょう。

 

税収が上がれば、国債の発行額を減らせる可能性もあります。

 

国内景気が拡大して企業が設備投資などのために借り入れを起こせば、バブル期のように国債発行ゼロの状況も起こり得ます。

 

つまり、経済が活性化すれば国(政府)の財政も健全化する!

 

まさに「経済あっての財政」なのです。

 

 

公約を守らない政党は消滅させるべき

7月の参院選で惨敗したとはいえ、自公は47議席を獲得しました。

 

2万円の現金給付を期待して自公に投票した人もいるでしょう。

 

選挙時の目玉公約を簡単に反故にするなど言語道断

 

選挙時に有権者は公約をもとに投票先を決めます。

 

その公約を守らないということは民主主義の否定

 

石破茂首相は過去の国会答弁で、「当選したからといって公約を掲げた内容通りに実行するとはならない」と発言しています。

 

上記のような有権者をバカにした発言をする人物を党の代表に選んだ政党に政権を任せていいのでしょうか。

 

簡単に公約を反故にするような政党は消滅させるべく、我々国民が選挙でが引導を渡すしかありません。

 

 

まとめ

自民党、公明党が7月の参院選で掲げた国民1人当たり2万円の現金を給付する公約について見直しの議論が出ています。

 

野党も現金給付に反対を表明している状況。

 

そこには、限られた財源の中では「給付か減税か」を選ぶ必要があるという間違った発想があります。

 

しかし、安定財源である自国通貨建ての国債を活用すれば、給付も減税もどちらも実現可能

 

財務省の抵抗により減税を実現するまでには時間がかかることが予想されます。

 

実際、ガソリン税の暫定税率を廃止する財源を確保するために増税するという間抜けな議論が出始めています。

 

「財源は?」というバカの一つ覚えの議論を長々とやっている時間は日本にはありません。

 

財務省の時間稼ぎに付き合っている間にも日本の貧困化、衰退化はどんどん進んでいます。

 

国債を財源としてまずは給付を実現しつつ、減税の議論を前に進めていく必要があるでしょう。